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そして生活はつづく (読書感想文)

 みんながわいわい言ってる時には、気になってても一呼吸置く天邪鬼な私。しばらくすれ違い続けていたこの方の本と出会ったのは先日。図書館でのこと。まだちゃんと然るべき場所に戻っていない本がごっちゃになって置いてある返却ホヤホヤコーナー(これが結構好き)にいたこの本と偶然目が合って、やっと手に取った。
 きっと私とこの本が出会うべきタイミングは、今だったんだと思う。

 星野源さんは掴み所のない天才、というイメージだったけど先日観たNetflixの企画番組「ライトハウス」で内面に触れて親しみが湧いた。そしてその方が書く「誰にでもある生活」の話は更に親しみばかり。「ダメな自分」「続く生活」そして心に残った言葉は「自分なくし」。

 私は自分自身と仲が良いと思っている。星野さんも同じで、一人遊びが好きというのがまた共感しかなかったけれど。でも更にあるある!と思わず顔がにやけた言葉が、これ。
 ここで語られている「自分なくし」はそれこそ繊細ゆえにあらゆることが気になって仕方がない、常に365日24時間頭が変にフル回転している自分自身がフッと自由になる瞬間のこと。

 星野さんのコンサートや演劇とは規模が違えど、私も授業やいわゆる問題児と呼ばれる子と向き合う中で、フッと体が自然に動いてその場とのハーモニーを思いっきり楽しんでいる自分がいる。私はそれが起こる度に「マトリックスの最後のネオみたいやな」と思う。バンバン飛んでくる弾丸を笑顔で掴める、そんな感じ。
なんて言うんだろう。あんな感じ。

 もちろん凹むことばかりだし、あーあって思うことも多々ある。全部辞めちゃおう〜って思うことも度々あるけど。あの自分がなくなる瞬間の快感があるから、辞められないんだよな...と、ふと思い出した。

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