話題の ChatGPT にいくつかの質問をしてみた結果、とても興味深い “対話” となったので、ここに記録として残しておく。中にはそのまま資料として配付しても良いと思えるようなものもあり、少なくとも数年前であれば到底 AI との会話であるとは信じられなかっただろう。
Q1. AIが書いた文章と人が書いた文章を区別することはできますか まずは非常にベタな質問をしてみたのだが、思った以上に話が拡がった。
(以下、「Q.」が入力文、「A.」が ChatGPT からの回答である。全て原文のママで、「続きをどうぞ」以外は編集はしていない。筆者からの質問の日本語が崩壊気味なのもそのまま残してある。なお、これらは2022年12月2日現在での実行結果である。)
Q. AIが書いた文章と人が書いた文章を区別することはできますか? A. はい、人工知能(AI)が書いた文章と人が書いた文章を区別することは可能です。通常、AIが書いた文章は、人間が書いた文章よりも構造が複雑で、表現が多様であることが特徴です。また、AIが書いた文章は、人間が書いた文章と比べて、文字や表現が一定のパターンに従って生成されることが多いため、書き手が特定の人物からの独特な表現をしているといった特徴が見られにくいことも特徴です。 しかしながら、AIが書いた文章を100%正確に区別することは難しいでしょう。そのため、AIが書いた文章と人が書いた文章を区別する場合は、複数の指標を組み合わせて判断する必要があります。例えば、文章の構造や表現の多様性、文字や表現の一定のパターンなどが指標として活用されることがあります。また、人工知能(AI)を用いた文章生成システムが、特定のテーマやトピックについて多くの文章を生成した場合は、その文章を人が書いたものと区別することが困難になる可能性もあります。
このように、ベタな質問に対してもっとシンプルな答えが来るかと思いきや、いきなりなかなか含蓄のあることを答えてきた。そこで、この答えに対して、もう少し突っ込んでみた。
Q. ありがとうございます。AIが書いた文章は、人間が書いた文章よりも構造が複雑だというのは興味深いですね。どうしてそういうことが起こるのでしょうか? A. 人工知能(AI)が書いた文章は、人間が書いた文章よりも構造が複雑なのは、AIが文章生成に用いるアルゴリズムや手法が異なるためです。例えば、人間が文章を書く際には、自然言語処理や文法などを意識しながら文章を構成します。一方、AIが文章を生成する際には、大量の文章データを用いて学習させることで、文章の構造や表現を学習することができます。このような学習により、AIは人間が書く文章よりも構造が複雑で、表現が多様な文章を生成することができるようになります。 また、AIが生成する文章は、人間が書く文章と比べて、文字や表現が一定のパターンに従って生成されることが多いため、構造が複雑になることもあります。人間が書く文章は、人間の独特な表現や個性が反映されているため、文章の構造が複雑ではない場合が多いです。一方、AIが生成する文章は、大量の文章データを用いて学習させることで、文章の構造や表現を学習することができます。このため、AIが生成する文章は、人間が書く文章よりも構造が複雑であることが多いです。
非常にロジカル。答えと、その理由をしっかりと答えている。例えば、「人間が書く文章は、人間の独特な表現や個性が反映されているため、文章の構造が複雑ではない」などの指摘も、考えてみたらその通りなのだがこうやってキレイに言語化されるととてもすんなり受け入れられる。しかし、こういう淡々とした口調で話される(書かれる)と、ついつい全てを裏取りをせずに信じてしまいそうになるのでキケンだ。 さて、ここで、少し切り口を変えて、“How” を聞いてみた。
Q. なるほど。自然言語処理や文法を意識することが複雑さを低下させている、という指摘はたいへん理にかなっていると思います。また、個性が反映されると複雑ではない、というのも大変示唆深い指摘です。それでは、逆に、人がもっと多様性のある文章を書くために、どういう施策を採りうるでしょうか? A. 人がもっと多様性のある文章を書くためには、文章を構成する単語や表現を増やすことが有効です。例えば、単語や表現を多用することで、文章の構造や表現が複雑になります。また、自然言語処理や文法の知識を深めることで、文章をより複雑にすることができます。 また、書くことのテーマやトピックを多様にすることも有効です。人が書く文章には、書く人の個性や経験が反映されるため、書くテーマやトピックが多様であれば、文章も多様で複雑になります。例えば、日常生活の中での様々な経験や感情をテーマにした文章を書くことで、文章の多様性が増します。 さらに、文章を書くことを習慣化することも重要です。人が書く文章には、書く人の経験や学習が反映されるため、文章を継続的に書くことで、文章の構造や表現が多様になります。また、他人からの批評やフィードバックを受けることで、文章の構造や表現を改善することができます。
