Yoshiki NAGATANI

長谷芳樹の個人記事です。「音」に関する研究者/エンジニアなどを細々とやってます。音は一…

Yoshiki NAGATANI

長谷芳樹の個人記事です。「音」に関する研究者/エンジニアなどを細々とやってます。音は一応専門ですが、写真は完全に趣味です。(記事には所属する組織とは一切無関係のもののみを書きます。) https://researchmap.jp/nagatani/

最近の記事

低画素機は高感度特性が良いというのは本当か?(手持ちの機材で手抜き検証)

デジタルカメラに搭載されているセンサーのサイズが様々であるのは周知の通りであるが、概ね、 センサーサイズは大きい方が良い 画素数は多い方が解像度は高いが、少ない方が高感度の特性は良い 基本的に新しい製品ほどノイズは少ない とされている(ことが多い気がする)。このうち、1. のセンサーサイズについては、大きいほど良いというわけではなく犠牲になっている部分もあるから適材適所だよね、という話は既に書いた。  このたび、何故か古めのフルサイズ機が4台ほど手元に揃っていること

    • 365日間、写真をアップし続けてみた。

       2022年の1月1日から12月31日までの365日間、毎日その日付の日に撮影した写真をアップし続けるという苦行(?)をおこなった。このたびなんとか一年間完走することができたので、各月のまとめと、撮影年や機材の集計、その他企画を通して気付いたことなどを記しておく。大変ではあったがとても良い機会になったので、ぜひ読者のみなさんにも過去の写真を掘り返してご覧になることをオススメしたいと思った。  まず最初に、その365枚の写真を、やけくそコラージュ画像にして載せておく。これら一

      • ChatGPT と “対話” してみた

        話題の ChatGPT にいくつかの質問をしてみた結果、とても興味深い “対話” となったので、ここに記録として残しておく。中にはそのまま資料として配付しても良いと思えるようなものもあり、少なくとも数年前であれば到底 AI との会話であるとは信じられなかっただろう。 Q1. AIが書いた文章と人が書いた文章を区別することはできますかまずは非常にベタな質問をしてみたのだが、思った以上に話が拡がった。 (以下、「Q.」が入力文、「A.」が ChatGPT からの回答である。全

        • 各Web会議システムのノイズ除去性能・傾向の比較

           ここ1年間ほどで主要なWeb会議システムにノイズ除去機能が次々と追加されたのでその性能をテストしてみた。結果、傾向の差はあるものの、いずれも充分に実用的なものであり、各社の努力が伺える。他方、条件によっては必要な音声まで除去されてしまう場合もあり、注意が必要である。 比較方法 比較に使用したのは Zoom, Teams, Webex, Meet の4つで、全て執筆時点(2022年9月11日)での最新版を利用した。 利用したバージョンと設定(動画内で紹介している順番):

        低画素機は高感度特性が良いというのは本当か?(手持ちの機材で手抜き検証)

          海外でPCR陽性になった場合のシミュレーション

          【重要】2022年9月7日から水際措置が変更されました。有効なワクチン接種証明書がある場合には出国前検査が不要になっているなど、この記事の記載とは異なる運用に変わっています。詳細は厚生労働省のサイトなどを各自ご確認ください。なお、この記事は、記録としてこのまま残します。 2022年夏現在、海外出張や国際会議への参加などの頻度が少しずつ戻りつつあるようだ。しかしながら、渡航~現地での滞在までは以前の通りに近いものの、特に帰国のためには「PCR陰性」が必須であって、以前の通りに

          海外でPCR陽性になった場合のシミュレーション

          ミラーレス + レフレックス の相性の良さ 【α7 + TAMRON SP 500mm F/8 (55BB)】

           レフレックスレンズは、ミラーレンズとも呼ばれ、小型・軽量な望遠レンズに使われる方式です。これは、ガラスの屈折のみで光を導くレンズではなく、鏡の反射を使った構造になっており、いわゆる「反射望遠鏡(の中の一部のもの)」と同じような構造をしています。この構造のため、この記事のヘッダ画像のように、ボケた部分が中空の(円周状の)“リングボケ” とよばれる独特の形状になります。この方式のレンズは、昔は Nikon や MINOLTA、PENTAX など、各社から供給されていましたが、2

