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子どもたちをつなげたい~緊急事態宣言解除後の学校で気付いたあれこれ~


10月に入り緊急事態宣言が解除されたことで、学校では通常に近い授業や行事が再開しました。

夏休みプラス分散登校など、ゆったりした時間の流れに慣れていた体には、ここ2週間は非常にきつく感じました。

周りの若手の同僚達も、しきりに疲れたと言っていたので私の歳のせいだけではなさそうです笑

それでも、出張はほぼオンラインになっているし、夏休みのプール指導や宿泊行事もなくなったり、運動会は短縮されたりと、通常時に比べたら格段に仕事はスリムになっているはずです。

それでもこの疲労感😣

そう考えると、いつかコロナを気にしなくてよくなるのは嬉しいけれど、またあの目まぐるしい日々が戻ってくるかと思うと、少し複雑です。

なんだか泣けてくる(T_T)

ここ数週間、正直、訳もわからず泣けてくる日がありました。

同世代の男性の同僚に、疲れやすくて気力が出ない、更年期かなーなんて軽く打ち明けたら、うちの奥さんもそんなこと言ってるよ、と親身になって下さり、ほろっと来てしまいました。

本当に更年期のせいなのかな?

体調的には疲労感以外にこれという変化はないのですが、どうなんでしょう。自分でもよく分かりません。

教員がこんなことを思いながら子どもと接しているのか、と思われてしまうと本当に申し訳ないのですが・・・

でも言い訳をすれば、教室に上がり、子どもたちに、朝、会った途端に、嘘のようにスイッチが入るのも事実です。

おはようございます!という元気な声で、本当に自分も元気になれるのだから、これも職業病でしょうか。

泣きたくなる自分から一気に笑顔の私へ。

とにかく、今日も笑顔で子どもたちにいっぱい話しかけよう、そう思って始まり、1日目まぐるしく動いているうちに終わっていきます。

そんな風に過ごしてきたここ数週間。

少し元気になってきた今、その私の心の不調と、緊急事態宣言と共に変化した学校のあり方などを俯瞰して考えてみたいと思います。


ああ素晴らしきかな少人数学級

私の勤務する小学校では、夏休み明けの9月中は、1日おきに半分ずつの子どもが登校してくる分散登校でした。

出席番号で機械的に分けられた半分のチームでしたが、大人しめで真面目なチーム、賑やかでやんちゃなクラスとそれぞれカラーが出るから面白い。

子どもたちはずっと半分の子には会えないので、毎日、相手チームを笑わせるようなビデオレターを送りあったり、授業の様子の録画を観あったりして楽しく交流を続けていました。

♪♪会えない時間が愛深めるのさ♬︎♡
とは恋人同士を歌ったものですが、子どもたちも、早くみんなに会いたい😍と、絆を深めているように感じました。

そして、この分散登校で何よりも素晴らしいと思ったのが、やはり人数が少ないこと。

私のクラスは38人なので、半分で19人ずつです。

もうこれは、まず、圧倒的に物理的にストレスが減ります。

1つおきに席に座るので、子どもたちは隣を気にせず集中して学習できます。

学び合いたい時に動けばいいのです。

また、毎日38人分の給食を給食室から4階の教室まで運びますが、半分だと食缶も軽い!結構これが重労働なんですよね。

そして、私は毎日全員の宿題を、朝の会が始まる前に本人と一緒に確認し、「丁寧に書いているね」「よくがんばったね」などと声をかけたり、また漢字の間違いを一緒に確認したりしながら返すという、贅沢な時間も取ることができました。

朝だけで、毎日全員と話すことができる!そうしてスタートできるのですから、子どもたちの安心感も違ったと思います。

また、何をするにも時間が半分で済むので、毎日の過ごす時間にも余裕が出ます。

例えばプリント1枚配布する、回収するという作業をとっても半分だとあっという間です。

テストの丸つけもノートチェックもその場で終わります!嘘みたい!

そうすると、溜まった仕事を気にせず、休み時間は子どもたちと思い切り遊べます。

学級を少人数にするだけで、私が感じるストレスの大部分の「子どもとじっくり関わる時間がない」や、トイレに行く時間もなく、給食も飲み込むようにかき込むというせわしなさが、かなり改善されました。

分散登校がずっと続けばいいのに…

大きな声では言えませんが、周りの職員、みんな同意見でした。

働き方改革と声高に言われますが、20人学級、せめて30人学級を実現すれば、かなり改革できるはずです。

教師の多忙が軽減されれば、教育が抱える様々な課題、いじめの見落としや適切な対応、家庭のフォロー、個に応じた学習支援など、かなり改善されるのではないでしょうか。

そもそも、歩くスペースもない程の教室に、40人近くの子どもたちが6時間過ごすって、やっぱりもう、古くないですか?

