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治験ボランティアに参加したはなし。

もりです。

今回は治験ボランティア(所謂『治験バイト』)に参加した体験談です。

以後、金額を含めた生臭い話が続きますが、
『バイト』は『ボランティア』
『ギャラ』は『謝礼金』
と読み替えてお進みください。

また、大人の事情で詳しい治験内容は書けませんので、詳細は(**)としております。

なぜ?

A.ギャラが魅力。(今回20万弱でした)
B.『都市伝説』への興味。
C.コロナで暇。
D.自分への興味
(長期間断酒できるか?禁煙できるか?)

3年ほど前に1週間ほど人生初の入院生活を送ったのですが、そのときは普通に禁酒禁煙できていたので、今回はどうかなという関心がありました。

治験バイトは『宇宙兄弟』というマンガを読んで、『閉鎖空間での2週間生活』で30万。があることを知ったのが始まりです。
… Jaxaのそれには落選しましたが。

治験(入院中)の状況などはたくさんの方々の記事があるので、初めてエントリしたところから治験開始までと、検査情報などを中心にまとめています。


応募してみた。(入院1カ月前)

『治験ボランティア』で検索してみてください。
(『治験バイト』よりヒットします。プライド?)
早い者勝ちみたいです。
が、当然検査でのNGや直前欠席が出るため、この段階ではかなり多めに採用しているようです。

コロナで
PCR検査クリアのハードルが増えている為か、6名の採用枠で事前説明会に呼ばれた人数は24名でした。(なので本採用となる確率は1/4。)


治験コーディネーターからの事前連絡
(入院3週間前)

採用が決まると入院先のスタッフから本人意思の電話確認が入ります。
(元気よく電話に出ましょう?)
事前検診に来る日、持ち物、参加意思の確認でした。

OKの場合、治験開始まで以下のことを約束させられます。

A.他の治験への参加禁止。
B.200ml以上の献血禁止。
C.5単位/2時間以上の飲酒禁止。14単位/週以上の飲酒禁止。
D.事前検診3日前より重労働、激しい運動の禁止。

(アルコール1単位とは、ビール240ml、ワイン90ml、蒸留酒30ml。)
⇒つまりハイボールならショット1杯で1単位、週14杯まで。となります。
⇒⇒「蒸留酒」という括りなので、30mlで同じ呑むなら、20度の焼酎より40度の洋酒がお得な気もします?
80度のウオッカとか。


事前説明会・入院前検診(入院16日前)

健康保険証、本人確認書類(免許証)、謝礼受付の為の印鑑を持参し指定された集合場所へ。
(今回は治験専用のクリニックでした)

最初に治験コーディネーターの自己紹介のあと、『治験内容についての説明』がありました。詳細部分はちゃんとDr自身から説明があり、期間途中でやめても良い事を何度も伝えてくれます。
(当然ですが途中でやめるとギャラは減ります。今回は1泊毎に15,000円の減額でした。)

この時点で初めて詳細な治験内容が判明します。
(委託先企業名、対象治験者人数、実際の治験日程内容、服用薬、予想される副作用、いつから治験を行っている薬で今が第何段階なのか(後述1)。などなど)

終了すると内容が理解できたのかの確認(署名)、自己申告内容の確認(署名)、参加意思の確認(署名)があり、全て同意した方のみ以後の検診に進みます。

ーここで退席しても『説明会参加』のギャラ(5,000円)は頂ける様でしたー

採用条件にBMIがあった為、身長、体重、血圧、採尿、採血がありました。
採血は6アンプルあり、かなり詳細(後述2)に調べられます。
(採尿があることは聞いていたので、勝つために水をガブガブ呑んで臨む。)

また血圧測定は測定前に安静時間が設定され、ベットに横たわって行うもので、かなり丁寧です。
(上140mmHg以上、下90mmHg以上でNG。退場。)

この日は2時間程度の拘束で終了。ギャラ5,000円を貰って帰りました。


検診データでの合否連絡(入院11日前)

採血データを基にした採用合否の電話連絡が入ります。
(後から生検データを見たら検査項目は45項目。HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎などの有無も検査されていました)

検査データに問題がなかったこと、参加意思の確認があり、終話。

この日より前述した禁止項目A~Dに加えて以下Eが追加。

E.医療用医薬品、一般的医薬品、健康補助食品、ハーブ系サプリメントの摂取禁止。


PCR検査参加確認(入院5日前)

PCR検査の電話連絡が入ります。来院時間帯の確認のみ。


PCR検査(入院4日前)

9時から12時までの時間帯で、15分程度。時給2万円?

