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「考えないように、考えないようにって 考えてる」

宿題愛する一瞬でゼミ用に考えた短い話を載せます◇

※改行上手くできてないとこあります。

簡単なあらすじ

小堂剛(35)は思いやりある真面目で普通の営業マン。クライアントの美人で気の強いビジネスウーマンの三田景子(35)とひょんなことから一緒に企画を立案することに。そこで生まれる少しのラブシーン。

○電車・中(朝)
   混雑している電車内、三田景子(35)は座りながらタブレットとにらめっこ。
   景子は化粧をして、ピンヒールを履いてる。
   電車が停車し、おばあちゃんが乗車し景子の目の前に立つ。
   景子、仕事に夢中で気付かない。
   隣に座る小堂剛(35)は、おばあちゃんに席を譲る。
小堂「どうぞ」
おばあちゃん「どうも有難うございます」
小堂「いえ」
   小堂、チラッと景子を見る。
   眉間にシワを寄せタブレットを見る景子。
   ×    ×    ×
   電車が原宿駅で停車する。
   景子、「原宿」の表示に気付き立ち上 がる。一歩踏み出した際、小堂の足を踏んでしまう。
小堂「痛っ!!」
   景子、足を踏んだことに気付いてない。
   小堂、足を引きずりながら電車を出る。

○原宿駅・ホーム(朝)
   景子、携帯を見たまま進む。
   小堂、景子に話しかけようとする。
小堂「あのお姉さん」
   景子、タイミングよくバッグを持ち変えて小堂にヒットする。
   小堂、怪訝な表情で景子を見る。
   小堂、景子の肩をトントンと叩く。
   景子、気付かない。
   小堂、もう一度肩を強めにトンと叩く。
景子「(眉間にシワを寄せ)何ですか?」
小堂「あのあなたね、僕の足を踏んだんだけ
ど。気付いてる?」
景子「あら、気付かなかった。ごめんなさい」
   景子のとりあえず謝るかという対応に
小堂「僕は、僕はいいけど、あなたはお年寄
りに席を譲らずに仕事をしていた。あれは
どうかと思うよ」
景子「気付いてたなら」
小堂「ああ席を譲ったよ、この僕が」
景子「中々説教じみた人ね」
小堂「こっちだって好きでやってるんじゃ」
景子「今日プレゼンで徹夜続きなの」
小堂「そのせいで、周りが見えなくなってる」
景子「そこまで言われる筋合いあるかしら」
小堂「ああ、ないね」
景子「じゃあ失礼します」
   景子、改札を出る。
   小堂、改札を出ようとするが料金不足で出られない。
小堂「もう会わないだろうから、ついでに」
景子、不機嫌そうに振り返る。
小堂「いくら綺麗に化粧をしても、愛嬌のない態度は顔に出る。それじゃ上司のおやじにも響かないだろうなプレゼン
景子「余計なお世話よ」
   景子、カツカツとヒールを鳴らし、
急ぎ足でその場を去る。携帯を見る。
「13時 四つ葉物産様来社」の文字。
   口角を上げる練習をする景子。

○鏡商事・外観

○同・オフィス
   景子、時計の針が13時を指すのを見て立ち上がる。

○同・会議室
   気まずそうに対面で座る景子と小堂。
   他に、鏡商事の社長が座っている。
社長「それではウチと四つ葉物産さんが持ち
合った企画を摺り合わせましょうや。三田
さんから発表してくれる?」
景子「……はい」
   景子、プレゼンする。
社長「うん、いいね。じゃあ次小堂さんお願
いします」
   小堂、プレゼンする。
社長「ほう、この考えはウチにはなかった。小堂くん、よくできてるわ」
小堂「有難うございます!」
社長「でも予算のとこ詰め切れてないわな。これカバーできる数字取れんのかな」
   緊迫した空気が流れる。
   景子の上司、思いつき手を叩く。
社長「そうや。コンペは無しにして、二人で組んで企画作ってくれよ」
景子・小堂「え……?!」
社長「同い年やし、いいんじゃないの。気も合うやろ」
   目を見開き、机の下で足を蹴りあう景子と小堂。
社長「な?」
   苦笑いをし合う景子と小堂。
景子「そうですね~このアイディア無かった」
小堂「三田さんしっかりしてるし、有難いな」
   引きつる表情、笑い声が部屋に響く。
   ×    ×    ×
   社長の退出後、景子と小堂が残され
重苦しい雰囲気。
小堂「朝は……どうも」
景子、不満そうな表情。
小堂「うわ、朝と同じ顔してる」
景子「愛嬌ないんでね」
小堂「根に持ってる……」
   二人は互いの資料を見合う。
景子「仕事なんでやるしかないですよ」
小堂「俺とやるの嫌なんじゃないんですか?」
景子「仕事に私情は挟みませんよ。良い案なのは確かだし。私スパルタですよ」
   景子、挑戦的に笑う。
小堂「そこだけは合いますね。僕もです」
   握手をする二人。