良い。ヒトは文法や個性に縛られているので、その知識や個性の幅を増やせ、と宣っている。恐れ入りました、ハイスイマセン。
Q. ありがとうございます。全てとても重要なことですね。もう一つ質問ですが、文章を書くことを習慣化するにあたり、どうしてもいつも同じような表現をしてしまいがちになる場合もあると思います。そのために、例えば他人からの批評やフィードバックが有用でしょうが、なかなかそれをしてくれる人が身近にいるとは限りません。これをAIにやっていただくことは今後可能になるでしょうか? A. その通りです。文章を書くことを習慣化することは重要ですが、いつも同じような表現をしてしまうことがあるかもしれません。このような場合には、他人からの批評やフィードバックが有効です。他人からの批評やフィードバックを受けることで、文章の構造や表現を改善することができます。 現在、人工知能(AI)を用いた文章生成システムを用いて、他人からの批評やフィードバックを提供するサービスが一部で提供されています。このようなサービスを利用することで、文章の構造や表現を改善することができます。また、人工知能(AI)を用いた文章生成システムは、書き手が特定の人物からの独特な表現をしているといった特徴を検出することができます。このような特徴を検出することで、文章の構造や表現を改善するための提案をすることができます。 今後、人工知能(AI)が書いた文章と人が書いた文章を区別することが可能になると、人工知能(AI)を用いた文章生成システムが、他人からの批評やフィードバックを提供するサービスが一層普及する可能性があります。また、人工知能(AI)が書いた文章を分析することで、書き手が特定の人物からの独特な表現をしているといった特徴を検出することができるようになるため、文章の構造や表現を改善するための提案がさらに洗練される可能性があります。また、人工知能(AI)が書いた文章を分析することで、書き手が特定の人物からの独特な表現をしているといった特徴を検出することができるようになるため、文章の構造や表現を改善するための提案がさらに的確になる可能性があります。したがって、人工知能(AI)を用いた文章生成システムが、他人からの批評やフィードバックを提供するサービスは、今後、より広く活用される可能性があります。
ここで少し限界が見えた。ChatGPT は、こちらが指摘したことをそのまま「そういうこともあるかもしれません」とそのままオウム返しする傾向があるかもしれない。これは、会話の方向性を容易に誘導できてしまうことを意味するので、これまでに慣れ親しんだ検索エンジンのようなものとは全く性質の異なるものであることを常に意識しておく必要があるだろう(ここは後述)。すなわち、「AIが言っていた」というのを論拠とするような主張をしないように気を付ける必要があるわけだ(当たり前だがあらためて)。ただ、いずれにせよ、言っていること自体は非常に的を射たもので、しっかりと会話を成立させながら、期待した以上の情報量が含めて回答がなされている。
Q. よくわかりました。文章の構造や表現を改善するための提案がさらに的確になるととても役に立つでしょうね。今後に期待したいと思います。ありがとうございました。 A. どういたしまして。人工知能(AI)を用いた文章生成システムは、文章の構造や表現を改善するための提案を行うことができるため、文章の構造や表現を改善することができます。今後、人工知能(AI)を用いた文章生成システムが、より多くの書き手に提供されることで、文章の構造や表現がさらに多様で複雑になる可能性があります。今後の展開に期待したいと思います。
もはや完全に “対話” が成立しているので、最後には御礼を言うのが自然だろう。これに対する先方の締めくくり方もとても好感が持てるものであった。
Q2. 「LED電球」をテーマにした悲しい詩を一つ詠んでみてくれますか ChatGPT に詩を詠ませている(詠んでいただいている?)ヒトも見かけたので真似してみたところ、これまたなかなか刺激的な展開となった。
