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【リハビリ】高血圧を考える

公園の水飲み場の蛇口をひねり過ぎて、顔がびしょ濡れになったことはありませんか?もしくは思い切りひねってどこまで上がるか観察したことは?

あの水の高さですが、1.63mまたは2.45mまで上げた時の事を想像してみてください。(想像できない方は夜中の公園でお試しください)

この水の勢いですが、心臓のポンプが血液を全身に送り出すときの勢いと同じです。上の血圧(収縮期血圧)になります。

120mmHg 水の高さ1.63m
180mmHg 水の高さ2.45m

正常といわれる120mmHgも、なかなかな勢いです。

心臓から出た血液は、全部つなぐと地球2周半の長さともいわれる血管を、30秒〜1分という凄いスピードで全身を駆け巡り、また心臓へ戻ってきています。 

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血圧を調べれば、身体の状態を客観的に知ることができます。リハビリには中止基準があり、血圧はわかりやすい指標の1つです。

高血圧は、自覚症状がなくそのままにしていても生活に支障を感じにくいのが特徴です。そのため治療せずに放置しがちなため重篤化しやすくサイレントキラーと呼ばれます。また、高血圧患者のうち、治療を受けて上手にコントロールできている人は1/3程度で、半数以上の人は治療しても基準値以上の血圧のままです。

高血圧の分類

これまで世界的な高血圧の診断基準であった140/90mmHgを、アメリカでは2017年に120/80mmHgに引き下げました。

一方ヨーロッパでは2018年に降圧目標を130/80mmHgとしました。

高血圧症が重篤化すると

●心肥大および心不全
高血圧が持続すると、心筋細胞が耐えきれなくなり、心機能不全の状態に陥ります。

●血管病変
血管は本来しなやかでゴムのような動きをしますが、血圧が高い状態が続くと常時張りつめた状態となり動脈硬化を進めてしまいます。

脳の動脈硬化が進行 → 脳梗塞や脳出血
心臓の冠状動脈硬化 → 狭心症や心筋梗塞
腎臓周囲の動脈硬化  → 腎萎縮や腎硬化症

原因不明の「本態性高血圧症」

高血圧症の9割は本態性高血圧と言われ、短期間で改善することもありますが、いくつかの要因が複雑に絡み合うと慢性化してしまいます。

①遺伝的要因
②環境的要因
 気候(寒冷)
 食事(食塩) 
 嗜好(喫煙 アルコール)
 心理(ストレス)
 肥満 
 運動不足

このうち塩分の摂りすぎは現代の食生活において、高血圧を引き起こす大きな要因の1つです。

イギリスでは2003年から11年にかけて国を挙げて減塩に取り組み、国民全体で血圧が平均3.0mmHg低下し、脳卒中や心臓病による死亡率がそれぞれ40%減少したという報告があります。

原因の明らかな「続発性高血圧症」

①腎性高血圧症

腎臓は心臓から送られた血液の1/4が通過し、1日あたり約180Lが濾過されます。そのため腎臓は血圧の調節に重要な役割を果たしており、腎性高血圧症は発生頻度が非常に高くなっています。

②内分泌性高血圧症
③血管性高血圧症
④神経性高血圧症

高血圧症の治療

運動療法と食事療法を中心に、必要に応じて薬物療法を行います。薬物療法に取り掛かる前に、運動と食事を見直し、規則正しい生活を心がけることが改善の近道となります。

運動療法や食事療法について、また少しずつ解説していきたいと思います!

NAKABA

●参考文献
トートラ人体解剖生理学
標準理学療法学 専門基礎分野 病理学
トリプルリスク改善
マニュアル病気の科学知識

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