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マイクロノベル集/かわいい滅亡 014

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お風呂場の排水口にネジがたくさん落ちている。俺はもうあまり長くないかもな。


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カラン。なにかが落ちる音がした。宇宙を絞めていたネジだ。あと46億個あるし、しばらくはもつだろう。でも、落ちたネジはどこに入ったんだ? ちょっと銀河をひっくり返してみるか。


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それでは与えよう。最大の攻撃は反撃されない場所から愛を投げることだ。石、槍、爆弾、ミサイル……我々は新しい武器を考え出した。これを街に投げ入れろ。ほうら、可愛いぬいぐるみだぞ。お店では買えないぞ。お代は取らないぞ。よし、また与えに来るぞ。


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あれ、そろそろ食べたかなあ? 人類のために作ったんだけど。食べた様子がないんだよな。頭が良くなるから、すぐにでも食べてほしいんだけど。海の底に作ったのがよくなかったかな。ちょっと地上に追い出すか。「怪獣です! 海から怪獣が現れました!!」


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いいか、AIはオートマ車みたいなものだ。アクセルを踏んだら走る。「その通り! AI車は交差点を曲がるのも上手い。人間はトロトロ走りやがって邪魔だ」でもF1レースには出られない。「ああっ、峠でブレーキが利かない!」

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