2017年 82冊目『男子劣化社会』
日本の草食男子の話も出てきますが、主にはアメリカの話です。
そして、読んで、たくさんの驚きの事実を突きつけられて、どんよりした気分になる本です。
感覚の本ではなく、事実やデータが並んでいて、論理的にまずい状況が理解できてしまいます。
先進国の若い男性が学力的、社会的、性的にも劣化しているのです。
彼らはPCの前から動かず、部屋から出てきません。
ネットに繋がりっぱなしで、リアルの人間関係では繋がれないのです。
問題の中心は若い男性が長時間ゲームをし、ポルノを視聴していることです。
これが全体的な劣化の症状であり同時に原因なのです。
過剰なゲームとポルノは、その人物が社会的、性的、モチベーション上の問題が起きることと相互に因果関係があります。
ゲームとポルノだけでもまずいのですが、両方の組み合わせは致命的なのです。
教育
何の準備もせずに授業に参加する割合:男性3/10人、女性2/10人
ADHDの診断を受ける率は男性は女性の2-3倍
アメリカでは大卒の58%、修士の62%、博士号の54%は女性!
黒人男女では、学士の66%が女性!
カナダ、オーストラリアでは大卒の60%は女性!
特別支援学級の3分の2が男性:しかもIQの問題ではなく、努力していないことに起因している
教育レベル
学校教師の学力は下がり続けている:SAT下位3分の1が大半
教師の影響は大きく、良い先生にあたったと回答した学生は、10代で親になる率が低く、大学進学率は高く、生涯賃金が5万ドル高い
健康
アメリカ成人男性の70%が過体重で、3分の1は肥満。
ポルノ
動画検索の上位がporn
数%の若者だが、週に10時間以上ポルノを見ている
若者の大半が簡単にポルノ動画を見られると回答している
しかし、性教育はほとんどされていない
環境変化
内分泌攪乱物質の影響などで北ヨーロッパの成人男子の5人に1人は精子の数が少ない
テクノロジー
テクノロジーの進化でポルノやゲームに容易にアクセスできるようになった。これらはより強い刺激を求めるようになる。結果、一般的な恋愛ができない状況に陥る。
ポルノは慢性的刺激を与え、結果慢性的不満を引き起こします。
具体的には、勃起が自然に起きず、静止画や過去に見た画像では満足しなくなります。
性交不能、勃起不能、勃起不全治療薬も効かなくなります。
そもそも女性をモノとして見るようになります。
解決法
政府ができること
→小学校にもっと男性教諭を
→学校からジャンクフードを追放
→学生に先々の人生に備えさせる
学校ができること
→生活技能を身に着ける
→双方向性学習のために最新テクノロジーを活用
→成績のインフレを止める
両親にできること
→責任感と回復力は子供の強さの2本柱、この機会を与える
→将来の仕事に向けて準備する
→セックスについて教える
→父親であることを優先する
→時間の管理の習慣をつける
男たちにできること
→ポルノをスイッチオフ
→時間泥棒を見つけて退治する
→もっとスポーツを
→ベッドメイキングを自分で、小さな達成は大きな達成につながる
→女友達をつくる
→女性を「ふしだらな女」と罵らない
→メンターを見つけ、メンターになる
→投票する
女性にできること
→ゲームウィドーとポルノウィドーにならない
→誠実な男性を選ぶ
学びの多い本です。
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