唾液20mlを出して検査終了です。ギャラ5,000円を貰って帰りました。


PCR検査での合否連絡(入院2日前)

陰性との事。参加意思の確認があり、終話。

この日より前述した禁止項目A~Eに加えて以下Fが追加。

F.***************(NG)


入院当日(まだ治験開始前)

午後に8名が来院。施設設備や、入院での注意事項について説明があり、また参加の署名。

スマホやPCなど、全ての撮影機器のレンズに、はがすとバレる目隠しテープを貼られます。
午後から検査。

よる、食事が出ました。美味しかったです。
(品数が少ない気もしたのでこの日以降、退院まで全てのオカズをよく噛んで食べる様になります。状況はヒトのしつけも補正する。

本日午後と明日午前の検診内容で最終の2名が脱落らしいので、不安になりつつも23時消灯就寝。

☆ もうこの段階になると治験に対する不安より、
「最後まで勝ち残るっっ・・!」というカイジの心境
になっている。

この日より前述した禁止項目A~Fに加えて
以下G,Hが追加。

G.タバコ、ニコチン含有物の摂取禁止。
H.カフェイン、キサンチン含有製品の摂取禁止。
(退院まで水(食事時のみ麦茶)のみ)


入院2日目(治験開始1日目)

起床時の採尿検査、午前に心電図と血圧。

ここで2名が退院。心電図、前日の採血結果か?

『健康のお墨付き』がもらえたようで、非常に気分が良くなる。

最終6名の治験メンバとなり、更に前述した
禁止項目A~Hに加えて以下Iが追加。

I.適切な避妊(胎児への副作用の恐れの為)


治験期間中(1日目~10日目)

7時起床。23時消灯の毎日。
毎日決まった時刻に治験薬の服用指示があり、曜日によって投与事前、事後の心電図測定、採血、採尿などがありました。

沢山検査がある日は、なぜかうれしくなる。

カルテは頂けないものの、検診時ベットにまとめたファイルがあり、自由に閲覧できたので、自分の検査データを全て書き写していました。(撮影は禁止)

誰が偽薬(今回2名は比較の為の偽薬)なのか気になる。
6人分の薬剤を見てみたが、当然ながらわからない。
全盲試験なので、先生たちもわからない。

スマホ、PC、ゲームなどの持込みがOKだったため、普通にテレワーク出来ます。他にやることが無いのでなぜか仕事は自宅より進む。

クリニックからは一歩も出れません。
(外のことを”シャバ”と呼ぶようになる)

服役囚の食事にかける思いが判るようになる。

指定された時間帯に運動(散歩)ができます。何もせずに寝たきりだと肝機能データが悪くなる場合があるため。
(退院2日前に指摘されました。悪くなり続けると退場。)

廊下をグルグル廻っていると、モルモットみたいな気持ちになれます。

どこも悪いところがない(闘病中でない)ため、ベッドに寝転んでマンガを読んでるときに働いてるスタッフの方が来ると、なんとなく申し訳ない気持ちになる。

どうしても会わなければいけない相手には、「2週間ほど入院することになりまして…」と話すだけで、時節柄、勝手に早合点してもらえる。

いつのまにかオリンピックが終わっていました。


退院

午前中に解放。
ずっと病院スリッパでペタペタ暮らしていた為、自分の靴が重い。

ラーメン屋に入ったのですが、『幸せの黄色いハンカチ』で高倉健さんが出所後のラーメンに涙ぐむシーンに共感できるようになる。

実際には彼は2日間、水だけしか飲まなかったという。そうやって、芝居のリアリティを出したのである。

こちらは水なら11日間だ。


治験段階について(後述1)

事前説明会で、今回の治験が何段階目なのかの説明があります。
(冊子になった、かなり詳細な資料ももらえます)

