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【スウェーデン】街の精神を写すストックホルムの地下鉄アートから学ぶ!雇用者のダイバーシティ意識
あなたはダイバーシティ、つまり多様性という言葉を聞いたことがありますか?
今回紹介するストックホルムの地下鉄は、多様性について考えるきっかけになるかもしれません。
街のイメージやそこに住む市民の精神を示すものの一つに、街中に存在する様々なアートが挙げられます。
私は、スウェーデン首都、ストックホルムの地下鉄美術館にダイバーシティを見出しました。
本記事では、ストックホルムの地下鉄美術館(以下、地下鉄アートと呼ぶ)について説明すると共に、そこにどのようなダイバーシティを見出したのかを書いていきます。
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ストックホルムの地下鉄アート
ストックホルム地下鉄が開業したのは、今から70年以上前の1950年のこと。
開業から地下鉄ネットワークは拡大し続け、現在では110の駅が存在しています。
その内の約90の駅に、それぞれ異なるテーマに基づいて施されたアートワークが展示されており、
その全長は驚くなかれ106kmに及び、「世界一長い美術館」として注目されています。
多様なバックグラウンドを持つ芸術家たちが制作した作品が展示されており、
その多様性は鑑賞する人々にも影響を与えています。
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地下鉄アートが作成された背景
地下鉄アートが作成された背景には、当時政権を担っていたスウェーデン社会民主党が、
芸術がエリートなど一部の特権階級によって占有されている状況に問題意識を抱いたことが挙げられます。
スウェーデン社会民主党は、芸術が日常的に人々に鑑賞され、楽しめるものとするために、
当時同国の首都に都心部と郊外を結ぶ地下鉄が整備されつつあったことに着目し、
地下鉄駅に作品を展示するプロジェクトを進めたのです。
展示作品はコンペティションで選ばれた芸術家であり、作品の鑑賞は無料であることも特徴の一つです。
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地下鉄アートに見るダイバーシティ
そこで注目したいのが、地下鉄アートを実現した雇用者側が持つダイバーシティ意識です。
ストックホルムの地下鉄では、人々がそのバックグラウンドや興味に関係なく、
アートを鑑賞する環境が整備されています。
そして、そのような環境に、地下鉄の運営会社という雇用者側が、
性別や信条にかかわらず社会的主張をできるという多様性の尊重を見ることができるでしょう。
例えば、一般的な美術館に展示される作品は、世界的に著名な芸術家の作品であることが多く、
そこには必ずしも多様性が確保されているという訳ではありません。
展示物中に表現されるテーマとして「多様性」が存在していたとしても、
それを作る側、作ったものを展示する側の双方に多様性がある例は世界的にも稀有なのかもしれません。
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実際に、地下鉄アートに参加した芸術家の一人に「シリ・ダーケット」という女流芸術家 兼彫刻家がいます。
彼女が作る作品は、環境問題、ジェンダーの平等、世界平和等をテーマに扱っており、
地下鉄の駅では個人的な心情とこれらの問題意識を織り交ぜて表現した
壁のダーケットのスケッチを鑑賞することができます。
このように、ストックホルムの地下鉄アートは、創作をする側にも、それを採用して展示する側にも
ダイバーシティ意識を感じ取ることができます。
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おわりに
この記事では、ストックホルムの地下鉄アートを題材に、どのような点にダイバーシティを見出すことができるのかを探りました。
全長100kmを超える「世界一長い美術館」とも呼ばれ、その鑑賞を無料で提供しています。
一般の芸術家からのコンペティションで作品が選ばれるという事実からも、多様なバックグラウンドを持つ人々の作品や鑑賞の眼差しを受け入れる姿勢があることが分かりあす。
私はこのような作品を創作する側、それを展示する側の双方に多様性を守る意識があるという点に、ダイバーシティが見出せると感じました。
ストックホルムの地下鉄アート、ぜひ訪れてみてください。
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maeda saki : ライター(編集長)
東京都品川区うまれ。作曲家、ドラマー、RECエンジニア。
3歳より「心から出て心に還る音楽を」という教えのもと、裸足で畑を耕すところから培う教室でクラシックピアノを習う。国立音楽大学作曲科へ入学、中学から始めたドラムに没頭する。バンド活動でデビューを経て国外や離島での演奏にモデルチェンジ。ロンドン、ベルリン、ニューヨークで演奏を積む。国内外のフェスに出演。
25リットルのリュックとドラムスティックで世界一周後、旅と音楽と食を繋ぐレーベル「studio iota label」を設立。音楽療法など9つの事業を展開中。牛乳とじゃがりこが好き。
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【studio iota label】
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日本のレコード会社 studio iota LLC.ではCDの制作・販売、WEBコンテンツの発信、企業のWebライティング、動画BGM製作、アーティストやお店などの写真撮影、作曲・編曲事業、レコーディング・ミックス事業などを行っている。
【ウェブサイト】https://studio-iota.com/
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