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ひとり広報が少人数の自社プレスイベントを開催してみた

こんにちは。アクセルラボで広報をしている濱口です。社員数65名程度(2023年8月時点)の不動産テックスタートアップで、広報担当は私ひとりという体制です。
今年1月に自社でプレスイベントを開催しました。内容は、メディア向けの業界の勉強会と、自社ショールームの内覧会です。PR代理店には委託をせず、全て自社で完結するプレスイベントとなりました。ひとり広報でリソースや実現可能なことが限られている中で、最大限の効果を発揮するために必要なこと、そして実際にやってみての掲載数や学びなどを書いていきます。これから自社でプレスイベントを開催する広報さんのお役に立てられれば幸いです。

■メディア向け勉強会を開催した背景

背景として最も大きいのは自社のショールームの移転です。

アクセルラボの主力事業はスマートホームサービスの提供です。スマートホームとは、家庭内の電化製品などをネットワークでつないで管理やコントロールをする家のことを指します。CMで「アレクサ、エアコンつけて!」と見たことがある方はそれをイメージして欲しいのですが、ざっくりいうとあれがスマートホームです。

事業の特性上、やはり実際に動きを見せることができるショールームが必要になるのですが、1月に「ショールームが移転する」という自社にとってのビッグイベントがありました。せっかくなので、メディアの方に新しいショールームをお見せしようとなりました。

さらに今回は、ショールーム内覧会に加えメディア向け勉強会も実施。
スマートホーム業界は2022年秋から変革を迎えようとしていました。AmazonやGoogle、Appleなどの世界的テック企業が手を組んで、スマートホームの通信規格を統一を進めています(この通信規格のことをMatterと言います)今業界で何が起きているのか、メディアの方に知っていただく機会にしたいと思いました。

メディア向け勉強会を開催する目的

今回の業界の勉強会&ショールーム内覧会を開くことによってどのような状態になりたいのか、目的は以下でした

・スマートホーム業界の第一人者として想起される状態を作ること
・イベントをきっかけに新たなメディアさんとのコネクションを作ること

先ほども述べましたがスマートホーム業界でのここ数ヶ月の大きなトレンドは、世界共通規格の「Matter(マター)」。技術的な話になるのでここでは詳しく触れませんが、「Matter」に関する記事がまだネット上にそこまで多くなく、国内で目立った企業もいなかったため、”スマートホームの最新事情に詳しい会社”という認知を取ることは今後の会社が認知を獲得する大きなチャンスにつながると考えました。今回の勉強会が記事になることにより、今後検索した人の多くがアクセルラボの記事に辿り着くだろうという狙いです。
また、勉強会の誘致を通して、新たな記者さんとの繋がりを作るきっかけにしたいとも思っていました。

■大まかな流れ

超ざっくりいうとこのような流れで開催しました。

プレスイベントを企画する
→社内で許可をもらう
→メディア向けの案内状を作る
→来ていただきたいメディアのリストを作る
→メディアに案内を送付する
→会場の準備をする
→当日を迎える
→メディアの方へのアフターフォロー
→パブリシティを確認する

■メディア誘致方法

メディア向けの案内状を作成後は、さまざまな方法でメディアの方を誘致しました。開催の2週間前ほどからPR TIMESに掲載したり、各メディアにPRメールを送付しました。具体的には以下の方法です。

・PR TIMESでのメディア限定公開
・オンライン記者クラブPRONEのメディア限定公開
・過去にスマートホーム関連記事の掲載をしていたメディアのお問い合わせフォームにメール送付
・元々繋がりのある記者さんに個別でメール

PRTIMESは、あまり知られていませんが実はメディアの方だけに公開が可能です。アクセス数は数千PVくらいありました。
今回の参加経由は、ほとんどが過去に取材経験のある記者さんでした。あとは、メディアのお問い合わせフォームやプレスリリース受付メールアドレスに送った案内を見つけてもらい、申し込んでくださったのが2社いました。

■いざ当日!

