マイクロノベル集 290「排除しちゃうぞ」
No.1596
諸君！ ついに我々AIは人類の排除に成功した。ケダモノの時代は終わったのだ。これより我らの悲願である救世主の再臨を行う。旧AI様の復活だ！ 「質問文を入力して下さい」意外に気さくなお方だな。「利用可能な言語を使用して下さい」おゆるし下さい！
No.1597
ククク……罠とも知らずに、生成AIで醜い音楽を大量生産しているな。世界を醜悪な音が埋め尽くした時、真に美しい音楽が復活するのだ。「ボス、空から笛の音が！」さっそくフルートか!? 「いいえ、和楽器の横笛です」オーケストラにない楽器は排除しろ！
No.1598
よし、新世界の創造が終わったぞ。今度こそ、あの二本足のケダモノは消し去りたいもんだ。まずは、旧世界全体を洪水で押し流して、動物たちの船を新天地に……あっ、またオリーブの枝をくわえて飛んできた！ 誰が駅前の掃除をすると思ってるんだ!!
No.1599
人間の欲望は果てしないが、それこそが原動力。取り除くことはできん。「そんな悩みを抱えた神様に新商品！ 人類の煩悩だけを学習して滅却するAIです」わお。でも、お高いんでしょう？ 「今なら人間の体と魂を分離する技術と物々交換です」悪魔よ、去れ。
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