本当は怖い⁉夏目漱石の「こころ」②【仲川光🌸日本文学入門①近代文学】
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前回に引き続き、夏目漱石の代表作、「こころ」を取り上げます。
僭越ながら、「本当は怖い夏目漱石の『こころ』」という題をつけさせていただきました。
原作へのリスペクトはありつつ、私なりの解釈として、登場人物の「K」と「先生」の心情について、迫っていきたいと思います。
本当は怖い「こころ」って?
その意味は、記事内にて!
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夏目漱石 「こころ」
恋と死――人間の心に秘められた闇を描く青春恋愛小説
夏目漱石(1867~1916)
【書き出し】
私はその人を常に先生と呼んでいた。
だから此処でもただ先生と書くだけでは本名は打ち明けない。
それは世間を憚かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。
私はその人の記憶を呼び起すごとに、すぐ「先生」といいたくなる。
筆を執っても心持は同じ事である。
よそよそしい頭文字などはとても使う気にならない。
※あらすじは第一回記事をご参照ください!↓↓
・本当は怖い「こころ」の「先生」⁉
「先生」は、「こころ」の本編内では、「過去に影を背負っていて、人に心を開くことの少ない、訳アリな人だけれど、どうにも憎めない人」という雰囲気で表現されています。
そして、先生自身も、自分のことを「私のようなものが世の中へ出て、口を利いては済まない」と言っています。
一見普通の教養人なのに、「先生」本人すら、自分の存在を否定するような人格とは……。
果たして、先生の内面に、本当に何か問題があるのでしょうか?
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