文字を書く人
「僕は、文字を書く人には成りきれないな」と思った。なんとなく。
頭のなかを整理するのは苦手だし、感情を文字に落とすのには酷く時間がかかる。
憧れはあった。言葉や文章で人の心を魅了する。なんて、素敵な行いだろう。
どこかの誰かが、僕の文章に何かを感じてくれたら、最高じゃん!
どんな言葉を言えば、喜んでもらえるかな? どんな文字を綴れば、心に響くかな?
考えれば考えるほど、何も書けなくなる。
だって、そんな中身のある人間じゃないし。
もし、僕の想いや思考が、的外れで気持ち悪かったとしたら、怖すぎる。
「変な人でもいいのではないか。的外れでも構わないよ」と心の声は、ボソボソと呟いてはいるのだけれど、自分に自信がないようだ。
文字には想いが宿る。人のあたたかさが浮かんでくる。
顔も知らない誰かの言葉に、励まされ、涙して、勇気と元気をもらう。
たまに、「実際は、どんな人なんだろう?」と少し会ってみたいなと想いを巡らせることがあるけれど、会ってしまったら、文字の魔法は解けてしまうのかな?
よく分からない。よく分からないけど、あまり大した問題でもないようにも思う。
「今日は、こんなことあったよ」
「今、こんなこと考えているんだ」
その人その人の言葉や文字に、人間を感じて嬉しくなるし、共感という安心をもらって、異なる思考に触れることは楽しい。
ボタン一つで、出会えた素敵な人たち。
文字を書く人。
いつも、ありがとう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?