自分と向き合うために
言葉の先生をしている。オフィシャルには「英語の先生」という肩書きだが、私はその言葉の背景を探りながら「心に届く言葉」を教えている。
先日ネット上で出会った言葉に影響されて、セミナーを開いた。かなりの飛躍。でもその言葉たちを伝えたい、伝えなくちゃ、そう衝動的に思ったから、私の小さな英語教室の生徒のおうちの方々に向けて「自分らしい子育て」に関するオンラインセミナーを開いた。
私はそれに「自分らしい子育てのための3つのキーワード」と、子どもを中心に据えず敢えておうちの方々目線で話をした。自分のことをどう見ているか、自分は自分にどう生きて欲しいと思っているのか、そして自分を取り巻く人たちとの関係について。文字にすると堅苦しいが、これを私の場合の例を交えたりしながら話した。いただいた感想の中に早速いろいろな気付き。
「今までどんな親になりたいか、ということばかり考えていてどんな自分でいたいか、に目が向いてなかった」
「自分の声をもっと聞いてみたい」
「立ち止まって考えてみたら、自分は周りの人に助けてもらっていることが多いと感謝した」
タイトルの「自分らしい」は今ドラマや本、雑誌の特集でも目にする言葉。それだけ今この国には「自分らしさ」を求めている人が多いのだと思う。
今回は、自分と向き合うことを阻むものを排除するために、自分の中にある気質についてお話をした。気質とは持って生まれたもの。ネガティブ、ポジティブ、敏感、育てにくい...それを病気の様に「治す」または根性論で「鍛え直す」としたところで、これは変えることができないものであることを伝えた。そう思うだけで、どれだけ心が軽くなるだろうか。結局自分の許せない部分や弱点と向き合うのは、それを改善出来ない自分の弱い部分を見たくないから。でも、それは「改善」する必要がないのだと知るとかなり楽になる。子どももそう。何度言っても変わらないことを追求するより、それは変えられないことなのだと受け止めることが最初の一歩。
受け止めたところで、その気質を抱えて生きるのは親でもなく先生でもなくあなた自身。あなたがそれを抱えてどうやって生きていくかを一緒に考えましょう、というのが自分と向き合うこと。
決して自分を責めることや治すことではなく、まずは受け入れていたわること。そんな弱みを抱えながらよく頑張って生きてきたよね、と自分をよしよししてから、策を練る。一人で大変だったら、誰かと一緒に。それはパートナーかも知れないし、親、先生、友人、メンタルコーチかも知れない。
自分が安心出来る人に伴走してもらうことは一つの方法。
一人で抱えるのではなく、まずは誰かと一緒に。残りの人生自分と向き合いいたわりながら生きていく方法を見つけていく。
それはそのまま子育てにも繋がる。子どもの弱い部分を突いて責めるだけでは、子ども自身が自分を否定し始める。一緒に受け止め、寄り添い一緒に方法を探すことで安心感が生まれる。
教育者として私が大切にしている言葉は「安心感こそが学びのベース」。学びの場を作るのであれば、そこは安心感がなければ成り立たない。人はいくつになっても成長出来るし、学ぶことも出来る。
もう一つの私たちが向き合うべきものは、思い込み。
「こうあるべき」のほとんどは私たちが育つ過程で浴びてきた言葉や態度。誰かの価値観に自分を当てはめていかざるを得ない毎日の中で、いつのまにか置き去りにした自分の声。
立ち止まって敢えてそれが本当に自分がしたいことなのか、自分がなりたい像なのかを考える必要がある、という話をした。女性らしさ、大人らしさ、自分らしさ...その「らしさ」は誰かの思う「らしさ」ではないか。
一つ一つ、自分が信じてきたものや自分が支えにしてきた価値観を疑ってかかるというのはかなりしんどい作業ではあるが、それが意外と自分を苦しめていた「あるべき」思想なのだと気付かされる。
最後に紹介したのは、こんな言葉だった。
Love yourself first, because that who you'll be spending the rest of your life with.
あなたが残りの人生を共に生きていくのはあなた自身。
だから、まずは自分を大切にして。
誰かのせいにしてもそれは一瞬楽になった気がするだけ。
自分と向き合うのはとてもしんどくて大仕事だけど、一緒にどうですか。
自分を味方につけて、安心出来る人生を手に入れよう。
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