治験バイトの最大のリスクは自身への健康被害ですが、治験内容に不安があれば、いつでもやめることができます。
(その際は偽薬投与かどうかも分かるみたいです)

1.動物実験のみで人体への投与が初めてのもの。
(副作用の恐れが大なので、投与期間、投与量は少ない)
2.人体への投与例が既にあり、投与量などを増やした段階。
今回はコレ。委託薬剤メーカが海外だったので、海外での拡大治験例は既にあった。副作用予測もあり、アジア人に向けた2.5段階?)
3.海外で既に認可済みの薬剤で、日本での承認臨床用にデータが必要なもの。
4.既に認可済みの薬剤だが、摘要外の申請の為にデータをとる必要があるもの。
(アビガンやバイアグラなど)

⇒ 今回例は海外では上記の『2』段階治験までは完了(治験内容と副作用報告あり)。日本国内では『1』段階まで完了。投与量を倍にして再度被験者に投与するというものでした。

また健康被害が生じた場合の賠償についても説明があります。
製薬会社の自費。提供会社が大手の方が安心なのか?

賠償の条件に『治験との因果関係が証明された場合のみ』とあるのですが、私自身、今回ほど濃密な生検データを取られた経験がなく、かなりの数値が揃うでしょうから、万一の際の立証はさほど難しくなさそうです。


収集されるデータ(後述2)

以下のデータを委託会社に匿名で提出されること(強制)。
投与結果との連動判断のため、DNAサンプルも提出して良いか(任意)への意思表示ができます。

身長
体重
BMI
体温
Sys
Dia
P
心電図

<外部検査機関検査>
CPR定量
フェブリノーゲン
梅毒定性RPR
梅毒定性TP抗体
HBs抗原(HQ)
HBs抗原(判定)
HCV抗体
HCV抗体(判定)
HIV抗原抗体
HBc抗体<PHA>
Sars-Cov-2

<生化学>
TP
ALB
T-Bil
AST(GOT)
ALT(GPT)
ALP
BUN
CRE
UA
Na
K
Cl
Ca
Glu

<血液>
WBC
RBC
Hb
Ht
MCV
MCH
MCHC
Plt

<5分画>
Neutro
Eosino
Baso
Mono
Lymph
Lymph#
Mono#
Neutro#
Eosino#
Baso#

<尿検査>
pH

蛋白
潜血
ビリルビン
ケトン体
ウロピリノーゲン
亜硝酸塩
白血球

<尿中毒物>
PCP
BZO
COC
AMP
THC
OPI
BAR
TCA

以上を自費で血液検査すると、かるく20万超えそうな気がします。
採血12回。うちフル検査項目採血は6回。尿検査5回。心電図8回。
(不整脈を指摘され、医療機関への受診を勧められている方がいました。)
ココはどこなのか?

肝機能などをこんな短期間で複数回とった経験がなく、わずか数十分の運動で改善されることに驚きました。

血液データ(RBCのみ)が貧血ぎみだったので、そのことをDrにお聞きすると、他の数値を読み取り、心配ない事も診断してくれました。
2週間にわたる生検データをずっと見られているため、へたなかかりつけ医より信頼できる。
貧血気味なのは毎日採血されるせいではないのか?と思いましたが、資料を読み返すと全治験期間中の採血量は合計180mlと記載がありました。)

一回の採血だけで色々脅される、人間ドックより良いかも。

お金がもらえるし、2週間水しか飲まないので禅寺行くより良いかも。


その他

ゲーム機、携帯の充電器など確認しましょう。

ベッドのコンセントに余裕ない場合があるので、100均の物で良いので『コンセントタップ』持参すると便利かと思います。

携帯は通常の契約だと間違いなくパケ死します。(PCのテザリングもあわせ、20.57GB使っていました。)

サブスクの『30日間無料』サービスなどに入っておかれると良いと思います。いつもは面倒な解約の手続きも暇なので余裕です。
(ギャラに対する期待感と暇なため、いつも以上に色んなジャンルのものを購入しがち)



今日現在げんきです。



2021/08/24 文面レイアウト変更。

2021/08/31追記。

蛇足となりますが、『その他』を追加しました。

ムスメに甘いものを買います!