          ミラーレス + レフレックス の相性の良さ 【α7 + TAMRON SP 500mm F/8 (55BB)】

          40mmもいいが、50mmに戻るとしよう(HELIAR classic 50mm F1.5 簡易レビュー付き)

           ここのところ、40mm レンズが人気のようである。  かくいう筆者も、以前は 50mm ばかり使っていたが、最近は何本か 40mm にも手を出してトライしてきた。そして、結果として HELIAR classic 50mm F1.5 に辿り着いた。この記事では、長く使った 50mm レンズと新参者の 40mm レンズとの対比、そして、“新しいオールドレンズ” とも言える HELIAR classic について、拙い作例を示しながら少々思うところを書いてみたい。 40mmとい

          40mmもいいが、50mmに戻るとしよう(HELIAR classic 50mm F1.5 簡易レビュー付き)

          21世紀に短波放送が必要になるとは思わなかった

          短波放送をご存じだろうか。英語でもそのまま shortwave radio といい、SW などと略される。短波放送は、雑に説明すると、普通のFM放送とAM放送の間にあたる 3 MHz から 30 MHz くらいの周波数帯域の電波を使った放送で、電波が届く距離が非常に長い(エリアが極めて広い)という特徴がある。AM放送と同じ振幅変調なのでノイズには非常に弱いものの、世界の各国の放送局の放送を聞くことができる。 例えば NHK は、下記のように 6 MHz から 21 MHz

          21世紀に短波放送が必要になるとは思わなかった

          電子/電気系の新入生のための関数電卓入門

          前職(高専の電子工学科)で1年生の講義のために作成して公開していた関数電卓入門の資料があるのですが、今でもたまに閲覧されているようですので note に移設しておきます。関数電卓の楽しさと便利さを知って頂ければ嬉しく思います。 【 元の資料:電子工学科1年生のための関数電卓の使い方(長谷芳樹) 】 (この note の記事自体も元の記事と同じく CC BY-SA 4.0 (クレジット表示をおこない、かつ、同じライセンス形態を継承する限り、再配布や改変も自由)での公開です。)

          電子/電気系の新入生のための関数電卓入門

          実焦点距離100mm対決 ~フルサイズからコンデジまでのトリミング性能を比べる~

           よくご存じの通り、写真に写る範囲は、基本的にはレンズの物理的な焦点距離とセンサー(フィルム)のサイズで決まる。すなわち、同じセンサーなら焦点距離が長い方が写る範囲は狭くなるし、同じ焦点距離ならセンサーが小さいほど写る範囲が狭くなる。「フルサイズ換算50mm」みたいなのは、36mm×24mmのセンサーの場合の画角に単純に換算した数値である。しかしながら、「フルサイズ換算」あるいは「35mm換算」という言葉が事実上標準になっているからといって、全ての点でフルサイズが理想的で、そ

          実焦点距離100mm対決 ~フルサイズからコンデジまでのトリミング性能を比べる~

          Web会議で発言者の声の大きさを揃える方法 - 無料ソフトだけでコンプレッサーを掛けて疲れない会議環境を手に入れよう(Windows編)

           世の中には声の大きな人と小さな人がいる。それは個性であり、“矯正” するようなものではない。それに、対面で話す場合であれば、その人に近づいたり、周りが静かにしたり、あるいは耳を澄ませばそれで済む場合がほとんどだろう。しかしながら、マイク越しに集音された音を聞くことになるWeb会議となると、小さな声の人の発言は周囲のノイズにまみれて聞こえにくくなってしまうことが多い。あるいは、声は小さくなくても、マイクのボリューム設定が下がってしまっている人や、マイクから遠く離れたところで話

          Web会議で発言者の声の大きさを揃える方法 - 無料ソフトだけでコンプレッサーを掛けて疲れない会議環境を手に入れよう(Windows編)

