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小説「水槽のキリーフィッシュ」

【あらすじ】
近未来。外を出歩く為には銀色のスーツとヘルメットに身を包まないといけない。
そんな中で学生生活を送るイチミヤエリカは委員長のサエキヨウコに特別な思いを寄せていた。
これは着飾ることが失われた息苦しさの中で、それぞれに考え、もがき、望んだ、少女たちの物語。

【備考】
・本作はエブリスタ超・妄想コンテスト「○○解禁」応募作品です。
・コンテスト期間終了後、非公開になる場合があります。

【データ】
文字数:8000字
バージョン:v1.2.0
公開日:2022.11.17
更新日:2022.11.17

【リンク】
エブリスタ
カクヨム
アルファポリス

【作品冒頭】

 スプレー缶が破裂した後みたいな濃淡の雲が空に蓋をしていた。そこを一匹のメタリックな光が飛んでいく。スカイフィッシュと呼ばれている観測用ドローンだ。本当の名前は何度か委員長のサエキさんから聞いたけれど誰もその名で呼んでいるのを耳にしたことはない。
 今はそれがグリーンのライトを灯しているから安全なはずだ。それでも私の前を歩く誰一人として白銀色の防護スーツを脱いだりはしない。頭部はバイクに乗る時のヘルメットみたいにフルフェイスで誰がどんな髪の色でどういう髪型をしていてリボンやゴムは付けているのかとか、全然分からない。体の方も雨合羽みたいに銀色が覆っていて体型どころか男なのか女なのかすら見分けがつかない。
 

小説「水槽のキリーフィッシュ」・1より

#小説 #短編 #SF #百合 #女子高生 #水槽

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