【手品師10人に取材してみた!第2弾!No.12ノワールさん】


これは、いま気になっている手品師さん10人に、好きなモノや知りたいコトなどをLINEのチャットで40分間取材する企画です!

今回は、パフォーマンスやものづくりで独自の世界観を披露するノワールさんを取材しました!

【ノワールさんプロフィール】

1981年生まれ。福岡県出身。幼少からマジックを始め、22歳でマジックショップのディーラーを経験した後、本格的にマジシャンとして活動を開始。元々、九州を拠点に活動をしていたが、2017年から大阪に拠点を移し、現在はマジックバーフレンチドロップに出演。また、パフォーマーとして活躍する傍ら、全国のマジシャンからオーダーメイドで道具製作も請け負っている道具作りのプロである。

手品をはじめたきっかけってなんですか? 
8歳のときに親戚のおじさんにダイナミックコインをプレゼントされたのがきっかけです。たまたまデパートで売ってたのを僕にくれたんです。たくさんあるおもちゃの一つとしてプレゼントしてくれました。

8歳のころから手品を続けられるモチベーションみたいなものはなんですか?
なんだろう……。そのおじさんからもらったダイナミックコインを学校で披露したら注目されて、それが嬉しかったのを覚えています。仕掛けの面白さと、それを演じてる間だけは自分がヒーローになれる感覚が嬉しかったのがモチベーションになってると思います。

手品を始めた後と前とで、手品の印象って何か変わりましたか?
8歳なので、元々手品に対する印象は特になかったと思います。

手品を続けていくうちに、手品に対して何か気づきはありましたか? 
演じ方一つで、面白くもつまらなくもなるなっていう気づきは早い段階でありましたね。自分の中では面白いと思わなかった手品を、忘れたころに別の人がやっているのを見て「面白い!」ってなったのを覚えてます。それが何の手品だったかは覚えてはいませんが。

「手品(道具)のお医者さん」になったのはいつ頃からでしたか?
その「手品のお医者さん」って言い方真衣ちゃんだけやな(笑)道具作りを始めたのはここ最近だと思います。意識せずに似たようなことをやってたかもしれませんが、意識してなかったので覚えません(笑)

道具作りで気をつけていることはありますか?
作るときは、耐久性と自分がやるとしても使いやすいかどうかは気をつけてますね。

作るときに難しいなと思うところはどこですか?
依頼者がどう作って欲しいかを熟知しないといけないところは難しいですね。どういう演出で使うのか、理想のハンドリングはどうなのか、演技の流れなどを知ってないとだめですね。「これを作ってください!」という情報しかないと、依頼者の欲しい商品にならないことは多いです。なのでそのために、できる限りヒアリングをするようにしています。
例えば、マジシャンなら誰でも知っているレベルのギミックのものだとして、それをどういうシチュエーションで使うことを想定しているかを聞いたり、その人が右利きなのか左利きなのか聞いておけば、ものによってはギミックの場所もちょうどいい場所に設定できるんです。これを聞かずに適当なところに設定すると、本人にはちょうど良くないギミックが出来上がるんです。使えることは使えるけど、最適な商品ではないっていうのは僕にとっても依頼者にとっても完璧な商品じゃないんですよね。買ってそのまま使える道具で満足している人は、きっと僕には依頼してこないはずなんです。
僕に頼むということは、今までの道具では物足りない何かがあるからなので、そこをしっかり解消してあげたい気持ちがありますからね。せっかく作るなら満足してもらいたいのです。

自分の知らない道具の依頼がきたときはどうするんですか?
素直に聞きます。その依頼内容が、同じ道具をカスタムしたものが欲しいのか、それとも同じ現象が起こせる全く機構の違うものでもいいのか、なども含めて。

ノアールさん自身がパフォーマーになるときもあると思うのですが、演じるときに気をつけていることはありますか??
お客様とのコミュニケーションですね。

どういうところに気を使っていますか??
僕の場合、僕のショーを見終わったお客様からの感想として、「マジックがすごかった」という印象ではなくて「ノワールさんが面白かった」という風に感じて欲しいのです。なので、不思議度は高くなりすぎないように気をつけています。人を好きになってもらう感じですね。

これからこんな風になっていきたい!みたいなのはありますか??
パフォーマーとしてはあんまり明確な目標はないんですが、現状維持ができれば一番幸せです。際立ったトリックがあるわけでもなく、割と普通のマジックをしているけれど、それでも観に行きたいと思わせられるマジシャンでありたいです。クラフトマンとしては、もっと貪欲に行きたいですね。扱える素材を増やしたいというのが目先の目標ですね。

扱える素材というのはどのようなものですか?
金属ならこの人、木工ならこの人、のようにそれぞれ専門家がいると思うんですが、まだ手垢のついてないジャンルを加工制作できるようになったら強いかなぁと考えています。金属加工は個人レベルでやるには少しハードルが高いですし、レザークラフトはすでに沢山の方が始められているので今更参入しても頭打ちだと思っています。例えばガラス素材だったり、プラスチック(樹脂)素材だったり、やってみたい素材はたくさんあります。
おそらく布素材の仕事は僕が割と受けている方だと思います。ミシンが扱えて、編み物が出来るのは強いですね。

これからこんな手品界になっていってほしいなというのはありますか?ノワールさんの描いている手品の世界があれば教えてください!
難しい質問ですね。マジックをやる人間が増えるのは喜ばしいと思います。IT化の進む世間において、手品は究極のアナログだと思っています。その魅力に気づいてハマっていく人が増えたらなぁと。また、その中からより自分に最適化したマジックを個人個人が選んでいける状態になればいいですね。マジック道具は個人用にカスタムしづらいものなので、色やサイズやテクスチャなどが選択できれば自分に合った演出方法などで演じられる自由を手に入れることができます。今よりもっと自由度の高い世界になればいいと思いますし、その自由の幅を広げる手伝いができたらいいなと思っています。結構抽象的な回答でごめんなさい。


ノワールさんを取材してみて
ノワールさんの取材は本来5月27日の22時からの予定でした。しかし、私用により23時スタートに予定を変更していただきました。が、変更していただいたにもかかわらず、なんと私が寝過ごしてしまい、28日の0時33分に目が覚め、絶望的起床の中、急いでノワールさんに連絡しました。ノワールさんは「おはよー!ペナルティ1ポイント!」と言いながら、優しくその時間から取材をお引き受けくださいました。取材後には「今日の寝坊の罰です。」と言って私の大好きな肉のスタンプをプレゼントしていただきました。ノワールさんの懐の広さに救われた取材でした。もしまた取材可能であれば「マジック×美術」のお話をお聞かせください。ノワールさん、本当にありがとうございました。そして本当にごめんなさい。一生頭あがりません!!!大阪に足向けて寝れない!!!でもぜひまたお話聞かせていただきたいです!!!お願いします!!!

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