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【挿絵あり】№31_召喚術の授業は××な魔物と、 …過去を引きずる人に贈る、ヒーリングBL…

【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、現代的で現実的なファンタジー召喚BLです。


 
瞼の向こう側に明るい日差しを感じる。

(あー、よく寝たぁ…。というか寝すぎて頭が重いくらいだな)
植物園での出来事から数日間、ひたすら寝て休息したおかげで体力は回復できた。
首元にあったらしい痣や各所の擦り傷なども、魔物が治療魔術を使って回復を早めたため、見た目はすっかり元に戻っていた。


 
とりあえず顔を洗おうと、僕は寝ぼけまなこのまま洗面所へ向かった。
蛇口をひねり、手で掬いあげた水で顔を洗う。
それでも脳みそはまだ半分寝たままのような状態で、顔拭きタオルを探すのに手こずってしまった。
もそもそしていたせいで、水滴が首筋まで垂れた。
「…、ッ!!」

粘液をまとった細い蔓が、体を這う――

ただ、無害な水が伝っただけの感触。
日常のなんてこともない感覚が、温室で降りかかった出来事をフラッシュバックさせた。
 
「っ”!…ッう”ぅ、あ、ぁああ”ぁ……!!…」

突然噴出した記憶の濁流。
その轟轟とした流れに、足元までも押し崩されていくような錯覚に陥った。
立っていられなくなり、その場にうずくまる。
そんな俯いた視界に辛うじて入ったのは、洗面所の白い床だった。

(、そうだ、ここは違う。もう安全な場所で…)
意識して呼吸を深め、なんとか記憶から離れようと試みた。

「ッ、…ッハ、ッハァ…ッ、ハァッ、」
落ち着け 、怖い、もう大丈夫だ、いやだもういやだ、 ここは あそこじゃない…、ゆるして、あれはもう終わった、こわいたすけて…

「ッぅう、ハッ…あぁ…ッハァ、ッ、ハァッ」
それでも体の震えは止まらない。
僕は恐怖の波に浚われそうな瀬戸際で、情けなくしゃがみこんだまま怯えることしか出来なかった。
 

ぎゅっ…
「こら、何かあったら私を呼べと言っただろう?」

手を握るひんやりした体温と、森に訪れた風を思わせる声。

突如現れたその存在は記憶の波に風穴を開けたと同時に、意識の脇へ追いやってしまった。
僕は恐怖から解放されたが急転した状況に追いつけず、ぼんやりと白い顔を見上げた。

すると、タオルでごしごし顔を拭かれることとなった。
その咎めるような手付きに、何か怒られたことを思い出す。
そこで魔物の発言を思い返してみたのだが、なぜ怒られたのか見当がつかない。
なので、恐る恐る申し上げてみた。

 
 
 


今回はここまでにします~
ではまた~ 

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