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「空気」を読んでも従わない(読書感想文)

 twitterで人の投稿を見てポチった本。鴻上さんは、AERA dot.の「鴻上尚史のほがらか人生相談」や、私の尊敬する教育者の工藤勇一さんとの共著『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』もとても興味深くて好きだったので、きっと私が伝えたいことがあるのだろう、と期待して手に取った。

 タイトル"「空気」を読んでも従わない"、さすがの言葉。「空気を読まない」とは違う。どうしてもここにいる限り空気を読むことは避けられないし、生きる術として空気を利用することだって出来る。だからこそ、自分軸で自分の意志にフォーカスして「従わない」という選択肢もあるよ、ってこと。

 これは、今では私が英語講師をしている理由の一つ。最初英語教育に関わり始めた時は、確かに「英語がわかったら楽しさや広がりが違うから、我が子にも是非標準装備したい!」ってのがテーマだったけど。20年関わってきて思うのは、「英語だけでなく英語を話すマインド、バックグラウンドを理解することで視界が開ける」これがもっと大切だと思う。
 例えば子どもたちの世界は狭い。学校と家の行き来で終わる世界。そこで絶望することも多々あるけど、実際はそんなに小さな世界は広い世界のほんの爪の先のゴミ程もない。でもその世界しか知らなければ、苦しみは増す。理不尽に絶望すら覚える。

 私がニュージーランドに行った時、街角で人間ウォッチングをしていたらいかに人が自由に自分のしたいことに忠実に生きているかがわかった。今日は靴は履きたくないと思ったら裸足で過ごしても良いのに、私たちはなぜ無条件で靴を履いているんだろう。そんなことをじっくり考えた海外生活。今まで「当たり前なんだから仕方ない」って考えもせずに従ってきたことに真っ向から向き合ってみたら、その無意味さや利用価値もわかる。生きるのが楽になる。それを英語を通して伝えたい。

 いろいろなものを削ぎ落としながら最低限のルールを利用しつつ、この便利な国で生きる私は、今とても心が楽だ。俯瞰することは大切なこと。そのために語学を始めるのもとっても楽しい。

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