見出し画像

今日の1枚はこれ! 村下孝蔵 /『初恋〜浅き夢みし〜』(1983)

村下孝蔵は、熊本県出身のシンガーソングライター。もとはベンチャーズに憧れを持ち、エレキギターやバンドサウンドがやりたかった人だったらしい。青春時代を広島で過ごし、その頃の広島の音楽シーンがフォークソング全盛だったため、アコースティックギターで歌うようになった。しかし皮肉にもデビューを迎える1980年にはシティポップが流行しており、フォーク路線の村下孝蔵は、デビュー自体かなり危ぶまれたという話がある。デビュー後しばらくヒットに恵まれなかったが、1983年、30歳にして発表した5枚目のシングル「初恋」が大ヒットする。しかし間もなく体調を崩し、以後4年間くらいは闘病のためテレビ番組などにはほとんど出演できなかった時期があった。1999年、コンサートのリハーサル中に突然体調不良を訴え、脳内出血で死去。46歳だった。歌手19年のキャリア。

アルバム『初恋』は、須藤晃プロデュース。彼は、もともと詩人志望で、代表的なプロデュース作品は尾崎豊「I LOVE YOU」「卒業」「15の夜」、浜田省吾「J-BOY」「悲しみは雪のように」、村下孝蔵「初恋」「踊り子」、玉置浩二「田園」など歌詞にこだわったプロデューススタイルでメッセージ性の強い作品を生み出している人。このアルバムのプロデュースをされているのも納得です。

須藤晃は、僕の敬愛する佐野元春とも接点があります。須藤晃が仕事でニューヨークへ行った時、アルバム『VISITORS』を制作している佐野元春のアパートに遊びに行ったそうだ。その時「須藤さん、村下孝蔵さんの『ゆうこ』っていいね」と言ったとのこと。またヒットのきっかけを聞かれ、「有線で」と答えたら、ある意味では地味な曲がヒットチャートを駆け上がっていったことに安心したとも佐野元春が語ったらしい。須藤晃は、その言葉がとっても嬉しかったそうだ。

さてこのアルバムに収められている村下最大のヒット曲『初恋』は、最初全く違う歌詞でバラードだったとのこと。その後、歌詞は当時の三田寛子をイメージして、何度も歌いながら書き換えられたそうです。
“五月雨は緑色 悲しくさせたよ一人の午後は” “ふりこ細工の心”…美しい歌詞ですね。そこからの “放課後の校庭を走る君がいた 遠くで僕はいつでも君を探してた” ですから、否が応でもノスタルジックになります。登場人物像がはっきりと描かれていないことが、かえって聞き手の思い出を曲に投影しやすく、みんなの共通した思い出として心に響くのでしょうね。

アルバムは、どの曲もフォークというよりは、いい意味で歌謡曲。日本語歌詞を物悲しく美しい楽曲に乗せて、丁寧に歌っています。そして村下孝蔵自身が作ったそういう曲の雰囲気と、村下孝蔵の声がとっても合っていると思います。

#nalu  #singersongwriter #弾き語り #音楽好きと繋がりたい  #music #japan #live #guitar  #ま〜いにちぃ〜♪#lyric  #rhythm #melody #poetry #martin  #村下孝蔵 #初恋 #踊り子 #歌謡曲 #浅き夢みし #vinyl #rechords #lp 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?