静電気体質になる理由と対策
先日、静電気にまつわる記事を投稿したのですが、戴いたコメントを拝見していると、いささか誤解があるようですので今回は補足記事です。
「静電気体質の人は低酸素」と解釈した方が多かったように感じました。
「呼吸が浅いと静電気に悩まされやすい」という事に間違いはないのですが、それだけが全てではなく、あくまでも一例なのです。
1)静電気が発生しやすい体質
ヒトの血液には、陽イオンと陰イオンが溶け混んでいて、一定の濃度に保たれるようになっています。海水と似たような状態ですね。
それで、血液にはph値と呼ばれる数値があり、健常者であれば、7.35~7.45くらいの範囲に保たれています。
この数値が、7より低いと酸性、逆に7より高いとアルカリ性と区別されますので、ヒトの血液は、弱アルカリ性ということですね。
血液検査をすれば、このph値がもれなく表記されているはずですから、ご関心のある方は一度ご自身の値を確認してみてください。
ph値に変化が生じる時は、身体になんらかの異常が起こっている目安になるのですが、バランスを崩してしまう原因の代表的が、呼吸が浅く、血液中の酸素濃度が低下する事です。
それ以外にも、お酒を飲むと、無毒化するため速やかにアルコールの代謝が始まるのですが、その際、血液中の二酸化炭素が増加しますので、やはり低酸素になります。
上記のような場合は、ph値が低下するのですが、その状態をアシドーシスと言います。身体が酸性に傾いているわけですね。
余談になりますが、パニック発作時にみられる過呼吸は、体内の二酸化炭素を過剰に排出し、結果的に体液の二酸化炭素の割合が低下してしまいます。酸素が過剰に供給された状態ですね。
この際、ph値は上昇を示し、その状態はアルカローシスと呼ばれ、身体はアルカリ性に傾きます。
2)静電気で「バチッ」となる理由
身体が酸性に傾いた時、つまりph値が低下してしまうと、イオンバランスが崩れプラスに帯電しやすくなります。
寒い時期の静電気による例の「バチッ」となる現象は、主にクルマやドアの金属部分に触れた際に生じますが、ドアの金属部分はマイナスの電気を帯びています。
つまり、身体にプラスの電気を帯びた人が、マイナスの電気を帯びた金属に接触する際に生じる現象なのです。
ただし、静電気体質の人は必ずph値が低下しているのかと言えば、そうでもありません。
自律神経の乱れや睡眠不足、ストレス過多、乾燥肌でも、帯電しやすくなる事が知られています。
従いまして、静電気に悩まされている人が、正しい呼吸を心掛け、低酸素から脱したからといって、お悩みが解消するとは限らないのです。
3)静電気の対策
体質を改善する事が理想的ですが、何故そうなったのか調べる必要がありますので、その場しのぎになってしまいますが、ここでは対処療法をご紹介しておきます。
クルマやドアの金属部分に触れて「バチッ」となる現象は、厳密に言えば放電です。
それなら、そこまで反発が強くないものに触れて、こまめに放電しておけば良い事になりますが、オススメは土です。
積極的に観葉植物やプランターの土に触れておけば、万事解決します。とはいえ「手が汚れる」と不評を買いそうですね・・・。
それなら、効果は落ちますが木製の家具やコンクリートの壁でどうでしょう?緩やかですが、放電してくれますよ。
肌が乾燥しがちな方は、ハンドクリームを利用しましょう。保湿しておけば、帯電する事もなく自然に放電してくれます。
髪の毛もプラスに帯電しやすいため、衣類に掛かるくらい長めの方は、しっかり保湿しておいた方が良いですよ。
ちなみにですが、手を洗いすぎると皮脂が定着せず潤いがなくなります。これは入浴時も同様で、汗をかいて汚れやすい部分以外は、毎日石鹸を使う必要はありません。
とはいえ、奇麗好きの方には抵抗があるでしょうね・・・。
最後に衣類ですが、素材の組み合わせによっては、静電気を発生させやすくなりますので要注意です。続きは以下の記事をご覧ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?