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【AI最新NEWS】Chat-GPT5の開発-CEO発言要旨,+僕の考察

 11月13日の英フィナンシャルタイムズが掲載した、OpenAIの代表である、サム・アルトマンCEOのインタビュー。その中で氏は「Chat-GTP5の開発に着手している」と発言しました。

 これには、正直、驚きました。


これまでの流れ

 今年4月に、同氏のインタビューを読んだのですが、その時の発言は、「Chat-GPT5は開発していないし、そのめども立っていない」と記憶しています。

来年の発表と思っていたが

 当時は、Chat-GPT4が登場して間もない時であり、かつ、AIの開発を半年間止めるべきとの意見が出ていた時でもありました。

 ですのでOpenAIとしては、Chat-GPT5の開発は当面先であり、ここ1、2年は、Chat-GPT4の性能アップや欠点の改善に尽力すると思っていました。

GPT-5の商標権をUSPTOに提出

 その後、GPT-5の商標権を米国特許商標庁(USPTO)に提出されたことが発覚したので、来年には、GPT5のことについての発表があるかもとは想定していましたが、まさかの、この発言。

開発と環境の目途が立ったから?

 今回、Chat-GPT5を開発中と明言したのは、おそらく、GPT5がGPT4の性能を大幅に向上できるという技術面と、開発費用、開発環境といったことの目途が立ったからでしょう。


サム・アルトマンCEOの発言要旨

 英フィナンシャルタイムズの記事でのサム・アルトマンCEOの発言はこんな感じでした。

サム・アルトマンCEOの発言要旨

1.高度なAIモデル開発に伴う費用に対応するため、マイクロソフト以外の投資家から追加の資金調達を計画している。

2.トレーニングコストのために会社は未だに利益を出していないとしながらも、23年の収益の成長は良かった

3.ビジョンはAGIを作り、それを安全にする方法を見つけ、その利益を理解することだ。

4.AGIの構築とその安全性の確保とその利益の理解に注力している。GPT-5の開発も進行中であるが、リリースのタイムラインは未定である。

OpenAI社の懐事情

 OpenAI社は、今年Microsoftから100億ドルの資金調達をしました。しかしながら、利益を生み出すビジネスモデルが構築できずにいました

有料版「Plus」の利用者数は限定的

 Chat-GPTは確かにすごい能力です。利用ユーザーも全世界で数億人いるといわれてますが、その大半は無料で使っています。有料版のPlusの利用者数は限定的です。

 先般、企業用のChat-GPTもリリースしましたが、Microsoftが企業ユーザーを押さえているため、こちらの収益も芳しくないようです。

OpenAI社の新たな収益モデル

 そんな中、先週公開した、Chat-GPTの新機能の「GPTs」は、新たなOpenAI社の収益ビジネスモデルを提示しました。

 これは、Chat-GPTのプラットフォームの上で、様々な用途にカスタマイズしたChat-GPTを企業個人問わず登録し、利用料をOpenAI社と分配するモデルです。

 このGPTsはもしかしたら、Apple Storeのように、OpenAI社の新たなる、大きな収益源になる可能性を秘めています。

 例えば、医療カウンセリング用、法律相談用といった様々な分野に特化したChat-GPTが全世界ユーザが作り、登録できるとなったとしたら。その利用料をOpenAI社は収益分配できるわけですから、成功すれば、無尽蔵に収益があがるでしょう。

出資の目途も

 加えて、OpenAIは株式売り出しを検討中です。企業価値は800億から900億ドルとみられており、Microsoft以外の企業やファンドからの出資も得ることができるようです。

GPUの供給も改善

 また、AIの開発には、GPUというコンピュータが必要ですが、これが全世界的に不足しています。

 GPUを多く保有しているOpenAi社といえども、新しいGPTを今のGPT4を稼働させつつ、開発するには、GPUが足りない状況になっていたようです。

カギはNvidia社のGPU、H100

 このGPUにおいて、今一番使われているのは、Nvidia社のH100というGPUですが、こちらも、年末あたりから供給が改善されるようで、こうしたGPUの獲得のめどが立ったのも、GPT5開発にはかなりのプラスになります。

 こうした、資金とGPUという開発環境の整備が整いつつある状況になったからこそ、OpenAi社は、Chat-GPT5の開発をできる見込みが立ったとも言えますね。

いよいよ汎用人工知能に近づく?

すでにChat-GPT4 Turbo発表

 最新バージョンである、Chat-GPT4 Turboが先日発表されて、その性能アップにも、ものすごい進化を感じていました。

Chat-GPT4 Turboのその先は

 それが、さらにその先のGPT5となると、どこまで進化するのだろうか?という思いがあります。

 GPT4で一定の進化は遂げていますので、次のバージョン5を出すのであれば、いよいよ汎用人工知能である「AGI」に近づくのではないかと思います。

 Chat-GPT5が来年リリースされるかは不明です。

 しかしこれによって、確実にAGIへ向けての階段を登り始めたことを感じさせるニュースです。


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