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ダイエット【意志力と睡眠】

こんばんはNAKABAです!

「お腹いっぱいでも見ると食べてしまうから、置いておかないでくれ。」と妻にお願いしたところ「お腹いっぱいなら食べないでよ!」と怒られた事があります。「確かにその通り!」と思いつつも辞められない自分の意志の弱さを感じていた頃に、「なるほど!」と思う文献に出会いましたので、見解を交えながら解説したいと思います。

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いつ食料を得られるか予測できない旧石器時代、目の前の食事をできるだけ多く食べ、余ったエネルギーを脂肪に変えることが生き抜く上で必要でした。

「目の前にあるとついつい食べすぎてしまう。」「高脂肪、高カロリーのものを選んでしまう。」
これらは旧石器時代から受け継がれてきた本能的な反応といえるようです。

体重を落とすためには、この本能に抗いながら、食事管理や運動を続ける必要がありそうです。


意志力をマネジメントする

カーティン大学でダイエット志向の強い学生を集めて実験が行われました。「片足立ち+難しい計算」と「両足立ち+簡単な計算」のグループに分け、それぞれの課題を終えた後に好きなだけスイーツを食べさせたところ「片足立ち+難しい計算」を行ったグループのほうが、より多くのスイーツを食べる結果となりました。

脳が疲労したことにより意志力が消耗されてスイーツの誘惑に負けたと推察できます。

ダイエットを続けるためには、意志力を消耗させる出来事(仕事の忙しい時期、プライベートの悩み)など身の回りを上手にマネジメントすることが大切と言えそうです。

意志力と睡眠

この意志力を消耗させないために最も重要になるものが「睡眠」といわれています。

カナダウォータールー大学による調査により、睡眠不足は脳の前頭前皮質の機能を欠如させ、次の認知能力を低下させることが明らかになりました。
●持続的なタスクに集中する注意力
●目的や計画を明確にして行動する実行能力
●多くの情報を処理するワーキングメモリ
●欲望を抑制する抑制コントロール
●長期記憶

スタンフォード大学と上海交通大学の研究では、睡眠時間が短いと食欲抑制ホルモンであるレプチンやグレリンに影響があることが明らかになりました。

嗜好性の食欲と睡眠の関係

食欲には「生命維持のための食欲」と「嗜好性の食欲」があります。例えば、想像以上に美味しいスイーツを食べた場合、ドーパミンという報酬系の快感物質が放出され、「嗜好性の食欲」が高まります。

2015年タフツ大学栄養疫学研究所の調査結果から、睡眠不足は糖質や脂質を多く含む食品や飲料、夜間の間食の摂取量の増加と関連し、また食物繊維やタンパク質を含む食品、野菜や果物の摂取量の減少と関連していることが示されました。

シカゴ大学の研究で、睡眠不足のある肥満の被検者に、8.5時間の十分な睡眠をとらせた結果、「嗜好性の食欲」が62%も低下したと示されました。

大分大学と上海交通大学それぞれの研究結果から、通常の睡眠時間と比べて睡眠不足の場合は、1日のエネルギー摂取量が252〜384kcal増える事が示されました。そして、この時1食あたりの接取量は変化しておらず、間食が誘発されたことによりエネルギー摂取量を増加させている可能性があると述べています。

どうやら睡眠不足は、太る食品の摂取量を増やし、健康的な食品の摂取量を減らし、夜間の間食を増やすようです。

夜間スマホによる肥満リスク

アメリカ国立衛生研究所の10年間の追跡調査から「睡眠中の人工的な光の照射は、肥満のリスクを高める。」という結論が出ました。

サーカディアンリズムという「体内時計」が地球の自転周期に合わせたリズムで多くの生物が本能的に備わっていると言われています。体内時計の乱れは、レプチンやグレリンといった食欲調整ホルモンのバランスを崩すと報告されています。また、脳の松果体から分泌されるメラトニンには催眠作用があり、その分泌量は明るいときに抑えられ、暗くなると促進されます。

ついつい布団の中で見てしまうスマホの強い光はメラトニンの分泌を抑え、体内時計を乱し、肥満のリスクを高めてしまうと言うことができます。

つまり

ダイエットはもちろん、意志力をマネジメントしたいなら、まずは十分な睡眠をとることから始めてみてはいかがでしょうか!

●ダイエットに必要な意志力をマネジメントするために、十分な睡眠をとる。


●嗜好性の食欲を抑えるために十分な睡眠をとる。

●十分な睡眠をとれる環境を作る!

NAKABA

●参考 「科学的に正しいダイエット」庵野拓将

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