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自分のための「ストレスとご褒美リスト」


自分の身体のことは、自分が一番よくわかっている。

…つもりだったのに、どうやらそうじゃなかったみたい。
そのことがわかったのは、数日前のことだった。



一週間前。

首まわりに突然、虫刺されのような赤みが生じて、夜も眠れないほどの痛みと痒みに襲われた。

虫刺されの薬を塗っても一向に良くならず、むしろ状態は悪化するばかり。
見た目も痛々しいから、病院に行っておこう…と思って足を運んだ数日前、先生からこう告げられる。


「帯状疱疹ですね。」


はじめて耳にする言葉に、頭の中は「???」でいっぱいになる。
それと同時に、黒く湿り気のある重たい感情が、一気に肺まで押し寄せてくる。

「水疱瘡みたいなものです。普通は60代くらいの高齢者に発症することが多い病気で、免疫力が下がっているときになりやすいんですよ。若い人に発症することは稀で、あなたの場合は、おそらく疲労とストレスが原因ですね。」



若い人に発症することは、ほとんどない。
疲労と、ストレスが原因。

頭の中で、2つのフレーズがぐるぐると渦を巻く。

先生に年代別の分布図を見せてもらいながら、頭の中は

「どうしてよりによって一番忙しいタイミングで、こんな病気に…」

という病気への恨めしさと、

「こんな状態になるまで、自分の心と身体のSOSに、気づけなかったなんて…」

という、自責の念で占拠されていく。

じめじめした梅雨の帰り道、包帯でぐるぐる巻きになったままの姿を隠す気力もなく、ひとりで肩を落としながらとぼとぼ歩いた。


年明けから毎日、自分と向き合うために日記を書いて、月次で友人と振り返りをして。

少しずつ、自分のことが理解できるようになってきたし、自分を管理することも、できるようになってきた。

…つもりだったのに。

どこかでわたしは、自分に無理を強いていたのかもしれない。

新卒の頃よりは健康的な生活ができているし、心も身体も元気。体力はある方だし、まだまだ若いし、やりたいこともやらなきゃいけないことも、たくさんある。だから、もっと頑張らなきゃ。

そうやって、自分の心と身体を、騙し騙し、酷使していたのかもしれない。




もしかしたら、このタイミングで病気にかかったのは、ただの偶然かもしれない。けれど、こんなに辛い状態なのに、ただひたすら回復するまで耐えるだけでなんて、気が治らない。どうせなら、それ以上の、何かを得たい。

変なところで負けず嫌いなわたしが、そこでふと思い出したのが、「ストレスを感じるとき」を数値化して、そのレベルに合わせて、ご褒美リストを用意しておくという話だった。

以前どこかでこの話を聞いて、面白いなと思ってなんとなくメモしていたのだ。

せっかくの機会だから、ちゃんとリスト化してみよう。

そう思い立って、自分がどんなときにストレスを感じるのか、レベル別の一覧表をつくることにした。そして、そのストレスのレベルに応じて、自分に与えるご褒美のリストも、一緒に考えてみた。


【レベル別】わたしのストレス一覧

▼レベル10
・いつ怒られるか・責められるかわからない緊張状態に1週間以上いるとき
・「失敗できない」「達成しなきゃ」というプレッシャーに、3週間以上継続して身を置いているとき
・自分が弱っているときに、「自分よりも弱っている相手」を支えないといけない状態が、1週間以上続くとき
・大丈夫じゃないのに「大丈夫」と笑顔をつくってしまうことが、一週間以上続いたとき
▼レベル9
・「やらなきゃいけない」と自分でわかっているのに、3週間以上着手できないことがあるとき(それが頭の片隅にずっとある状態)
・誰かに行動を制限されることが3日以上続いているとき(起きる時間、寝る時間、食べる時間など)
・心身ともに急ぐ、焦る必要があるとき。また、それを強いられるとき
・気を遣う必要がある人と、共同生活を3日以上する必要があるとき(それが集団になると、さらにストレスレベルが上がる)
▼レベル8
・仕事で23時帰宅が3日以上続いたとき、平日の夜に自分の時間が1時間以上取れないことが3日以上続いたとき
・寝る環境や水回りが衛生的ではない空間に、1日以上滞在する必要があるとき
・2日以上、野菜を摂取できないとき。朝からジャンクフード、夜に炭水化物だけなど、自分の中で生理的にNGだと感じる食事を強いられるとき
▼レベル7
・12時間以上連続で、窓のない空間にこもっているとき。もしくは24時間以上連続で、同じ体勢で座っているとき(飛行機とか)
・プライベートで「LINEの返信を早く返さなきゃ」と思わされるとき(たとえ相手に返事を急かされてなくても)
・メールやSNSの通知が3日間、2桁以上溜まっているとき
・好きではないけれど邪険にできない相手と、いつ切ったらいいかわからない雑談LINEを3日以上しているとき
▼レベル6
・楽しみにしていた食事を前に、気分が下がるような発言をされたとき(値段を気にするような発言や、苦手な食べ物の話など)
・「これ、わたしじゃなくてもいいんだろうな」と感じる頼みごとをされたとき。また、それを引き受けてしまうとき
・気が乗らない誘いを、波風立たないように断らないといけないとき
・参加したくない飲み会に、参加しないといけないとき
・性別や立場などを理由に、理不尽なことを言われたとき
▼レベル5
・駅や街中で、知らない人に話しかけられるとき(そしてそれを無視しないといけないとき)
・一緒にいる相手に、公の場で品のない、他人のことを考えないような振る舞いをされたとき
・その日のTODOリストがすべて終わらなかったとき(終わらなかったものを翌日以降にまわす瞬間)
▼レベル4
・色々な予定を調整した末に空けた予定を、ドタキャンされたとき
・行きたかったお店が定休日だったとき、満席で入れなかったとき
▼レベル3
・誰かが悪口や差別的な発言をしているのを聞いたとき(飲み会の席で、それを聞いて周りの人が笑っているのを見たとき)
▼レベル2
・電車内や本屋さん、図書館などで、大きめの声で会話している人がいるとき、読書に集中できないとき
▼レベル1
・頑張ってセットした髪が、外に出たとたん雨で広がってしまうとき


