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#1 不登校は突然始まった

もうすぐ学校が始まります。
5年前の今頃、中1だった息子が突然学校へ行かなくなりました。
紆余曲折を経て、今、高校3年生となり、志望校へ向けて猛勉強中です。あんなに勉強が大嫌いだった息子が、どうやって今に至ったか。

今、お子さんが不登校で悩んでいる方や、自分自身がどうしていいか分からない子どもたちに、少しでも、何かの参考になればと思って、書いてみたいと思います。

それは突然始まった

息子は小学生時代は、トラブルというトラブルを起こしたことのない、穏やかなタイプの子どもでした。

目立つわけでもないけれど、どちらかと言うと、喧嘩を仲裁したりいさかいが起こらないようにグループをまとめたりするタイプで、学校の面談でも、何か注意されるようなことはほとんどなかったと思います。

とはいえ、赤ちゃんから保育園時代の年長までは、かなりのやんちゃ坊主でしたから、全て出し切って小学校に上がれたのかなという感じです。

学力的には中の上くらいで、特にできないわけでもなかったですが、勉強が好きというタイプでもありませんでした。でも、本は読むほうだったなと思います。

そんなのんびりとした小学校時代を卒業し、中学生になると、今まで経験のなかったバスケットボール部に入りました。

割と強豪校で厳しい練習でしたが、1日も休まずに真面目に取り組んでいる様子をみて、成長を感じ、親としては嬉しく思っていました。

それが、突然、夏休み明け、バスケ部を辞めたい、学校にも行きたくないと言い出しました。

後悔してもしきれないけど

今思えば、それまであんなに真面目にやってきたのに辞めたいと思っていたとは、ものすごく悩んで頑張っていたんだと思うし、私に切り出すのも、ものすごく勇気を出したんだなと思います。

でも、その時の私は、最初こそ、理由を聞いたり、その対処法を一緒に考えたりして冷静に話をしていたのですが、どうしても辞めると言い張る息子に対して、最後は啖呵を切るように、本当に残念だ、何事も中途半端で辞めるようじゃ、ずっと逃げる人生になる、みたいな、本当に酷いことを言い放ってしまったのです。

今考えても、あの時だけは、後悔しても仕切れません。
でも、その時は、子どものことを思ってそうしてしまったのであって、自分を責めても仕方ないとも思います。

今まで習い事なども、中途半端で辞めてしまっていたし、また逃げ出すのか、という思いがあったこと。
部活を一生懸命やっていて、成長を感じていただけに、悔しい思いがあったこと。どれも親のエゴでしかないと今は思いますが、その時は、簡単に逃げ出す人になって欲しくなかったのですね。

部活を辞めたいわけ

なぜ彼が部活を辞めたくなったかと言うと、1つは、チームメイトの心無い言葉。未経験で入った彼に対し、経験者の子が色々と傷つく言葉を言っていたようです。
部活にも仲の良い子もいましたが、少数派で、肩身も狭い思いもしていたのでしょう。
もう1つは、チームメイトの悪さを連帯責任で罰を負わされたことのようです。誰かが試合の後に買い食いをしていたせいで、しばらく練習させてもらえず、立って見学するだけというような日が続いたり。

まあ、それまで本当に穏やかに小学校生活を送っていた彼にしてみたら、ものすごくショックだったと思います。
そして、今考えてみれば、逃げと言うよりは、彼の正義感の強さだったのかなとも思います。

真面目にやっている人達まで不当な扱いを受けることへの理不尽さ。それに耐えられなかったのでしょう。

それについては、早速学校に話をし、顧問の先生とも話し合い、一応、チームメイトとも和解することはできました。

私も少し冷静になり、部活は辞めても全然構わない、この件がスッキリすれば、また学校に行けるだろうと思っていました。

学校へ行かない本当の理由

さて、部活は辞めてスッキリしたのですが、やっぱり、彼は学校へ行けませんでした。

私も仕事で先に家を出てしまいますが、今日も行けなかった、明日は行けるかもしれない、というような日々が続きました。

私もどうして行けなくなったのか、彼とも話をしましたし、色々な本を読んで、自分の育て方が悪かったのかと悩んだりするようになりました。

しかし、話をしても、自分でもはっきりと分からないと言います。
中学校の教室の雰囲気に馴染めなかったのも1つにはあるようでした。

小学生時代から仲のよい友達もクラスにいましたが、それでも、どこか違和感はあったようです。
でも、その違和感が何なのか、解消できるものなのか、それは、もう、よく分からない、ということでした。

本を読んでいると、親の育てかたについても色々と載っていました。
愛情不足かと言うと、自分では分かりませんが、息子とは話をする方ですし、仲が良い方ではあると思います。

フルタイムで働いているので、どうしても接する時間は短かったですが、中学生までは3人の子どもたちと川の字で寝て、色々とおしゃべりしながら眠っていました。

教員という仕事柄、不登校の子どもにもたくさん接してきましたが、そのどのタイプにも当てはまらない感じで、どうして学校へ行けないのか、はっきりとした理由は、今となっても、実はよく分からないというのが、正直なところです。

学校は行かなくていい

教師である私が、本当にこう言えるようになるまでには、やはり時間がかかりました。

しばらくは、学校に行こうというのを辞めようと心に決めました。
理由はともかく、1番辛いのは彼なのだから、親だけでも認めてあげなければと思いました。

でも、心のどこかで、そのうち行きたくなる、行けるようになって欲しいと、やはり思っている自分がいました。

そんな日々が半年くらいは続きました。カウンセラーの先生が1週間に1度訪問してくれましたが、それ以外は、ずっと家で過ごす日々でした。

休日には買い物などに出かけたり、旅行に行ったりはできていたので、やはり学校にだけ行けなかったのです。
そして、勉強も全くと言っていいほど向かえませんでした。

それでも、とにかく学校へ行くように促すことはやめて、見守るようにしました。

そして、中2の秋頃から少しずつ動き始めることになります。

ー続くー

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