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可愛い世の中(読書感想文)

 のっけからググッと引き込まれる内容だった。自分の興味に合致したからかもしれないけれど、4姉妹それぞれの生き方とそれぞれの視点からの考え方。どれが正しくてどれが間違っているということではなく、どれも人生。

 自分は価値感が新しい方だ、とか多様性に順応している方だと思っていたけれど、それを更に「じゃ、これはどう?これは?」と迫ってくる感じがナオコーラさんのエッセイの面白いところだった。そのエッセンスが詩的な表現がサラッと入ってくる小説に混ざり合って好きだった。

 サラッとした終わり方だったけれど、逆に読後の心の中には未だにいろいろな価値感が渦巻いている。自分はどんな風に物事を捉えているんだろう、と改めて自分自身に問いたくなった。

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<心に残った言葉(順不同)>

●大体、「できないことが多い」というのは、欠点なのだろうか。

●こちらの考える「社会という枠」をあてはめるから、「できないんだな」と思ってしまうだけのことだ。

●大学に行かなくても、頭の良い人がいっぱいいるし、話をしていて大卒と違うと感じたことはない。

●知らない母親は儲けるためでなく、学校のバザーへ提出するために、ちくちく縫った。その不思議な仕事を、今も草子は味わっている。

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