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長月龍誠|小説
2023年12月15日 16:15
《約4400文字/目安10分》 今日はクリスマスだ。定番の歌、笑顔、どこからか聞こえる鈴の音、にぎやかな街を背に、俺は憂鬱な気分だった。俺は街の雑踏から逃げるように空港へと向かった。 12月25日、今日は美咲が東京に来る。 美咲と付き合い始めてから、今日でちょうど4年か。高二のときのクリスマスは、たしか雪が降っていたような気がする。その日の学校の帰り道、俺は美咲に告白した。あのときの嬉
2023年4月2日 12:53
《約800文字/目安3分》 私はゴミだ。 ポテトチップスが入っていた袋、塩気が残っている袋。 いま私は、アスファルトの上に転がっている。アスファルトの冷たさと小石が体に刺さって、とても痛い。 私は目を閉じた。 そのとき風が吹いた。強い風だ。 ぶわっと吹いた風は、私を宙に浮かせて、一回転させた。 私は驚いて目を開けると、目の前には大きな空があった。 そして、遠くには苦