ピンク色が好きじゃなかった。 「男の子みたい」な自分が好きだった小さなわたしは、ピンク色を身に着けることにどうしても抵抗があった。ピンクは女の子の色だと思っていたから。ピンク色のポロシャツは、今になって写真を見返せばよく似合っていてかわいいと思うが、当時のわたしは似合わないと思い込んでいて、できれば着たくない洋服だった(ような気がする)。まだ身長が1mあるかないかぐらいの頃の話だ。 一方の姉は、ピンク色が好きだった。 好きな色を聞くとまっさきにピンクをあげる姉を、わたしは理
1歳になった姪っ子のちーちゃんが京都から福岡の我が家へやってくる。 生まれた時は姉ちゃんにそっくりだな、と思ったけれど、実は旦那さん似だったことが最近わかった。旦那さん曰く、旦那さんの母方のおばあちゃんに似ているらしい。 でも、そのデコの広さと怒られるとニヤニヤするところ、不思議な前髪の生え際はどう見ても姉ちゃんに似ている。いや、生え際は私たちの父親からの遺伝なので、おじいちゃん似か。 髪質は天然パーマでぱやぱやしている。これは旦那さんの弟さん似。臆病で人見知りなところは私
高校卒業以来、毎年一緒に国内旅行をする友人がいる。友達2年目の夏、わたしと彼女は大阪に行くことにした。彼女はわたしに「飛行機で行ってみたい」と遠慮がちに言った。福岡から大阪。よほど急いでなければ間違いなく新幹線で行く距離である。どうして、と尋ねると彼女は飛行機に乗ったことがないから、と答えた。そういえば彼女は乗り物が好きだったなと思い出し、わたしたちは飛行機で大阪に行くことにした。 旅行初日、待ち合わせ場所に行くと彼女はにこにこしながら空港内の椅子に座っていた。手荷物検査
遅ればせながら、映画『ボヘミアン・ラプソディ』を見に行ったので、感想を書く。音楽も映画も特別に好き、というわけではないので、深いことは書けないが、新感覚の感動だったので、記録として書いておく。 わたしは大変に涙もろいので、それほど映画館に映画を見に行くことはないのだが、『ボヘミアン・ラプソディ』は、Queenのファンである母の熱心な誘いで見に行くことになった(こんな書き方をしているが、わたしもQueenは好きだ)。 事前にTwitterで感想を流し読みし、どうやら泣けるらし
今年の夏、祖母は髪を染めるのをやめた。 わたしの祖母は30年以上毎月、髪を染めに美容院へ通っていた。色は緑がかったような黒で、いつもつやつやと輝いていた。わたしは祖母の似顔絵を描くときにはいつも深緑の色鉛筆で髪を塗った。小さい頃はどこに行っても「きれいなおばあちゃんね」と言われたので、自慢の祖母だった。 しかし、80歳を超えたあたりから、髪が細くなったのか色が抜けやすくなり、染めた端から赤くなっていくようなありさまだった。祖母はわたしとは対照的に、とてもおしゃれに気を遣
今年も残すところ2か月となったので、個人的に今年いちばん面白いと思った漫画の感想を書く。感想文を書くなど中学校の課題以来でどきどきしている。わりとがっつりネタバレしているので、ご注意ください。 ヤマシタトモコ著『違国日記』は、子犬のような中学生(後に高校生になる)の姪・朝が、両親の死をきっかけに不器用な小説家の叔母・槙生との同居するところから話が始まる(ちなみにわたしはコミックス2巻に収録されている回までしか読んでいない)。 言葉選びや空気感など、好きなところは数多
先日、小さい頃から着せ替えが好きだということを初めて家族に打ち明けた。 打ち明けた、というのは少々大げさな表現だが、会話の流れで「実は着せ替えがずっと好きなんだよね」と言った時にちょっと緊張していたのは間違いない。 なぜこんなに緊張したのかというと、幼少期からわたしはそういったいわゆる「女の子らしい」ものとは無縁だったからだ。日曜日の朝は魔法少女ではなくレンジャーを見ていたし、スカートを履くのを嫌がって5歳から中学校入学時までズボンで通した。おままごとよりも虫取りの方
1週間前にこの企画を見つけて、書こうか書くまいか悩んでいるうちに8月31日の夜になってしまったので、やっぱり書くことにした。 今年の夏は忙しい夏だ。実習と課題に追われて夏休みに入って1か月経つというのに全てがひと段落したのは今日の夕方だった。幸い夏休みは9月末まであるので、今日から夏休みだ!という気分だ(ちなみに夕飯とともに普段は飲まないビールを飲んだ。半月前から決めていたので)。 忙しかったとはいえ、なかなか充実していたと思う。実習の時に外で作業しているとアイスの差