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仮説思考なんて尺取虫から学べる

ある日私が山に行った時のお話をします。

尺取虫がいました。

歩いています。

ちょうどサムネ画像のように、前足?を上げ、ちょんちょんと次に着地する地面を探りながら次の一歩を踏み出します。

それを繰り返すだけです。

そしてふと思いました。

”なぜ尺取虫はその方向に進むのか?”


ちょうどその時は、木を伝うのではなく少し坂になったコンクリートの地面を歩いていました。

おそらく遠く(=目指すべき場所)が見えているわけではないはずですが、一歩一歩あゆみを進めています。

多くの人間は、地図を確認したり何か目的があった上で「次は右へ曲がろうか」「このまま真っ直ぐ行けば着くはずだ」と判断します。

じゃあ、彼は何を目指して”その方向”に進んでいるのでしょうか。

ひとつ仮説が浮かびました。

”重力走性があるのでは?”

てんとうむしやミミズは、より飛びやすい場所に行くようにや地面に出られるようにと、重力に逆らって進むと聞いたことがあります。
(違ってたらすみません笑)

もし尺取虫にも重力走性があるというのが正しいとしたら、次はあっちの方向に進むはずだ、と観察を続けました。

・・・

違いました。

予想と違う方向に進みました。

じゃあ、、、

”水がある方向に進もうとしているのでは?”

と、ふたつめの仮説が浮かびました。

生物の根幹である『種の存続』。

いくら尺取虫であろうとも生きていくために水分は必要なはずなので、水分がある場所を目指しているのでは?

そして水分のありかを、川が流れる振動を頼りに進む方向を決めているのでは?という仮説です。

私からは川が近くにあるのが見えていたので、それが正しい場合は次はこっちに進むはずだと観察を続けました。

・・・

真逆に進んでいます。

仮説が外れました。

もうこれ以上は、”じゃあ〇〇では?”のようなことは書きませんし、なんとなくお察しかと思いますが、これに正解はありませんし、そもそも正解なんて求めていません

そして、Googleで検索してもそれらしい記事はありませんでした。

言いたいこと

ここでの言いたいこととしては、尺取虫の生態なんかの話ではなく、仮説思考なんて何からでも学べるということです。

私の経験から、尺取虫を題材にしましたが、これは別にセミでも仕事でも友達でも趣味でもペットでもなんでもいいです。

よく、「仮説思考で仕事をしろ」「仮説思考を鍛えないと」などと聞きますが、仕事の場面だけでそれをしようとしている人が多いような気がします。

そして仮説思考がなぜ重要なのかはいろいろな意見はありますが、

  • 何かの問題に対して、効率よく解決策を見いだせる

  • その結果、仕事のスピードと生産性が上がる

  • また、先のリスクに対する準備ができ対処しやすくなる

など様々なメリットがあると思っています。

そして、上記の尺取虫の観察の時にした思考フレームとしては、

  1. 疑問:なぜその方向に進む?

  2. 情報:ミミズは重力走性が・・・尺取虫も?

  3. 仮説:こっちに進むかも?

  4. 検証:観察(外れる)

  5. 情報:生命としての種の存続・・・水分?

  6. 仮説:じゃあこっちに進む?

  7. 検証:観察(外れる)

というように、何かの疑問に対して、今まで得た情報・知識から仮説を立て検証、外れたら別の仮説を立て検証、そしてそれを繰り返し、”より筋のいい仮説”を作っていく。

ビジネスや人間関係などもそうですが、基本的に正解なんてほぼほぼ存在しないと思っています。

そんな時、道しるべになってくれて、正解ではないにしろより良い結果を生み出すキーとなるのが、この、”より筋のいい仮説”を生み出すための、仮説-検証の繰り返しの作業ではないかなと思っています。

仕事の場面に限らず、日常のふとした疑問に対してこんな感じで思考してみるのも、ひとつ面白いんじゃないでしょうか。


そして彼(尺取虫)は、おそらく気ままに散歩していただけでしょう。

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