海外の教室の写真などを見ると、持ち運びも軽そうな机と椅子が自由に配置できるようになっていたり、好きな場所で好きな椅子を選んで学習できたり。

そこまでとは言わなくても、もう少しスペース的にも余裕があり、温かみのある人間らしい環境で学習したいものです。

私が不調を感じたことの一因には、再び通常に近い学校生活がスタートし、余裕のある生活から、一気にまた余裕のない毎日に引き戻されたことへのストレスもあったのではないかと思います。

やっぱり全員がいて私たちのクラス

とはいえ、やはり38人でスタートしたのですから、全員揃ってきちんと再スタートしたいという気持ちもありました。

そして2ヶ月半ぶりに全員が集まった日。

少し不安もありながら始まった1日でしたが、子どもたちは、それはもうお祭り騒ぎのように、嬉しそうでした。

そんな子どもたちの様子を見て、こちらもあっという間にパワーを引き出されました。

その日の振り返りノートには、みんながみんな、全員集まって嬉しい!と書いていました。

少しうるさくなったけど、でも賑やかで楽しいのが私たちのクラスだし、やっぱりいいなって思った

子どもたちのこの声は、やっぱり私も嬉しかったです。

つながる、つなげる

そして、いろいろな制限が解除され、自由に学習もできるようになってきました。

グループ学習はもとより、自由に友達に聞いたり説明し合ったりする学び合いの授業もどんどん行っています。

そこで感じたことは、子どもたちが一層、つながってきたなということ。

分からないことを、誰か教えて、と言える関係、様々な意見や考えをどんどん交流できる関係。

教師の仕事の半分以上は、子どもたちどうしをつなげて、安心して学び合う関係を作ることだと思っています。

全員仲良くしようなんてナンセンスということも言われますが、お互いに気持ちよく過ごせるようにすることは大切ですし、いい関係は作れるはずです。

そうした関係のうえでこそ、自分を自分らしく表現できるし、学ぶ楽しさも感じられると思うからです。

もう、なんの違和感もためらいもなく、自由に意見を交換し、アドバイスしあう子どもたち。

ああ、この子達は、自分たちで安心できる居場所を作り始めている、作ることが出来るんだな。

私が少人数授業で感じた、先生と子どもたちとのキメの細かい関わりはできないけれども、それを子どもたちどうしでできれば、その方がずっといいはずです。

究極的には、先生がいなくても、安心して落ち着いて過ごせてしまうクラスが理想です。

授業さえ、自分たちで学び合ってできてしまう!

トラブルがあっても、誰かが一緒に解決してくれる。

いろんな子がいることも受け入れて、ずっと本ばかり読んでいる子も、どうしても音を出して騒がしくしてしまう子も、責めずに、そっと声をかけたり、うまく活動に巻き込んだり。

担任が頑張って引っ張っていく段階から、子どもたちどうしでつながりあって、緩く、でもしっかりとつながっている段階へ。

分散登校があったからこそ、より子どもたちの成長を感じることができたプラスの側面です。

でも、やっぱり、いろいろ

いつもなら、ここできれいにまとまって終わるところですが、でも、やっぱり、心はすっきり晴れません。

来年度の人事の意向調査もあり、退職を考えている人はいついつまでに申し出るようにと言われています。

思わず迷いました。

子どもたちからたくさん幸せももらっていますが、それで全てよしとなるような気力が、正直出ないのも本音です。

ある方のnoteに、仕事を辞めて充電期間を取ったという言葉があり、ああ、まさに私が求めているのはこれかもしれない、とぴったりときました。

子どもたち3人育てながらの教員生活は、もう、常に毎日がいっぱいいっぱいでした。

バックパッカーで、行き当たりばったりの旅が大好きで、自由をこよなく愛していた私には、こんな風に全力疾走でストレスと闘いながら駆け抜ける生活は、やはりキャパオーバーだったのかもしれません。

最後に弱気発言で締めくくるnoteなんて誰が読むのか?申し訳ないです。。。

でも、正直な、今の気持ちです。

でも、でも、やっぱり、子どもってすごい

今日は久しぶりの出張だったのですが、教室を出る前にある子に言われました。

「先生、今日、元気ないでしょ。」

ぎくっ!

顔に出しているつもりはなかったのですが、実は昨日、子どものトラブルで、保護者同士がわだかまりが残ったままになってしまっていました。

結果的にはなんとか収まったのですが、私の伝え方も悪かったかも、私もまだまだだな、と自己嫌悪になっていたのも事実です。

それだけが原因ではないと思いますが、子どもにそう思わせてしまうなんて、情けない。

「ええ、そう?そんなことないよ、元気だよ!」と笑顔で言う私。

すると、子どもが
「私には、分かっちゃうんだ。」
まじかー、とちょっと焦る私。

「 ねえ、先生、誕生日いつ?プレゼント作ってあげるね!」

ですって。
元気のない私に気を遣ってくれてるのでしょうか。

出張前に、ほんのり温かい気持ちになりました。本当に子どもって、すごいですね、素敵ですよね。ありがとう。

でも、子どもに気を遣わせるようじゃ、私もまだまだです。

教師修行は続きます。

正直、迷いはあるけれども、少なくとも、目の前の子どもたちには誠心誠意、幸せを返したい。

久しぶりの記事で長くなってしまいました。

結論もなく、ちょっとうじうじした私。でも、マイナスから生まれることもあるし!

ということで、今日はこの辺で。

お読みいただきありがとうございますありがとうございます‪⸜(*ˊᵕˋ*)⸝‬

















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