○同・会議室(夕)
   ボードに書きながら打合わせをする景
子と小堂。言い合いをしてる様子。

○同・食堂
   隣の座席で昼食を食べながら資料について話す景子と小堂。

○同・会議室(夜)
   景子と小堂は資料を眺めながら
景子「あー疲れた!」
小堂「いや、良い感じだよこれ」
景子「あなたのおかげかもね」
   素直な景子を見て微笑む小堂。
小堂「飯行くか。パスタなんてどう?」
景子「名案!」

○レストラン・中(夜)
   パスタを食べる景子、満面の笑み。
景子「美味しい~!」
   小堂、景子の表情を見て笑顔になる。
小堂「良い顔するね。これも食べる?」
景子「いいの?」
   景子、小堂のパスタを食べて
景子「ここのお店、すごい美味しい」
小堂、景子のパスタを食べて
小堂「美味しい」

○レストラン・外~道路(深夜)
   酔う景子、小堂に支えられている。
   小堂、景子の胸が腕にあたり気になる。
景子「ねえ、寄り道して帰ろう」
   景子は道路の反対側の原宿駅を指す。
小堂「もう電車やってないよ」
景子「出会ったときを再現するの。あなたは私に愛嬌がないって言った」
小堂「気にしてたの?」
   笑って駅に走り出す景子。

○原宿駅・周辺(深夜)
   柵を登ろうとする景子。
小堂「無理だよ、やめなさい。見つかったら」
景子「私はルールより結果主義よ」
   景子、小堂に手を差し出す。
手を取る小堂。

○同・ホーム(深夜)
   景子は靴を手に持ち、スキップをする。
小堂「危ないから靴履いて、酔っ払い」
   小堂、景子を追いかける。
景子「中々説教じみた人ね」
小堂「君がケガしたら困るよ。プレゼン前だ」
景子「ヒールでまた踏んであげようか」
   景子は振り返り、手招きをする。
小堂「ルールを破った甲斐はあった?」
   突然、小堂にキスをする景子。
景子「仕事し過ぎで周りが見えなくなって
る?私」
驚く、小堂。
小堂「ああ、だってパスタソースがまだついてる。忙しい人だよ」
  小堂から景子にキスをする。
○マンション・小堂の部屋(朝)
   ベッドで目を覚ます景子。
   テーブルには朝食と置手紙。
   置手紙には「先に行くね」の文字。

○鏡商事・オフィス
   景子、部屋に入ると小堂は資料をまとめている。
景子「おはよう」
小堂「おはよう。眠れた?」
景子「うん、昨日は」
小堂「君の事考えないようにしてるよ」
景子「そう……」
小堂「考えないように、考えないようにって
考えてる。プレゼン終わったら話を聞いて」
景子「分かった。(切り替えて)私何やればいい?」
小堂「こっちで誤字脱字のチェックお願い」
景子「分かった。まかせて」
   景子、席に座り髪を結ぶ。

終わり。
日本人はシャイだからこんなラブシーンしないよね、そうよねと思いつつ、海外の恋愛映画を思い浮かべて出しちゃいました。

考えてもすぐ答えの出ないことを、一旦置いておきたい。けど結局考えないように、考えないようにって考えてるわ。って。

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