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一人飲みで生きていく(読書感想文)

 再び 稲垣えみ子 さん。というのも、図書館にある彼女の本をほとんど予約して待っている状態なので、返却されたものから声がかかってポロポロと私の順番になるから。

 さて、今回届いたのは「一人飲み」のお話。前回のピアノから2冊目。薄々気付いていたことを確信した。稲垣さんは語り口調は軽快で楽しくて、目の前でおしゃべりしてくれてるみたいにスルスル入って来るのだけれど、そこにちょいちょい深〜い真理が混じる。最初気づかず笑いながら聴いているのだけれど、家に帰って話したことを思い出してみたら、いやすごく深い話をしていたぞ、みたいなそんな感じ。

 タイトルも「老後とピアノ」だったり「一人飲みで生きていく」だったり、とわかりやすいものだけど、行き着くところは稲垣さんがいろいろなことをしながら発見、確認していく真理。実にお見事。

 私は会社勤めをして街に一人で暮らしていた時、晩御飯は屋台、ということが度々あった。一人屋台。嫌いじゃなかった。というか一人行動は大好き。一人旅大好き。
自分がなぜ一人旅が好きなのかを再確認することも出来た。誰かと一緒じゃサードプレイスって成立しない気がするな。私の場合。でも一人が好きだからといって、人が嫌いな訳じゃない。「人を恐れつつも人を求めるもの」っていう本の中の言葉は本当によく言い表していると思った。

 最近は娘と出かける機会が多く、本を読みながら時々娘に本の内容や感じたことを話していたから、人に話すことでググッと自分の中の理解も進んだ感じ。娘とはよくこの「本の内容語り」をし合うのだけど、聴くのも語るのも楽しい。これも読書の楽しみの一つやね。
 稲垣さんの様に、決して押し付けることなく、ただ自分が感じたことを口にする時間。なんとも贅沢。

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<心に残ったフレーズ・言葉>(順不動)

●それがわかれば、幸せはお金で買わなくても自分の力で作り出すことができる。

●何しろ人は居場所さえあればなんとか生きていけるのだ。

●我々は常に張り合ってこの競争社会を生き抜こうとしているのだ。人より上に立つことで初めて周囲に尊重され、ひいては幸せを手に入れることができると心の底から思い込んでいるのである。

●世の中には「競争していない社会」ってものが存在してるって話。

●日々当たり前にやっていることのようでいて、いざ「やるぞ」と意気込んでみれば実に奥深く、正解がないのが会話である。

●ここで肝心なことは一つだけ。批判がましい気持ちを持たぬことだ。

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