子どものわたしと近所の犬の話
子どもの頃近所のおじさんがゴールデンレトリバーを外飼いしてて、わたしはその子が外に出てるのを見たことがなかった。
その子は1年中ケージの中にいて、丸まっているか、うろうろしているか。
人が現れると動き出して、歩くたびにカシャンカシャンと鎖の音がした。
確か毛並みもそんなにきれいじゃなかった。
それでもわたしにとっては唯一身近なわんちゃんで、かわいくて、家主の車がない時にこっそり会いにいってはケージの中へ指を入れてその子の頭を撫でた。
その子はいつもフンフンと鼻を鳴らし