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アウトポケット

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行ってない海遊館のチケットとワニが出てきたアウトポケット
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2016年8月の記事一覧

『印度象』

『印度象』

シンクロの日本チームが決勝でレフェリーに与えた印度象

EL(エレメンツ=規定要素)
EX(エクスキューション=完遂度)
IE(インディアエレファント=印度象)

この3分野に分かれたルーティンの中で、日本がレフェリーに与えた印度象の評価が、非常に高かったことが、銅メダルをもたらした最大の要因だったのだろう。

『Z』(短歌連作7首)

『Z』(短歌連作7首)

天王寺動物園へ行く道にひとのチヂミを食べている犬

これだれが縫ったんやろか天王寺静物園の真夏のコアラ



世界一耳のでっかい動物がゾウやったころ二位やったキミ

やっとやでやっとやねんでやっとやでキリンの飼育係のランチ

ヒョウ柄のおばちゃんたちが檻を出てけつねうどんを捕食してはる

ながい鼻やさしい瞳ひろい背でそっと近寄る愛の反意語

駅へ行く道にならんだホテルからめっちゃ漂うけもののに

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『ブラジル風魚介郷土料理仕立てココナッツ香るライス』について

『ブラジル風魚介郷土料理仕立てココナッツ香るライス』について

 世の中には様々な○○風の料理があります。

それは旅人であるわたしにとって非常に由々しきことです。

なぜなら全く、○○風ではないから。

もちろん郷土料理は現地でいただくのがベストだと思うのですが、今はネットでご当地料理をいくらでも取り寄せられるので、実際わたしも食べることが目的の旅は減りつつあります。

遠方の名産品や特産物を使った名物料理を電子レンジであたためているときは、時空を超えた真理

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パヤパヤ

パヤパヤ

砂浜でふつうにスイカ割りをする大学生の驚異サークル
 九十九里浜で恐ろしい光景を目の当たりにした。

大学生と思しき若い男の子たちがビーチサイドでスイカ割りをしていたのです。

恐ろしく、ふつうに。

周囲のメンバーによる何かしらの仕込みも、割り手による何らかのボケも一切なくスイカ割りは遂行され、スイカの上部が中途半端に欠けてイベントは終わったのです。

その後、あらためて切り分けたスイカをギャラ

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笑い遅れるひとに告ぐ

笑い遅れるひとに告ぐ

伊知郎が二秒ためたら準備しろ笑い遅れる前席の客

わざわざ笑うために喜劇やら落語やらトークショーを観に来ているのに、笑い遅れるひとって残念だなと思う。

笑うべきポイントでポカンとしていて笑いの波が退いたころ慌てて笑ったりして。

それだけならまだしもどこが可笑しかったのか隣のひとに訊いたりもする。

訊かれたひとは演目の途中にも関わらず笑ったポイントの説明をする。

すると今度はその二人して次の

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アウトレットとアウトポケット

アウトレットとアウトポケット

トリンドル玲奈に絡むタージンが滋賀竜王でいちばん安い

三井アウトレットパークって品物が高価すぎて、もはやアウトレットの範疇をこえてしまっていると思う。

しかし、三井というネームバリューにアウトレットという残念な横文字を続けること自体に無理があるのだから仕方がないのか。

(三井=玲奈)+(アウトレット=タージン)という、三井アウトレットパーク竜王のCMで見た図式がその事に気付かせてくれたの

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海遊館

海遊館

恋人は速いさかなになったから海遊館の前でさよなら

海遊館に行ったことがない。

大阪には長く暮らしていたが海遊館に行ったことがない。


天保山に行ったことがある。

大阪に長く暮らすあいだに何度も天保山に行った。

実は海遊館の入口には一度だけ行ったことがある。

恋人と一度だけ行った。

そこで恋人が豹変した。

世界一速いさかなに。

それ以来

いちども海遊館には行っていない。

にど

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『K』  (短歌連作25首)

『K』 (短歌連作25首)

3Kの3には犬と猫と猫 わたしはKで鍋をみている

お土産のハーゲンダッツ何故きみはセロリと野菜室にいるんだ

アイランドキッチンに立つ菜の花の湯気にピクニックの蜃気楼

しんなりと夜の湯船で絹さやはたんぽぽいろの渦に焦がれて

ごくまれに混入してる黒い粒わがキッチンへ今日もようこそ

銀河へとショートパスタを連れてゆく気泡と瀬戸の塩でたたかう

ペディキュアをひとすじのせる小指ほど小さなエリンギ

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