わたしのストレスの共通点

リストアップしてみて、わたしがストレスを感じるタイミングには共通点があるなあと思ったので、それもここに書き留めておく。

▼ストレスの共通点
・義務感、使命感、罪悪感、相手への申し訳なさ
・極度の緊張感、プレッシャー、期待に応えなきゃという意識
・不自由、行動を制限される状態が続くこと
・心や身体の心地よい状態が崩れる(生理的にNGなことを強いられる)
・自分の感情を押し殺す(大切なものを我慢する、貶される)こと
・怒りや悪といった感情に触れること(それに対する恐怖や不安感)
・自分の「あるべき姿」に反すること(マナーや常識)

並べてみると、自分でコントロールできるものもありそうだから、これはまた、別の機会にゆっくり考えてみたい。


【レベル別】自分のための、ご褒美リスト


続いては、自分が上記のストレスを感じたときに、そのレベルに合わせて自分に与えるご褒美のリストを書いてみた。

▼レベル10〜
・ひとりで京都を訪れ、1週間気ままに過ごす
・瀬戸内の海を3日間、ひたすら眺めて過ごす
・山か森の中にある温泉旅館で、おいしいものを食べてゆっくりする
・「いつか行ってみたい宿リスト」の中の、旅館やホテルに1泊する
▼レベル8〜
・夜の海を見にいく、自然に触れられるところに行く
・次の日の予定を気にせず、その時の気分と勢いだけで行動してみる
・おしゃれして、好きな人と一緒においしいディナーを食べに行く
・弱いところを見せられる人に、たくさん話を聞いてもらう
▼レベル6〜
・青山ブックセンターで、気になった本を3冊買って帰る
・スマホをオフにして、喫茶店やカフェで1日中、本を読んで過ごす
・お気に入りの詩集や写真集を眺めてから眠る
・ARGITALのパックをする、好きなアロマの香りを嗅いでから眠る
▼レベル4〜
・好きな町をお散歩する(蔵前、世田谷線沿い、西荻窪、高円寺あたり)
・お家でちょっといい赤ワインを開けて、チーズかアイスをお供に、好きな音楽をかけてゆっくり過ごす
・次の日の「やらなきゃいけないこと」を全部リストから消して、好きな時間まで目覚ましをかけずに眠る
▼レベル2〜
・休日、陽の光を浴びながら朝ごはんをゆっくり食べる
・お気に入りの入浴剤を入れて、いつもより長めにお風呂に浸かる
・好きな人と、1週間先のごはんや旅行の予定を立てる



ご褒美リストを考える方が、断然難しかった。
目標達成の逆をいくものは罪悪感が伴うし、自分だけで完結しないものはなるべく避けようと思ったら、意外と少なくなってしまったなあと感じる。

みんなはどんなご褒美リストを用意しているんだろう。。気になる。



書いてみて思ったのは、今までわたしは「レベル10」の状態になってはじめて、自分が疲れていることに気づく(それまではあまり気づけない)から、ふと緊張が解けたときの反動が大きくて、心身ともに動けなくなってしまうのかもしれないな、ということだった。

だからこれからは、もっと手前の段階で、自分が疲れていること、頑張りすぎていること、我慢していることに、気づいてあげられるようになりたい。

周りの人からみたらどんなに小さなことでも、自分にとってはストレスの芽になっていること。それを無視せずに、ちゃんと気づいて、受け止めて、ケアしていきたい。


下半期は、もっと自分の心と身体を客観的に理解して、「勢いや気持ちでなんとか乗り切る」ではなくて、「正しい行動で着実に進む」が、できるように。

がんばりすぎず、がんばります。


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