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ストレスは現代病か?


「ストレスにどう対応するか?」と
「人生をどう生きるか?」の問いへの答えは
 同じところに行きつく
 

『ストレス』は、太古の昔から存在します。
 
大きな頭をトップに載せて二足歩行する人類は、捕食獣から逃げ切れるほど速くは走れません。戦うための鋭い牙や爪も無ければ、厳しい寒さから身を守ってくれる毛皮も持たない私たちの祖先は、数百万年前にも日々死に直結するような『ストレス』に晒されていました。
 
現代社会に暮らす私たちが、日常の中でそのような状況を経験することは稀です。有り余るほどの食糧に囲まれ、空調の効いた室内で、衛生的に、安全に暮らすことができます。(世界を見渡せば、今もそうでない地域が多くあるのですが)

 
けれども、こうした新しい生活様式を支えるテクノロジーが、産業革命以降のたった200年程で急速に進歩してきたのに比べ、生物の進化には、何万年~何百万年もの長い時間を要します。
 
それはつまり、私たちの脳や神経システムの働きは、数十万年前とほとんど変わっていないということ。
 
マンモスの群れが自動車の渋滞に、お腹を空かせたサーベルタイガーがパワハラ上司に、ハイエナの群れがいじめ集団に姿を変えても、私たちの脳・神経系は、石器時代の祖先と同じ反応を起こします。
 
交感神経が興奮して、全速力で走って逃げ、猛獣と取っ組み合って戦うための膨大なエネルギーが体内に生み出される― これが、私たちが日々経験している 『ストレス』です。
 
 
自然界で暮らしていた祖先には、飢えや寒さ、獣に襲われるなど、直接死因となり得る厳しい状況が多くあったものの、『ストレス反応』から生み出されるエネルギーをフルに使って、食べ物が得られれば、火を焚いて暖が取れれば、または獣と戦って勝つか、逃げ切って仲間の元へ戻ることができれば、一件落着。
 
『ストレス反応』を完了できました。(そうできなければ、一巻の終わりです)
 
ところが現代社会に生きる私たちは、渋滞やパワハラ上司を相手に、走って逃げたり、棍棒を振り回して戦ったりはしないでしょう。そんなことをしたら「問題行動」と見なされてしまいますから。
 
かくして、出口を失った闘争・逃走のための莫大なエネルギーは体内に留まり、交感神経は興奮したまま、いつまでも『ストレス反応』を完了させることができません。
 
ベッドに入ってもなかなか眠りに着けなかったり、眠ったつもりでも睡眠の質が低下したりして、睡眠不足が常態化すると、疲労困憊した身体、脳・神経系は、治癒・回復に向かうチャンスも無く、次のチャレンジに向かいます。
 
自律神経のバランスが崩れると、排せつリズムも乱れて腸内環境が悪化します。
消化器系の誤作動でニセの食欲が出てきたり、脳疲労によって夜中に甘いものや刺激物が無性に欲しくなったりと、食生活の乱れが血糖値や代謝を乱し、脂質異常を引き起こします。
 
副腎はコルチゾール(ストレスホルモン)を分泌し続けて心拍数・血圧を押し上げ、心臓には大きな負担がかかり、血管はボロボロになっていきます。
 
これこそ「現代病」と言われるストレスの正体。
 

数百万年もの長きにわたって人類が乗り越えて来たストレス。
現代を生きる私たちは、果たして超えて行けるのでしょうか?
 
そのカギは、脳・神経系が出す『安全のキュー(合図)』にあります。
 
『安全のキュー』=「危険は過ぎ去った、もう大丈夫だ。」という情報が、脳と神経系に行きわたれば、自律神経は自ずとバランスを取り戻し、私たちの体が本来持っている『治癒・回復・成長』の力を取り戻せるというのですが…
 

次回は、この『安全のキュー』を得る方法について、ポリヴェーガル理論の観点から探ってみようと思います。

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