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𝕄𝕪 𝔽𝕒𝕧𝕠𝕣𝕚𝕥𝕖* - わかったさんシリーズ〔幼年童話〕

小学1年生~2年生の1年間だけ、祖父母の家で暮らしていた時期がありました。岩手県の祖父母の家には、テレビがなく、わたしはいつも図書館にお世話になっていました。
そのときに出会った児童書は、大人になった今も、わたしにとって大きな糧となっています。

■わかったさんのおかしシリーズ

同世代の方は、このイラストを見ただけで、ピーンと来るのではないかと思うのですが、わたしは小学生のころから、寺村輝夫先生の「わかったさん」シリーズが大好きです。
図書館でも、全10巻あるうちの全巻が書架に残っている……なんていうことはまずなく、必ずいずれかの巻が貸し出し中の大人気シリーズでした。

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(1)わかったさんのクッキー
(2)わかったさんのシュークリーム
(3)わかったさんのドーナツ
(4)わかったさんのアップルパイ
(5)わかったさんのホットケーキ
(6)わかったさんのプリン
(7)わかったさんのアイスクリーム
(8)わかったさんのショートケーキ
(9)わかったさんのクレープ
(10)わかったさんのマドレーヌ

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中でもお気に入りだった話は、「ドーナツ」の回と「アップルパイ」の回。
『わかったさんのドーナツ』は好きすぎて、職場の書棚にもしっかりストックしています。じゃじゃーん(カバー紛失、色褪せ有の年代物w)。

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表紙でわかったさんの様子を伺っている女の子が、物語のカギなのですが。当時、この女の子がなんだかわからないけど魅力的に思えたんだよなー。

<ファンタジーの世界で楽しいおかし作り> ゆかいなお話とおいしいお菓子の作り方が一冊で楽しめる好評シリーズ。 クリーニング屋さんのわかったさんが、配達の途中でまきこまれる不思議な世界。 お話のなかに、お菓子作りのカギがあり、巻末には、作り方の実際をわかりやすく解説しています。――Amazon.co.jp商品ページより

ところで、わかったさんシリーズは、お菓子のレシピが学べるファンタジーなのですが、作者の寺村先生のすごいところは、ストーリーがぶっ飛んでいるところ!(褒めています)
わたしは、大学で「児童文学」を専攻していたのですが、わかったさんのおうちはクリーニング屋さんで、クリーニングのお届けに出かける途中に、いつのまにかファンタジーの世界に引き込まれてしまい、いつのまにか元の世界に戻ってくるという、ファンタジーの専門用語的には「行きて帰りし物語」。
同じシリーズなのに、ひとたびファンタジーの世界に入ると、どの巻も似通った展開がなくて、話がどこに行きつくのか、読み終わるまでさっぱり先が読めないところが魅力です。その上、物語の中に、ちょちょいとお菓子のレシピまで混ぜ込ませちゃうんだから、本当に天才。

成長して児童文学作家を志す今となっては、寺村先生の頭の中を覗いてみたかったな……ぐらいの衝動に駆られています。

1987年に第1巻が発売され、2017年には30周年を迎えたようです。

それに合わせて、新シリーズが3冊「レシピ絵本」という形で発売され、それに伴って、公式Twitterアカウントも開設されたようで、すかさずフォローしました🐦

永井郁子さんのイラストが、またかわいいんですよね!
アカウントでは、中の人がわかったさんに掲載されているレシピを再現したり、クイズを出したり、昔をなつかしみながら、楽しむことができました!

(※新刊販促のためのアカウント開設だったのか、2019年8月末で一応、定期的な更新は一旦ストップとなっているようですが、現在も細々と更新を続けてくださっています)

今の子どもたちの読む「レシピブック」というとあんびるやすこ先生が代表的ですが、寺村輝夫先生のお話や永井郁子さんのイラストは、30年のときなどまったく感じさせない良さがあるので、自分の子どもにもいつか読んでもらいたいな~と思っています^^(あんびる先生も大好き!)


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