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食事介助のポイント「姿勢」について 簡単解説

10年間ほど言語聴覚士(ST)として飲み込みや言葉の訓練のプロとして仕事をしていました。

現在は、言語聴覚士でありケアマネージャーであり、現場の介護スタッフとして介護施設で働いています。

今回は食事介助で気を付けるべきポイント「姿勢」について解説します。


嚥下障害の方にとって必ずしも座位で食べるのが安全とは限りません。実は座位は誤嚥しやすい姿勢でもあるのです。とはいっても、多くの人は座位でご飯を食べている人が多いのも事実ですので今回は座位についての姿勢について解説します。

正しい座位とは、下半身と体幹を安定させることで上肢や頭頸部などがリラックスした状態を指します。下半身や体幹を安定させるにはどうしたらいいのか!?

その答えは接地面を増やすことです。地面に接している面積を増やすことで姿勢が安定します。具体的には

・足底は踵まで地面や踏み台、フットレストにつける

・背中を椅子の支えるところにつける

・おしりを椅子の奥の方にしっかりとつける

これらを意識するだけで姿勢は格段によくなります。下肢・体幹が安定すると上半身がリラックスして連動しやすくなり手、口、喉の動きも良くなる傾向にあります。

逆に言うと、姿勢が安定しないと喉の動きも悪くなったり、頸部が後屈してしまい誤嚥を増長させる姿勢になってしまうのです。

高齢者は体全体の筋肉が減少しており座位の不安定を招きやすいため、床面には足底、座面には両坐骨をきちんとつけて、筋肉の相互作用で下半身を安定させることが大事となります。下半身が安定することで上半身がリラックスし、両手、口、のどが働きやすくなります。

食事の介助は姿勢を正すところから始まっていることを意識しましょう。

そして、大事なのは正しい姿勢を食事を食べている間保持できるかどうかです。よくあるケースとして、食事を食べる前に姿勢を正して「ポジショニングが完璧」と言うスタッフがいます。

ですが、患者さんが自力で食事をしたり、介助の方であっても時間が経つと自然と姿勢は崩れてしまいがちです。

評価すべきポイントとして食事前の姿勢をどれだけの時間保持できるのか。この視点も大事にしましょう。

姿勢の他にも食事介助には多くの気を付けべるべきポイントがあります。普段から食事介助に関わっている方は是非、以下のリンクもご参照下さい♪


食事介助のポイント3つ解説|ST介護士ナカマルの介護・医療職の悩み解決 (taberiha.com)



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