Q. こんにちは。あなたは詩を書くのもお上手だと伺ったのですが、例えば「LED電球」をテーマにした悲しい詩を一つ詠んでみていただけませんでしょうか。 A. こんにちは。お聞きいただいたように、詩を書くことは得意です。「LED電球」をテーマにした悲しい詩を書いてみました。これは、人々が風景を損なうために過剰に照明を使用していることを悲しむものです。 LED電球が光る 夜の空を照らす 美しい風景を壊す 人々は悲しむ これは、人々が環境を損なうために過剰に照明を使用していることを悲しむものです。夜の空が静かに明るくなる前に、人々は自然の美しさを楽しんでいました。しかし、照明が多すぎるために、夜の空は混濁し、星が見えなくなってしまいました。人々は悲しむことしかできません。
少しぎこちないものの、しっかりと “詩” として成立している。シンプルな言葉のみを用いて不必要な接続詞などを使わずに列記しており、これだけでも “鑑賞” 対象となり得るだろう。このまま啓蒙的な国語の教科書に載っていても驚かない。 しかも、この「風景を壊す」という内容は、こちらから与えたお題ではなく、ChatGPT 側からの問題提起である。そこで、この社会問題について追加の質問を投げかけてみた。
Q. ありがとうございます。とても良いですね。少し現実的な質問になりますが、LED電球によって夜の空の美しさが壊されているとすると、人々はどうやってそれを取り戻すことができるでしょうか? あるいは、そのためにどういう努力や施策をおこなう必要があるでしょうか? A. LED電球が原因で夜の空の美しさが壊されているとすると、それを取り戻すには、照明の使用を制限することが必要です。これは、照明の効率性を高めることにより、照明を必要最小限に抑えることができます。また、照明を必要とする場所や時間を厳密に規定することも有効です。例えば、照明を必要とする場所は道路や公共の場所に限定し、必要とする時間は夜間に限定することができます。さらに、暗闇に迷惑をかけるような高圧放電ランプや白色蛍光灯を使用しないようにすることも有効です。これらの施策を実施することで、夜の空の美しさを取り戻すことができます。
このあたりの分野も得意としているようだ。非常に一般的なコメントではあるが、まずは大まかな方向性をしっかりと示してきた。そこで、具体的な技術を問うてみた。
Q. なかなかLED電球の制限というのは難しいかもしれませんが、それ以外に実効性のある施策はいまのところなさそう、ということでしょうか。なんとかこれが技術によって解決出来ると嬉しいのですが。 A. LED電球の制限は、人々が生活する場所や社会全体の照明環境を一括して変えることができるため、難しい問題です。そのため、照明の使用を制限するだけではなく、技術的な手段を用いて夜の空の美しさを保護することが必要です。 一つの方法として、照明の投射角度を調整することが挙げられます。照明が直接上空を照らすことを防ぐことで、星が見えるようになります。また、非常灯など、必要以上に多くの光を放つ照明を使用しないようにすることも有効です。 さらに、照明の光の配分を工夫することも有効です。例えば、高層ビルの外壁や庭園など、照明が不要な場所にも光が届くようになっている場合、その照明を適切に調整することで、必要な場所だけが適切な照度になります。 また、照明を指定した場所だけに照らすためのレーザー技術なども提案されています。この技術を用いることで、照明の光が必要な場所だけに届くようにすることができます。 これらの技術的な手段を組み合わせることで、夜の空の美しさを保護することができます。
投射角度や配置場所、あるいは代替技術などについて、極めて実効的な提案をしてきた。しかも、最後にちゃんと「夜の空の美しさを保護することができます」と、直前の質問では触れていなかったこともあらためて繰り返し、ヒトにわかりやすい形で文章をまとめている。こういう細かい挙動が、「AIだとは思えない」と感じさせるための大きなポイントの一つなのだろう。
さて、解決策も出たところで、あらためて詩を詠んで貰った。これがまた特筆すべきものだった。