          「適切な声量で話すためにダイレクトモニター機能を使おう」- Web会議の“音”の基礎知識とマイクの選び方 (3) ヘッドホンを使って会議に出る場合

           Web会議のためのマイク選び、3回シリーズの最終回である。1回目は、自室などから一人で会議に出席する場合のマイク選びについて紹介した。2回目は、同じ部屋から複数名で会議に出席する場合のスピーカーフォンの選び方と使い方について紹介した。最終回の今回は、周囲に人がいるオフィス等からWeb会議に出席する場合のように、ヘッドホンを使わなければならないケースについてである。このようなケースで、どのような機能を持った装置を使えば、会議も快適で、かつ、周辺の環境を極力悪化させずに済むのか

          「適切な声量で話すためにダイレクトモニター機能を使おう」- Web会議の“音”の基礎知識とマイクの選び方 (3) ヘッドホンを使って会議に出る場合

          「スピーカーフォンはエコーキャンセリング性能で選ぶ」- Web会議の“音”の基礎知識とマイクの選び方 (2) 同じ部屋から複数名で会議に出る場合

           Web会議のためのマイク選び、3回シリーズの2回目である。1回目は、自室などから一人で会議に出席する場合のマイク選びについて紹介した。2回目の今回は、気をつけないと容易に品質が低下しがちな、同じ部屋から複数名で会議に出席する場合についてである。実は、現代の音響機器の技術では、複数名の音をクリアに拾いつつリモート先の出席者との円滑な議論をおこなえる環境をつくるというのは、それなりにチャレンジングな要求である。このあたりの知見について、技術的な原理原則を解説しつつ、現実的なソリ

          「スピーカーフォンはエコーキャンセリング性能で選ぶ」- Web会議の“音”の基礎知識とマイクの選び方 (2) 同じ部屋から複数名で会議に出る場合

          「Web会議にコンデンサーマイクは要らない」- Web会議の“音”の基礎知識とマイクの選び方 (1) ヘッドホンを使わず一人で会議に出る場合

           Web会議が主流になって随分経つが、その音環境についての基礎的な知識やマイクロホン選びについての知見が未だに体系的に蓄積されていないように見える。高額の投資をしなくても、ちょっとしたポイントに気をつけるだけでWeb会議をもっと快適に出来るのに、とずっととても残念に思ってきた。また、ブログやショップの記事などでは「Web会議のためにコンデンサーマイクを用意しましょう」といった誤った(と敢えて断言するが)情報も散見される。メーカーもその風潮に乗っかって、Web会議に使用するには

          「Web会議にコンデンサーマイクは要らない」- Web会議の“音”の基礎知識とマイクの選び方 (1) ヘッドホンを使わず一人で会議に出る場合

          過去の同じ日に撮った写真を探すという作業

          過去の同じ日付の日に撮った写真を毎日一枚ずつアップロードする試みを年始から初めた。これで2週間になる。 これが元日の投稿。こんな感じで毎日一枚ずつ載せている。なかなか楽しいものである。 この企画を思い付いたのは、みなさんも薄々気付いておられるであろう通りで、クラウドに写真をアップロードしておくと「この日の思い出」のように勝手にその日の写真を見せてくれる機能があったからである。自分の場合は Amazon のクラウドサービスに過去の(ほぼ)全ての写真が上がっており、10数年分

          過去の同じ日に撮った写真を探すという作業

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          音響工学や超音波、聴覚などの分野に携わっているのですが、仕事とは直接は関係ないけどちょっとした便利な技術的なTipsやらあまり知られていないような気がするけれど有益だと思う情報やら是非とも気にしておいて欲しい事項やら、色々細々と書きたいことはあったのです。でも、Twitterでは文字数が足りないし(Replyでぶら下げてもほとんどの人は読んでくれないし)、Facebookは見た瞬間にいいねだけして実は中身は読んでない人が多いし、といっても動画を撮影&編集してYoutubeに上

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