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2019年 65冊目『ふたつの日本』


ちょっと驚きました。
日本は移民を受け入れてないイメージがありました。

しかし、飲食・小売り・サービス業ではたくさんの国の外国人が働いてくれています。
実際は、在留外国人は大幅に増加しているのです。

2018年10月末現在
労働者に限って146万人。

2018年6月末現在
労働者以外の人も含めて264万人、日本の人口の2%に達しています。

1990年には100万人だったので、2.6倍になっていたのです。

ちなみに永住権を持つ人に限っても109万人いるのです。

増えているのは、中国、フィリピン、ブラジル、ベトナムで逆に減っているのが韓国・朝鮮籍の人たちだそうです。

この絶対数は、先進国でもアメリカ、ドイツ、カナダ、イギリス、イタリア、スペイン、フランスに次いで8位になるのです。

ただ、日本は、欧米と比較すると外国人の割合が小さいので少なく感じる部分があるようです。

この統計では日本は1.7%、ドイツ10.1%、イギリス8.6%、アメリカ6.9%なのです。

かなり開きがあります。

ちなみに移民の方々のカウントはいくつかの層に分けられるそうです。

・永住のみ 108.5万人

・永住以外含む 145.0万人

・専門技術と家族滞在含む 195.8万人

・在留外国人全体 263.7万人

・帰化者や日本国籍の国際児含める 少なくとも400万人

・オーバーステイ含め 400万人超

だそうです。

別の分類では

・帰化をした移民は意見の国民 131万人以上

・永住許可を得ている移民含む 240万人以上

・短期滞在許可を得ている移民含む 395万人以上

・非正規移民含む       402万人以上

ただし、これも何となく感じているように彼らの身分は不安定です。

政府は単純労働者を受入れないという建前があります。

ですので2008年のリーマンショックでは
ブラジル人、ペルー人が失業の調整弁になりました。

2007年38万人いたのが、5年間で13万人帰国することになったそうです。

その際に厚労省が打ち出した30万円の帰国費用支給がこれを促進したのです。

外国人にだけ適用される奇妙な失業対策です。

ちょうど家族で南米に戻れるチケット代です。

その中でも技能実習生の状況は厳しいです。

建前は日本から発展途上国への技能移転による国際協力です。

しかし実際は低賃金の出稼ぎ労働者のサイドドアとして機能してきています。

2017年に、6000の職場で7割の労働基準関係法令違反が認められたそうです。

一方で技能実習生から労基署への是正申告は89件に過ぎないのです。

つまり大半の技能実習生は泣き寝入りしているのです。

同じ日本で、このような事が起きているのが驚きです。

7割です!

通常の日本の職場の何十倍です!

間に外国、日本のブローカーが存在し、多額の借金もあります。

労働目的の留学生(週に上限の28時間働かないと暮らせない)も類似の状況のようです。

移民がいるのに移民の権利を認めないのは、さすがに都合が良すぎますね。

友人の何人かが、優秀な外国人労働者をきちんとした給与でマッチングしようとしています。

その背景や動機が少し理解できました。

私が無知だったからですが、考えさせられる本です。

▼前回のブックレビューはこちら


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