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『古今著聞集』刑部卿敦兼と北の方01(ウソ後編)

(昨日 ↓ からウソの続き)

 つまりは以上のことから、昨今の新型流行り病は、家庭とか家族という単位の本質をも変えてしまったということだ。
 これが、さきの離婚の話につながっていく。

 もともと昭和、平成と時代が進むにしたがって、社会や地域の家同士では孤立が進み、関わり合いが減っている。とりわけ都会で地域のイベントなんぞはなくなったし、マンションの隣の部屋にはどんな人が住んでいるのかまるで分からないのが当たり前だ。
 そこに来て、この流行り病である。
 各家庭のタコツボ化は加速する一方なのだ。

 そこで法曹界では「家庭内別居」改め『同居内別居』という新語が出現し、その厳密な定義について法律家たちがいま離婚協議に関して懸命な議論を続けている。
 大げさに言えば、人生のうちで屋内が占める割合が増えたいま「離婚を希望した夫婦が同居内で別居している」という新しい家庭環境が生まれたにもかかわらず、そこに法律が追いついていないことを専門家は問題視しているのだ。

 さすれば『同居』と『同居内別居』の違いとは、何なのだろうか?
 旧知の法律家の1人は「それは気持ちの問題ですよ」とサラッと言ってのけていた。

 ――この人とは、もう無理だな。
 そう思った瞬間に生まれ得る離婚の新しい権利は、新型の感染症がもたらしたようだ。


 以上で、本ページのウソを終える。
 なにはともあれ、本当に、早期の終息を願うのみだ。

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