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【リハビリ】食べて血圧を下げる

高血圧の人に対して、運動療法を行おうとしても、リスクが高いため、なかなか上手く進めることができません。そのため、まず取り組むべきは食事療法になります。
多くの人は血圧を下げる食べ物に関して、なんとなくの知識は持っていると思いますが、はっきりと断言できない事が多いのではないでしょうか。

意外と簡単に手に入り、効果のある食材について解説したいと思います。
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塩分を抑える

高血圧の対策としてまず行うべきは減塩です。塩分が血圧を上げるのではなく、塩分により腎臓の働きが追いつかなくなることが本来の原因です。

腎臓は血液中の塩分を140mEq/Lに保つように調整しながら、血圧をコントロールしています。

1日の塩分摂取量が5gを超えると、腎臓の処理能力は低下し、フル活動しても血圧が急上昇し始めます。

日本人の8割は塩分を1日に6g以上摂取すると、血管や腎臓へ負担がかかり血圧が上昇すると言われます

食塩相当量

塩出し

まずは、上の表を見ながら、日々の食生活を見直しましょう。上の表を見ても、塩分を1日5g以下に抑えるためには、かなり意識しないと難しそうです。外食をすれば1食で1日分の塩分を摂ってしまうこともあり得ます。「ガマンできない」という人も少なくないでしょう。

そこで「塩をガマン」から「塩は食べたら出す」に考え方を変えることをオススメします。

塩分を排出する「カリウム」

まず覚えるべきはカリウムです。
カリウムは生野菜やフルーツに多く含まれ、腎臓での塩分再吸収を抑制して、塩分を尿へ排泄する量を増やしてくれます。

体内に2500mg以上カリウムが残っていると、1980mg以下の場合より血圧が4mmHg下がると報告されています

循環器研究ではカリウムの摂取を1日1600mg増やすと脳卒中のリスクが21%ダウンするといわれています

カリウムを多く含む食材

現代人は圧倒的なカリウム不足で、原始時代に比べてその量は1/16といわれています。特に外食やコンビニ食の多い人は摂取量が少なくなっています。

高血圧予防に必要な1日の推奨カリウム量
男性 3000mg
女性 2600mg

血管を広げて柔らかくする

カリウムを摂取できたなら、効率よく塩分を排出するために、柔らかい血管が必要になります。

カギを握るのは、血管内で発生する「血管拡張ガスNO」と呼ばれる一酸化窒素です。血管内にこのガスが増えると動脈硬化を防いで、血圧が安定します。

●血管拡張ガスNOの増加効果
血圧13%低下 
抗炎症効果2〜3倍に増加

血管拡張ガスNOは、タンパク質の構成要素であるアミノ酸で作られます。ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールはこのガスを保護してくれます。

良質なタンパク質とポリフェノールを含む野菜をたっぷり摂ることが必要になります。


オススメ5つの食材

血圧を下げるには、カリウムを増やす野菜や果物と血管拡張ガスを増やすタンパク質をしっかり摂取する必要があります。
数ある食材の中から手軽に摂れて効果の高い食材を5つ選んでみました。

牛乳
意外にも高血圧対策に非常に効果の高い飲み物です。牛乳摂取量の多い人は全く飲まない人と比べて、血圧が10.4mmHg低いという結果があります。
牛乳には血管拡張ガスNOを増やすタンパク質が豊富な上に、コップ1杯で200mg以上のカリウムを摂ることができます。

バナナ
高血圧患者に2週間毎日2本のバナナを食べてもらった結果、血圧が下がったという実験結果がありますバナナに含まれるグルカンは血管拡張ガスNOを産出し、免疫調節機能を活性化させます。また、バナナ1本にはカリウムが豊富で、果皮には動脈硬化を防ぐ硬化があるため、皮の白い筋まで食べることがオススメです。

緑茶
緑茶に含まれるカテキンは、肉やご飯の吸収よりもかなり速く吸収されるため、食事の際に湯のみ1杯飲むだけで、食後の血圧上昇を抑えてくれます。
毎日緑茶を飲む人は、飲まない人に比べて高血圧リスクが46%も低いという報告があります。

ほうれん草
数ある野菜の中でも、ほうれん草は高い抗酸化力と、血管拡張ガスNOの元となる硝酸塩が多く含まれます。カリウムを含むミネラルも豊富なため、血圧を下げ、血管を守るパワー食材ということができ、毎日の食卓に副菜として少し取り入れたい食材です
ただし、それらの成分は熱に弱く、5分の加熱で30%減、10分で40%減と言われます。加熱時間はできるだけ短くしましょう。

コーヒー
コーヒーを継続的に飲むと、コーヒー豆に含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が血圧を下げてくれます。
ただし、カフェインが含まれているため、普段飲まない人や、1日5杯以上の過剰摂取は、血圧を上げることになるため注意が必要です。

「食べて血圧を下げる」などという題名にしてしまいましたが、味の濃い食べ物はできるだけ控えるべきです。自分が原始人になったと仮定してみれば、まわりには調味料はないでしょう。元々人間の身体は自然の物を自然のまま食べれば生きていけるようにデザインされています!

NAKABA

●参考文献トートラ人体解剖生理学標準理学療法学 専門基礎分野 病理学トリプルリスク改善マニュアル病気の科学知識

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