若者のすべて
ホームセンターの店長時代の思い出です。
ある日、仕事終わりに何となく若手二人と食事に行きたくなり、二人を誘ってリンガーハットへ行きました。
話は私がその店に転勤してきてからの一年で店がどう変わったか、最近の若手二人の活躍、これからのこと…などなど。
その頃の二人を見ていて感じていたことは、二人とも良く頑張っているなということでした。
入社二年目と新入社員の二人でしたが、二年目の方は本当に良い動きをするようになっていましたし、考え方も二年目とは思えないくらいしっかりしてきたことを感じていました。
まだまだ荒削りではあったものの、何より勢いがあり完全に【ノっている】状態。
こういうときは実力以上の仕事が出来たりするわけで、それが自信となり更に底力を押し上げていたので、ぶっちゃけ、いつか彼には追い越される予感がし、それが当時の私にとっては焦りでもあり、また、喜びでもありました。
個人的には部下が上司にできる最大の恩返しは上司を追い越していくことだと思っており、彼ならそれを成し遂げてくれそうな、そんな予感を犇々と感じていたものの、一方で私もそう簡単に抜かれてたまるかと、まだまだ実力の差を見せつけるべく、彼とのガチンコ勝負を楽しむ日々でした。
また、新入社員の方はと言いますと、とにかく向上心が強く、ちょっとやそっと注意されたくらいではへこたれたり不貞腐れたりせず、寧ろ翌日には目に見えるカタチで改善してきており、その姿勢には日々関心させられたことを覚えています。
また、何事も途中で投げ出さずにやり抜くまじめな性格で、接客でわからない事があっても先輩達のアドバイスを受けながら最後までお客様に食らい付いていく根性があり、それがついには実を結び、入社2ヶ月目にして新入社員としては異例の50万円オーバーの売上を築き上げてくれました!
しかも、販売したのは世界の一流メーカー、『シモンズ』のマットレスと、同じく世界の一流メーカー『サーター』のベッドフレームという、本当に新入社員とは思えないとんでもない内容でした。
本人もさぞ自信に繋がったことと思います。
また、売れて終わりではなく、配達や販売後のフォローもしっかり取り組んでいこうと話して私も彼もまさしく勝って兜の緒を締めたのも良い思い出です。
改めてこうして文字に落としてみて思いましたが、まったく、なんて凄い若手たちだったんだ!と。
私にとって、当時の彼らは誇り以外の何ものでもありませんでした。
そんな彼らが、もっともっとのびのびと育っていけるように、そのためのフィールドを用意してあげることが店長としての自分の責務だと感じつつも、私自身もまだまだ彼らには負けていられないと、共に刺激しあってもっともっと良い店にしていこうと燃えに燃えていた店長時代でした。
その後、転職し、彼らとは別々の道を歩むことになりましたが、今でも彼らが何処かで頑張ってくれていることを、元店長として切に願っています。
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