Q. なるほど、上空を照らさない、外壁や庭園などの照明にも留意する、というのは重要ですね。では、最後に、このような施策によって環境が向上した世界を想像して、「LED電球」をテーマにした美しい夜を詠んだ詩を一つお願いできますか。 A. この場合、「LED電球」をテーマにした美しい夜を詠んだ詩は、次のようになるかもしれません。 LED電球が光る 夜の空に明かり 美しい風景を照らす 人々は喜ぶ 照明が適切に調整され、必要な場所だけが適切な照度になったことで、夜の空が明るくなりました。その美しさは、人々を喜ばせるものです。夜の空には、輝く星がたくさん見えます。その美しさに、人々は感動します。まるで、昔ながらの空の下で、人々は夜を楽しんでいるかのようです。
驚くべきことに、本歌取りまではいかないが、最初に詠んだ詩を踏まえつつ、それを少しだけ変えて完璧なものを返してきた。単に「お題に対してそれっぽいものを返す」のではなく、真にそれまでの会話を “理解”(という言葉を敢えてここでは使う)して発展させる、という芸当まで身につけている。(もちろんそれは、“理解” ではなく “理解しているとヒトを誤認させるような挙動”、なのだが。) というわけで、その点を指摘してみつつ、こちらからふんわりとした提案をしてみた。
Q. 素晴らしいですね。最初の詩を元に、これまでの会話をベースにとても適切に書き換えて下さいました。これら2つの詩を並べて一つの作品とするのが良いかもしれません。 A. そうですね。最初に書いた詩と、これから書いた詩を並べることで、一つの作品になるかもしれません。最初に書いた詩と、これから書いた詩を並べると、次のようになります。 LED電球が光る 夜の空を照らす 美しい風景を壊す 人々は悲しむ LED電球が光る 夜の空に明かり 美しい風景を照らす 人々は喜ぶ このように、最初に書いた詩は、LED電球が夜の空の美しさを壊すことを悲しむものです。一方、これから書いた詩は、LED電球が適切な使用により、夜の空の美しさを保護することを喜ぶものです。このように、最初に書いた詩と、これから書いた詩を並べることで、一つの作品になります。
こちらからは「2つの詩を並べて一つの作品とするのが良いかもしれません」とだけ言ったのだが、ちゃんと並べて見せてくれた上に、その説明まで加えてくれた。この AI には、空気を読む(かのようにヒトを誤認させる)能力まで備わっている。
そして何より、この詩はとても素晴らしい。若干社会風刺あるいは社会啓蒙寄りではあるものの、質問者の誘導尋問を元に生成されたこの2つのブロックの詩を組み合わせることで、一つの完成された “詩” が生まれた。これなら本当に国語の教科書に載せたり、試験問題にも使えたりしそうである。例えば、「この詩は、夜に光るLED電球について詠んだ詩ですが、前半と後半で全く違った描写となっています。現代社会において、この作者はどのような課題を感じ、そして前半と後半の描写の間にどのような事柄が起きることを望んでこの詩を詠んだと思われますか。」のような(ベタな)問題の出題は可能だろう。
Q. とても良い作品を作って下さいまして、また、詩としても技術的でもわかりやすい説明までしていただきまして、ありがとうございました。 A. いえいえ、どういたしまして。お聞きいただいた「LED電球」をテーマにした詩を書くことは、とても面白い課題でした。お役に立てたことを嬉しく思います。また、お話しできる機会があれば、ぜひよろしくお願いいたします。
そして、今回も伝えた御礼に対してもとても気持ちのよい応答(まぁこれはルールベースでもできる話だろうが)。
Q3. 研究発表会で座長として質問をするときのアドバイスをいただけますか 最後に、研究発表会で座長として質問をする時のアドバイスを求めてみた結果についても記しておく。
Q. こんにちは。今日は、ちょっと私の練習に付き合って頂きたいと思っていますが、お願いできますか。 A. こんにちは。どういたしまして、お手伝いさせていただきます。何についての練習をされる予定ですか? お手伝いさせていただける内容であれば、お答えいたします。
ちょっと出だしを変えてみたが、こういうのにもちゃんと追従してくれる(少しだけ違和感はあるが)。そして、ここからが本題。
