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流れ者の街「西荻窪」を発展させた文学とノマド。日本で唯一の旅本専門店【旅の本屋・のまど】の店主のお話しを聞いてみた。

西荻窪にヴァイオリン工房がありました。

確か路地だったと記憶しています。

まだ高校生だった私は、クラシックヴァイオリンのピアノ伴奏を引き受けていて、そのヴァイオリン工房に足を踏み入れました。

「トン、カン、」

と工房の中にひっそりとヴァイオリンの職人さんリペアの音が響かせている。それはまるで中世ヨーロッパの世界でした。

西荻窪を発展させた文学とノマド

西荻窪のおとなり、吉祥寺というのは、もともと昭和初期の昔から井の頭公園があった事もあって、文学的に明るい土地でした。

吉祥寺の人気が高まり、どんどん新しい人が入ってくるようになると、
芸術家はまだ初心者が立ち入らないような土地を求めて、お隣の西荻窪へと移動していきます。

そこで空きスペースを見つけて自分の創作活動のスペースにするうちに、西荻窪という街は発展していきました。

まさにノマドという言葉がピッタリ。【流れ者の街】です。

また東京女子大学があるところで、芸術的感度の高い人が立ち寄ってくれる土壌があったことも、発展の理由にあります。カフェとかだけじゃなくて、ケーキ屋さんがあったり。

西荻窪は地理的にも大通りに囲まれておらず、路地の雰囲気を味わえますので、マニアックな人たちが居て、マニアックを求める人が訪ねてくる土地となりました。

日本で唯一の旅本専門店で人と人を繋げる。「旅の本屋のまど」

旅を表現する場所、として、この西荻窪という土地にある「旅の本屋のまど」さん。
JR西荻窪駅の北口を出て、バス通りを左に向かって5分ほど歩いて行く一本道。

訪れて店内を見渡すと、

旅!


食!!


本!!!

国内外の旅行に関する本や雑貨がたくさんあります!

ワクワクするものばかり!!

そもそも、どんな人がやっているの?

元々は吉祥寺に店を構えていた旅の本屋。西荻窪に移転して今年で10周年を迎えるとのこと。

月に2〜3回ほどは、さまざまな旅行作家旅のプロたちのトークイベントが開催されているのも特徴です。


店主・川田正和さんは、大学を卒業後に地図で有名な昭文社へと勤めますが、様々な心境があり、ここで早速ある二者択一の掛けをしたそうです。

ガイドブックの部門がいい!!→働く
地図の編集にの配属になったら→辞める

結果は、


皆様の想像どおりの、


地図の編集の配属!×

ということで二ヶ月ほどで退社をして、バイトをしながら旅行に行く生活を数年間続けます。

ニューヨークのイーストビレッジでの出会い

NYのイーストビレッジの本屋街で、「旅行の本だけを扱っている本屋」を
見つけた川田さん。

当時の日本には無かったものです。

…というか「旅の本屋・のまど」が日本で唯一の旅本専門店なので、川田さんが開店していなかったら今だって存在していないはずというパラドックス!!

旅行の本だけを扱っている本屋」はその後、ロンドン、パリ、バリ島などでも見つけ、街と馴染んでいるその存在は深く印象に残るものでした。

ちなみに、どんな場所に行く時も同じ大きさのバックパックを愛用されているそうです。

この感じ、studioi iota 前田もちょっと分かります。


ライターになりたい思いをずっと持たれていましたが、あるとき、ふと「本屋というのも、旅に関する表現の一つの形じゃないか」と思ったのが、「旅の本屋」をやろうと思ったキッカケになります。

本は好きだけれど「好きすぎて死ぬ!!」というくらいじゃなかったので、

仕事としてやるにはちょうどいい

と思ったそうですw


本はどうやって選んでいるの?

突然ですが、皆様が旅行に行くキッカケってなんですか?

歴史、グルメ、スポーツ。

旅行に行くキッカケって、ホーントそれぞれありますよね!!

あ、そうです。旅の本屋のセレクトとして、「紀行文」や「地図」などに偏ると【旅行オタク】だけが集まる場所になってしまいがちです。

そういう場所にはしたくなくて、本をそれぞれの人が広く浅く興味を持てるように、「旅」をテーマにしていると言いながらも、文学や音楽、映画、思想、料理、スポーツに政治に宗教など、「旅」とは一見無関係なジャンルの本も並べ、間口を広げています。

アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ・カナダ、中南米、というように、地域別に分けられた棚に、新刊も古本も一緒に並べてられいます。
文庫本、単行本という分け方もされておりません。

なるべく、自分の趣味の延長の本棚にはしたくなかったという背景があります。

それなりの苦労もある…

街の本屋にとって大敵なのが、Amazonなどの販売ですよね。

確かに、本を手に取っても、残念ながらその場では購入に至らないことが増えています…。

それは、本が売れないということ。

西荻窪という土地自体に来る若い人は年々増えています。

ただ、お金を使わないそうです。

認定!!のまど天使様!!

ですので、旅の本屋のまどでは、購入に応じて称号が与えられます♡

5千円以上…天使様/1万円以上…神様

購入した本が何冊もあって、家に帰って読むのが待ちきれなくて、電車の中でアレコレと流し読みしちゃう。そんなワクワクを思い出したいですね!!


「流れ者の街」で本屋をやってて良かった事

アンティークショップ、雑貨店、パン屋など隠れ家的なお店がたくさん存在する西荻窪。街歩きを目当てにやってくる女性がフラっと立ち寄ってくれる場所です。

店主の川田さんが嬉しい事は、旅行の事をしゃべれることです

マニアックな本を旅行好きの方の探していた本が見つかって、喜んで下さった時は格別だそうです。

レジに座っていると怖く見られがちですが、、実はお話し好き

本を買わなくても、旅行相談に訪れてもOKなので、
話しかけて下さい!

いかがでしたでしょうか?

西荻窪の発展の歴史を凝縮させたようなお店「のまど」さん。

「次はゲストハウスをやってみたい!」と語る川田さん。
こういう人なら、いつか本当に実現してしまうのではないかと思います!!

今後も行われるトークショーなど細かくチェックしてみるのもいいかもしれませんね。

それではまた♪

東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F

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【泊まれる本屋】がコンセプトのホステルがあった!「BOOK AND BED TOKYO」で本を読みながら寝る安心感がハンパない。

ライター 前田 紗希
本編はこちら▶http://www.iotabi.com/2017/09/blog-post.html

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