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ベーグルと岩絵具

わたしのことを何となく知ってくださっている方は、「中村菜月は絵を描く」だけでなく「最近取り憑かれたかのようにベーグルを焼いている」ことを知ってくださっているのではないでしょうか。
胡粉を練っている人間にとって、小麦粉を練る行為はとても馴染みのある動作で、パン生地をこねるのは初めてなのに、なんだか日常的な動きだなとおもった。ベーグルは発酵時間が短いため、初心者や、面倒なことをやりたくないわたしにも簡単に作れる。4月の中頃に初めて焼き、今日までに10回ほど焼いた。今朝も起きてすぐにパンの生地をこねていた。
きょうは強力粉に少しだけ全粒粉を混ぜて焼いたのだけれど、
焼きあがりの表面をみてピンときたことがあった

「全粒粉が足りていない……」

もともと参考にしていたレシピには、そもそも全粒粉の必要はなかったけど、数種類のレシピを読んでみたうちのひとつに全粒粉とあったので、分量とかの細かいところは読まずに、ためしにいれてみた。焼き上がった表面にずっと違和感があって、強力粉だけじゃだめなんじゃないかと思ったのだ。
それは絵の表面に感じる違和感とおなじで、それはつまり、「粒子が均一すぎて気持ちが悪い」という感覚だった。

なぜ足りていないと思ったのか。これは何となく、岩絵具の粗い粒子と細かい粒子とを混ぜて画面にのせ、粗い粒子が足りなかったときに感じる「バランスの悪さ」とおなじだった。

細かな粒子の中にまだらに、ぼろ、ぼろ、とある粗い粒子の、あの気味悪さ

絵の表面が引っ張られているときの、あのかんじ

ピリ

とヒビが入る、あのかんじ

(たぶん膠いれすぎというのもあるのですが……)

それをベーグルの表面に感じてしまい、どうも気持ちが悪い。
そんなことを思いながらベーグルをむしゃむしゃし、このnoteを書いているのであります。
絵具も食材も、どちらもまだまだまだまだ勉強中です、いつまでもそうしていたい。毎日知っていきたいし、知らなかったと気づいていきたい

そして、めずらしく告知です。
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どうぞよろしくお願いいたします。展示の予定や仕事がまったくなくなってしまった現状、じぶんの動作ひとつひとつが未来に繋がっていることをひしひしと感じる。いまはそういう、種まきの時間だなあとおもう。

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