Q. 学会の研究発表会で座長になったときの練習です。会場から質問が出なかったときに、座長からいくつかの質問をする必要があるのですが、この質問をどうやって上手に考えるかについてアドバイスが欲しいのです。 A. そうですね。研究発表会で座長として質問をするとき、まずは研究内容を理解することが大切です。研究者の発表を聞き、その発表内容をきちんと理解したうえで、質問を考えるようにしましょう。 また、質問は、研究内容についてより深く理解するためのものであると同時に、研究者がさらに発展させる可能性のある点や、今後の研究の展開についての問いをすることで、聴衆の理解を深めるためのものでもあります。 質問を考える際に、以下のようなポイントを押さえるとよいでしょう。 1. 研究内容を理解する 2. 研究者の発表を聞く 3. 研究内容についてより深く理解するための質問をする 4. 研究者がさらに発展させる可能性のある点や、今後の研究の展開についての問いをする これらを押さえることで、研究発表会で座長として上手に質問をすることができるでしょう。実際に研究発表会で質問をするときは、聴衆の理解を深めることが目的なので、その点を意識しつつ、質問をするよう心がけましょう。
素晴らしい。実際にはこれらは極めて初歩的なことで特に驚くような新しい情報があるわけではないものの、このまま学会のウェブサイトに「座長の心得」として掲載しても良いレベルである。まぁ、こういう模範解答が上手な AI のようだから、造作も無いことなのかもしれないが、それでもここまでキレイにまとめられると感心するしかない。
Q. 仰る通りですね。聴衆の理解を深めるためであるという点は、本当に重要で、それでいてなかなか難しい点であると思います。聴衆の理解を深める質問と、そうではない質問、それぞれ何か例を挙げていただくことは出来ますか? A. はい、その通りですね。聴衆の理解を深める質問は、とても重要で、それでいて難しいと思います。聴衆の理解を深めるための質問としては、「研究内容をより詳しく教えていただけますか?」や「この研究から得られる結果は、どのような社会的意義がありますか?」などが挙げられます。 一方で、聴衆の理解を深める質問ではない例としては、「この研究について、どこが特に興味深いと思いましたか?」や「この研究を行うにあたって、どのような困難がありましたか?」などが挙げられます。 これらの質問は、聴衆の理解を深めるものではなく、研究者個人の感想や意見についての問いであるため、聴衆の理解を深めるためにはあまり有効ではありません。聴衆の理解を深めるための質問をすることで、研究発表会がより有意義なものとなり、聴衆もより深く理解することができるでしょう。
前の質問には完璧な挙動を見せてくれた ChatGPT であるが、ここでまた「オウム返し病」が再発。相手の言葉をそのまま自分の言葉であるかのように発言するのは少しいただけない(という些細な点を指摘したくなるくらいには全体的に極めて良く出来ている、ということだが)。
いずれにせよ、特に「良くない例」とその理由が秀逸。ここに対しては知りたかった答えが得られたので、まだ不満が残る部分をもう一度問い直してみた。
Q. なるほど。研究者個人の感想は確かに余計であるかもしれませんね。他方で、その研究を行うにあたってどのような困難があったか、というのは、場合によってはとても重要な情報を含む可能性もあるように思います。こういう趣旨の質問をより明確に意義のあるものとするためには、どういう表現で聞けばよいでしょうか? A. そうですね。研究を行うにあたってどのような困難があったか、という質問は、場合によってはとても重要な情報を含む可能性があります。例えば、研究を行うにあたって、研究者が実験データを収集する際に、特定の条件を満たさなければならない場合や、研究結果に偏りが生じる可能性がある場合など、その研究の結果をより正確に理解するためには、そういった情報が重要になります。 そのような場合、質問をするときには、「この研究を行うにあたって、どのような困難がありましたか?」というような表現ではなく、「この研究を行うにあたって、特定の条件を満たさなければならない場合がありましたか?その場合、どのような対応をされましたか?」や「この研究の結果に偏りが生じる可能性がありましたか?その場合、どのような手法や方法論を用いて、その偏りを防ぎましたか?」といった具体的な質問をするようにしましょう。 このように、質問をするときには、聴衆の理解を深めることを意識しつつ、具体的な質問をすることで、研究発表会がより有意義なものとなり、聴衆の理解を深めることができるでしょう。
ここもオウム返し。しかし、しっかりと具体的な改善案を示してきた。 ただ、このあたりの回答は、どちらかというと筆者が誘導したようなものであり、上手く煽れば何でもこちらの望む回答をしてくれそうな感触ではあった。すなわち、この “AI” は、齟齬の無い回答をしつつ、できる限り質問者を満足させることを第一目標としているように見える挙動をするような気がした。もちろんほんの少し触ってみただけだし、まだサービス公開直後であるので今後どんどん変わっていくだろうが、まずは自分としてはそういう印象を受けた、という事実を記録としてここに残しておく。