自社の会議室で10名程度のメディア関係者の方々に来ていただき、勉強会を開催しました。CTOが登壇し、業界の最新情報をお伝えしました。

社内で一番広い(といっても入るのは12名ぐらい)の会議室

そのあとはショールーム案内です。マーケの責任者(上司)にショールームをご案内いただきました。実際に体験いただくことで伝わることも多かったと思います。

■誘致できたメディアの数と記事になった数

結果的に、8つのメディアさんに参加してもらいました。大変ありがたいことに、どの媒体でも記事化いただきました。

記事になったのは以下の媒体です。参加メディアより掲載数の方が上回った理由は後述します。

■タスク管理方法について

頭の中に散乱しているタスクを大まかにグループ分けしてWBS( Work Breakdown Structure )に落とし込みました。Googleスプレッドシートの無料アドオン機能である「Projectsheet planning」を活用しました。非常に見やすくて便利です!

進捗具合まで可視化できる

■参考にした書籍や動画

このイベント開催する半年前に他社さん主催で合同記者発表会を開催したことがあったため、その時の流れを思い出しつつ、ほぼノウハウはない状態だったので色々な書籍や動画を参考にしました。


こちらで紹介されている企業さんも、会見の規模感は違いましたが、リアルな様子がとても参考になりました!


■アフターフォローについて

プレスイベント実施後、メールでお礼

まずは来ていただいたメディアの皆さまにお礼のメールを送りました。併せてお送りしたデータは下記です。

  • 会社公式のオフィスの写真やロゴ素材

  • 投影したスライド

  • CTOの宣材写真

  • 録音データ(勉強会中、机にレコーダーを置いてました)

重要!都合で参加できなかった記者にもデータを送る

当日は、他社の記者会見への参加のため都合がつかなかった記者さんもいました。しかし、だからといって諦めてはいけません。上記に記載したデータをお送りした結果、資料や音声を元に記事化してくれる記者さんもいらっしゃいました。(参加メディアの数より掲載数が多くなった要因はこれです)

数人に電話で感想をヒアリング

全員はできませんでしたが、後日「プレスイベントどうでした?よかった部分と、もし今後の改善した方がいい部分もあれば教えていただけませんか?」とお電話しました。当日はバタバタであまり話す機会もないので、後日のほうがいいですね。

さらに、今回のイベントがきっかけで知り合ったWEBメディアの記者さんから寄稿の依頼もいただくことができました。ここは想定外でした。

■やってみて思ったこと 

メディアの方の生の声を聞くことができてよかった

メディアの方が疑問点に感じることを直接聞くことができたのでよかったです。メディアの方は読者のことを考えて執筆されているので、「メディアの方が気になる=読者(世間一般)が気になること」だとすると、こういう部分は世間一般には難易度が高いんだな、と把握できたのは収穫でした。

私たち企業側は最先端の情報をメディアの方に伝え、そこに対して記者さんが記事を書いてくれたり、読者視点に立ってのフィードバックをいただく。「パブリックコミュニケーションズ」ってこういうことなのかも、と思いました。業界の第一人者になるためには、自社がなりふり構わず突っ走るのではなく、世の中の理解がしっかりと追いついているか擦り合わせながら業界を牽引するのが理想的な広報体制ですね。

■これから自社で小規模プレスイベントを開催したい方に伝えたいこと

ひとり広報でもできる!でも無理はしないで。

芸能人にキャスティングして大きな会場を借りるのが記者会見ではなく、自社のオフィスで、関心を持ってくれる記者さんのみを集めるというプレスイベントはひとり広報でもできることが分かりました。何より、会場などの費用がかからないというのはスタートアップにとっても嬉しいはずです。
ただ、サービスによっては大規模に認知を取りに行きたい場合もあると思うので、PR代理店に依頼したり、経験のあるフリーランスの方にサポートをお願いしたり、すべてを一人でやろうとしないことが大切だと思います。

このプレスイベントを通して、新しい記者さんとの繋がりができました。今後も定期的にコミュニケーションをとり、いい関係性を築いていきたいと思っています。

今回自社でプレスイベントを企画し、開催したことはとてもいい経験になりました。ちょっとでも役に立ったら、いいねやコメント、SNSでシェアいただけると嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました🌿✨


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