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2019年 31冊目『海賊の日本史』

著者によると、日本の歴史で海賊と書かれているものは4つに分けられるそうです。

1つは、我々が海賊と聞いて想像する略奪者の海賊。

ところがこれ以外にも、同じ海賊という名称がつけられているものがいたのです。

1つは荘園領主や国家権力に歯向かった人たちで、政治的な色合いが強い海賊。

もう1つは、航海の安全を保障する海賊。瀬戸内海では東西に海賊の団体があり、反対側に行く際には元の側の海賊を1名乗せておけば攻められないルールがあったそうです。

そして最後の1つは時の権力と関係を持つ水軍としての海賊。熊野海賊や村上一族など、名前を聞いたことがある人達です。

闘い方も違ったようで、東日本の海賊は、相手を陸地に押しやることで勝ち負けを決めたそうです。

西日本は、火薬で燃やしてしまったり、捕縛することで勝ち負けを決めたそうです。

ただ、これらの海賊も豊臣秀吉が全国統一した際に、賊的行為は禁止され、水軍としてのみ残ったそうです。

秀吉は刀狩りや、この話などで、武器のない日本の礎を作ったのだと、変な所で感心しました。

そして、家康は、水軍として海賊を編入して、自組織をより強くしていったようです。

実を取る家康らしいエピソードだと思いました。

なぜ手に取ったのか覚えていないのですが、面白かったです。

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