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小説「赤ずきんとオオカミ卿〜おとぎ異世界世直し草紙〜」連載開始

【あらすじ】
大魔法使いである祖母から貰った真っ赤な頭巾を身につけた少女チェルは村のみんなから「赤ずきん」と呼ばれ、可愛がられていたが、本人はそのことをあまり快く思っていなかった。祖母の見舞いに行った帰り道、その地域を治めるヴァーンストル侯爵こと通称「オオカミ卿」の兵士により、殺人犯として捕まえられてしまう。暴力と嗜虐が何よりも好物なオオカミ卿の前で、果たして少女チェルはその話術を用いてピンチを切り抜けることができるのか。しかし、事態は意外な展開を見せ、本人たちも思いもよらないことに巻き込まれてしまう。
これは言葉巧みに操る赤ずきんと、腕力と修羅場の経験値により状況を自分の思う通りにしてきたオオカミ卿との、異世界世直し物語である。

【備考】
・本作はノベルアッププラスのHJピックアップコンテスト応募作品です
・本作はアルファポリスの第15回ファンタジー小説大賞応募作品です
・本作は第2回コミックスピアコミカライズ原作大賞応募作品です
・本作は第一回マンガBANGコミックス×avex pictures WEB小説大賞応募作品です
・本作は第8回オーバーラップWEB小説大賞応募作品です

【作品データ】
文字数:※現在連載中
バージョン:0.9.0
公開日:2022.08.28
更新日:2022.08.28

【リンク】
小説家になろう
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#小説 #長編 #異世界 #ダークファンタジー #おとぎ話 #女主人公 #王族 #貴族 #追放 #成り上がり

【作品冒頭】

 ランタンで照らし出された彼女の伸ばした程良い肉付きの右足の脛に、水仕事など全くしたことのないつるりとした綺麗な白い指先が当てられる。彼女の足には今特注の黒く染めた絹のストッキングが履かれていて、その上をスケートでもしているかのように滑らかに彼の指が降りていく。
「あぁ」
 と、彼女はわざとらしく声を漏らしてやった。その吐息に彼は唇を歪め、更に感度を高めようと左側の指も這わせる。
「指だけでいいの?」
 そう問うてやると彼は「否」と短く呟き、目の前に垂れた金色の前髪を退け、その端正な造形の顔を彼女の足に近づけた。右の脹脛を手で支え、自身の近くへと黒い光沢に包まれた愛らしい足先を持っていく。ぬらり、と唇が開くと、そこから蛇のような舌が這い出た。ちろ、ちろ、と赤く見えたが、それが何の前戯もなく彼女の親指の爪に触れる。絹の上からでも分かる、その気持ち悪さ。

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