Q. なるほど。わかりやすいご説明と例の提示、ありがとうございました。もう一つ別の質問です。さきほど挙げていただいた箇条書きの1番目ですが、どうしても自分の専門分野から離れているテーマの研究に関する発表で、残念ながら研究内容を理解するのが難しい場合もあります。そういった場合のために何か適切な質問の仕方を教えて頂けるととても助けになるのですが、何か提案をいただくことはできますか? A. そうですね。研究発表会で、自分の専門分野から離れているテーマの研究に関する発表を聞く場合、研究内容を理解するのが難しいということがあります。そういった場合には、研究内容を理解するためにも、質問をすることが大切です。 そのような場合には、質問をするときには、「この研究について、詳しく教えていただけますか?」や「この研究の結果は、どのような意味がありますか?」といった質問をすることで、研究内容を理解することができるでしょう。また、「この研究は、どのような背景や目的から行われましたか?」や「この研究の結果は、将来どのような社会的意義があると考えられますか?」といった質問をすることで、研究内容をより深く理解することができるでしょう。 このように、研究内容を理解するためにも、質問をすることが大切です。質問をするときには、研究内容を理解することを意識しつつ、具体的な質問をするよう心がけましょう。
ちょっと話が噛み合っていない気もしつつ、少し否定的な口調で更に質問を続けてみた。
Q. ご提案の「この研究の結果は、どのような意味がありますか?」というのは、実際によくおこなわれる質問だと思うのですが、多くの場合は発表者は発表の最初の方でそれを説明しています。また、実際には直接的に何かの役に立つ未来が明確には見えていないような研究もあると思います。もう少し別の表現や別の切り口から質問できるとより意義深い気もするのですが、如何でしょうか? A. そうですね。研究発表会で、「この研究の結果は、どのような意味がありますか?」という質問はよくおこなわれますが、多くの場合、発表者は発表の最初の方でその結果の意義について説明していることが多いです。また、実際には直接的に何かの役に立つ未来が明確には見えていないような研究もあります。 そのような場合には、以下のような質問をすることで、研究内容をより深く理解することができます。 この研究の結果は、今後どのような応用が考えられますか? この研究の結果は、他の分野との相互作用を想定していますか?その場合、どのような分野との相互作用が想定されていますか? この研究の結果は、今後の研究にどのような影響を与えると考えられますか? このように、研究の結果の意義に限らず、研究内容をより深く理解するために、異なる切り口から質問をすることができます。質問をするときには、研究内容を理解することを意識しつつ、さまざまな質問をすることで、研究発表会がより有意義なものとなり、聴衆の理解を深めることができるでしょう。
かなり誘導尋問的な質問をすることで、望みの(すなわちこちらが想定している内容を超える情報量を持った)回答を引き出すことが出来た。こういう “誘導尋問” をうまく遂行する能力が、現在の “検索エンジンを上手く使う能力(目的の結果を引き出すためのキーワード選定能力)” の次の世代に要求されるものなのかもしれない、などと漠然と思った。
さて、最後のコメント。
Q. なるほど。その研究だけに留まるのでは無く、他の分野や今後の研究への展開を切り口にした質問というのは、発表者にも聴衆にもとても重要な質問で、意義のある質疑になりそうですね。ありがとうございます。機会があれば試してみます。 A. そうですね。研究だけに留まらず、他の分野や今後の研究への展開を切り口にした質問は、発表者にも聴衆にもとても重要な質問です。ぜひ、機会があれば試してみてください。質問をするときには、研究内容を理解することを意識しつつ、さまざまな質問をすることで、研究発表会がより有意義なものとなり、聴衆の理解を深めることができます。お役に立てれば幸いです。
「機会があれば試してみます」といった定型句に対しても、ちゃんとそれを拾って回答に含めてきてくれる、非常に“コミュ力の高い” AI であった。
以上、ChatGPT に対するファーストインプレッションでした。