第97話 ワイフへの手紙
スウィートブライド代表中道諒物語。ウェディングプランナーに憧れ百貨店を退職し起業。でも40歳で全てを失う大きな挫折。そこから懸命に這い上がりブライダルプロデュースの理想にたどり着くまでの成長ストーリー。※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
2012年7月4日。
5年前、
スウィートブライドを立ち上げた日。
僕はワイフに手紙を送った。
『 鈴江さんへ
この3年間、僕のそばにいてくれてありがとう。
僕はこれまで数社のブライダル会社を作り、数えきれないくらい結婚式をプロデュースしました。でもウェディングプランナーとしての仕事は、まだ全然できていないように思います。
人生を賭けたブライダルの夢・・・
僕はまだその答えを見つけられていない。
だからもう一度、真剣にブライダルと向き合いたいと思ってます。
またしばらく迷惑かける事になるけど、こんな僕の人生にもう一度付き合ってください。鈴江さんと2人の息子のためにもまっすぐにブライダル道を進んでいきます。
そして、いつの日か、
この道を選んで良かったと言える日がきますように。
ーーー 2012年7月4日 RYO 』
この手紙から5年。
僕は再び、ペンをとった。
『鈴江さんへ
いつの日かこの道を選んで良かったと言える日がきますように・・・。そう手紙に書いてから5年が経ちました。
あの時、もう一度ブライダルプロデュース会社を作ることに大きな迷いやためらいがありました。でも、姫路で一番素晴らしい結婚式をする会社になりたいと思って、ここまで頑張ってきました。
スウィートブライドは姫路で一番小さなブライダル会社です。
そんな小さな会社が、多くのお客様に育てられ、いい会社になってきたと思います。
僕は嫌われているから、嫌な事もいっぱいあった。
振り返れば、この5年、辛くて苦しい事ばっかりだったかもしれない。
でも、まっすぐにブライダル道を進んできました。
そしてようやく人生を賭けた僕のブライダルの夢にたどり着いたような気がします。
誰にも真似できない、
僕にしかできないプロデュースです。
ここまで時間がかかったけど、
やっとウェディングプランナーになれたかな。
今はっきりと言えます。
この道を選んで良かった。
ありがとう。
ーーー 2017年9月20日 RYO』
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