見出し画像

木村泰子先生のウェビナーの感想あるいはブルーハーツが響く理由

今日人生で初めてウェビナーで泣いた。心を動かされたとか涙を浮かべるとかのレベルではなく、泣いた。

縁あって最近知り合った方から、未来の先生フォーラムの中で開かれる木村泰子先生のウェビナーを紹介していただいた。
木村泰子先生というと、大阪市立大空小学校初代校長で在任中の取り組みが『みんなの学校』としてドキュメンタリー映画として公開された。『みんなの学校』は大学時代教職の授業でその一部を視聴して、指導をしないという方針やインクルーシブ教育の手法に衝撃を受けたことを覚えている。

そんな木村先生のウェビナーで泣いた。
会の冒頭で先生は、「正解のない問いを問い続けること」の大切さを説いた。そしてそのために排除すべきなのは指導であると続けた。
〇〇をしてはいけない。等の指導することは正解を与えてしまっていて(しかもそれが正解であるかすらも定かではないのにも関わらず)それを続けると子どもたち自身が子どもたち自身の言葉で語ることができなくなってしまう。
そこで大切なのが、指導よりも”空気”を作ることだ。
それも「自分から自分らしく『自分の言葉』で語る」空気を作ることが大切である。
大空小学校では、Birth dayメッセージ集会を毎月開催している。これは、誕生月の子どもが全校生徒の前で自分の言葉で語る会だ。他の生徒は全員それを聴く。生徒だけではなく、サポーター(大空小では保護者のことをサポーターと呼んでいる)や教職員も発表する。もちろん練習もなければ、原稿も作らない。とにかく自分の言葉で自分らしく語る。ウェビナーでは、この集会を中心に子どもたちの成長過程や学校・教職員の変化について実例をもとに説明してくださった。
その時の木村先生の語り口が本当に生徒一人一人を浮かべながら話しているようで、引き込まれ、泣いた。

今、自分は有り難いことに小学生から高校生までの幅広い年齢の子どもたちと関わらせてもらっている。誰一人同じ子どもはいなくて、それぞれが自分の言葉を持っている。しかし自分の指導がその子らしいその子の言葉を消してしまっている瞬間があるのではないか、と深く反省させられた。

話が少し逸れるが、ウェビナーに参加しながら自分がTHE BLUE HEARTSが好きなことを思い出した。
ブルーハーツの歌詞は、ブルハーツ自身からブルーハーツらしくブルーハーツの言葉で語られている。だから響くんだと思った。甲本ヒロトをはじめ、ブルーハーツのメンバー達は学校では声が消されていたかもしれない。でも、ちゃんと自分の言葉を持っていて、それを音楽という形で語ったことが多くの人の心に響いたのだと思う。誰もがブルーハーツのようにはなれないからこそ、教育現場にいる自分は、子供たちの言葉を消さない関わり方をしたいと強く思った。

明日から、小中学生と二泊三日のサマーキャンプに行く。
サマーキャンプでは、子どもたちの声を消さないように、誰もが「自分から自分らしく『自分の言葉』で語る」ことができる空気を作り出していきたい。
そのためにまずは自分から自分らしく自分の言葉で語っていく姿を見せられるように気持ちを新たにしていきたいと思った。

P.S. ウェビナーが終わってブルーハーツを聴きながらnoteを書いていたら、「僕らは泣くために生まれてきたわけじゃないよ」って流れてきてまた泣いた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?