見出し画像

メキシコで防音スタジオ施設を作った話し【移住3年目に起きた大きな変化】

皆さん、こんにちは!Groove冒険家のZin "Atrevido" Hitoshiです。

2年以上ぶりの超超ご無沙汰の新しい記事。

なぜ時間が空いてしまったかというと、

なんとメキシコに家を買いました!!

コロナ渦が始まって、オンラインのドラムレッスンの依頼が急増

借りていたアパートでドラムは小音量なら叩けていましたが、

ついに大家さんが「ちょっと叩く時間が長すぎ。夜遅くまでやってるし…」


苦情と言うより当然の主張をされた訳ですが、

これを機会に家を買うか!(話が飛躍しすぎ)。


借りていたアパートに防音室を作ってもいいという話にもなったのですが、賃貸を改装しても、

出ていく時に僕のものにならないですからね。


ここで耳寄りな情報。

メキシコは「家を買った値段より確実に値上がりする」らしいのです!

色々な国の人と話してみると、ほとんどの国で持ち家は資産価値が上がるらしいですよ!

日本なんて買った値段から基本安くなりますもんね。

そんな訳で、

ノリと勢いを大事に一軒家を購入してしまいました!!!


マイスタジオ、防音室と防音ドア作り

ご紹介する内容ですが、ズバリ、『マイスタジオ。防音室と防音ドア』です!

このテーマでは編集長の前田さんと、ライターのTAKAFUMIさんも書いていらっしゃるので恐縮ですが。

僕の内容はメキシコでやるだけやってみたらこうなった!というもの、日本との建築方法の違い。

そして防音ドアにはお二人は着手されていませんので(^-^)


父が一級建築士である事も含め、ちょっとした遮音と防音のウンチクも書きたいと思います。

防音遮音は日本の皆さんでも勘違いされている方がいらっしゃいますので。


さっそく夢のマイスタジオに向けて着工!

こちらが購入した家です!

実は若い頃火力発電所で職人をやっていましたから、「俺も一緒に働く!」とメキシコの職人さんと一緒に夢のマイスタジオに向けて着工開始!

メキシコでは、パトロン(雇い主)が一緒に働くというケースはないみたいですね。

日本でもそうかもですが。。


僕は自分で作るのが好きなのもあるし、人件費も少し浮くし、

何より現場でちゃんと仕事を監視できるので(ここメキシコでは超重要)。

「変わったパトロンの日本人だ」とすぐに打ち解けます♪


Cuarto de servicio(サービスの部屋)は歴史の名残り

家に裏庭があり、そちらにスタジオを作る事にしました。

さてさて、まずは裏庭にCuarto de servicio という小さな部屋があります。

Cuarto de servicio は直訳で「サービスの部屋」。

その昔は住み込みでお手伝いさんがいるのが一般的だったようで、そのお手伝いさんのための小部屋。ほんとに小さな部屋にトイレ兼シャワールームが付いています。

そういう事を考えると、雇う側と雇われる側の貧富の差が激しかったのが伺えます。


実際は今でもお手伝いさんが一般的で、週2回呼ぶご家庭もザラ。

一日の料金は大体250ペソ、1200円くらいです。6~8時間働いて、です。

メキシコの一般給料で考えたら普通よりすこーしお安い給料というところでしょうか。

でもほとんどのお手伝いさんは、小さい村出身の方だったり、インディヘナと呼ばれる先住民の血を引いた方々だったり。


僕は何か悪いことをしている気がしてしまって、頼んだことはないです…。

こういうのも文化の違い、でしょうね。


メキシコ人の知人で、皿もコップも洗わない、何もしないという人がいました。

彼いわく「お手伝いさんにお金払ってんだから、俺は何もしない」との事。

週2回呼ぶとしてその間の2,3日、汚いままでも気にならないのか…? Gとか出るよ…??


解体と制作開始!

ちょっと話は脱線してしまいましたが、その小部屋を半解体する事にしました。

トイレ兼シャワールームは撤去

小部屋部分は洗濯機置場兼、物置にします。


色々な人に「ほんとにトイレは要らないのか?」と言われましたが、音楽部屋が臭くなるのはイヤなのと、レッスン中に「ドジャー!」って水洗の音がするのはイメージ的に耐えられなく。

いいんだよ!撤去!

半解体開始です!


シャワールームだけ解体されたCuarto de servicio。天井の鉄骨やシャワーの配管が生々しいですね。


メキシコの家はほとんどレンガとブロック、コンクリで出来ているんですね。

どうやって壊すのかな?と思っていたら、大ハンマーでドッカンドッカン!!

ちょっとさすがに笑いが出ました。


半解体された部分を含め、マイスタジオ、制作!

まずは床や壁を削って、Castillo(城)と呼ばれる鉄骨を通します。

この鉄骨が約2.5m置きに置かれて、コンクリが流し込まれます。それが支えになって、間のブロックやレンガが倒れない考え方のようです。

大地震が来たら崩れるだろうな~とは思いますが。


セメントを接着剤にしてブロックを積んでいきます。


壁が組み上がりました!今度は天井です。

オレンジの線は電線を通すためのプラスティックの筒です。

コンクリを流し込む前に「いくつの位置にコンセントと電球が欲しいか」を段取りしておきます。


基本窓なしの防音部屋にしたかったので、天井に明り取りにグラスブロックをオーダー。

ブロックの隙間にはめ込み、コンクリを流し込みます。


メキシコ人にとっての防音とは、「外の騒音が中に入ってこない」


母屋と防音部屋との間には80cmくらいの隙間を作りました。母屋に音が行くのを防ぐためです。

メキシコ人的には「もったいない」。けれど僕は譲りませんでした。

これは、音漏れ、騒音に対する考え方が全く違うからなのです。


日本人にとっての防音は「外に漏れない。人に迷惑を掛けない」。

比べてメキシコ人にとっての防音は「外の騒音が中に入ってこない」なのです!

要は人様に迷惑掛ける事は別に頭にないようです!


実際週末になれば明け方までパーリーしたり、場合によっては生バンドを呼んで爆音で演っていたりもします。

そんな環境だから、ドラムを習ってくれる生徒さんは「全員生ドラムを自宅でバンバン!」です!!!

ミュートも防音も皆無!ゼロです!

そんなメキシコ人からしたら僕の【防音室】なんて、変わったやつだなー、くらいにしか思われていなかったのは間違いないでしょう。


さて、今日の内容はここまでです。

次回は、防音について大事なお話し「遮音,吸音,制振」について

またお会いしましょう。

Hasta la próxima(また次回)!!


□ライター Zin ” Atrevido” Hitoshi

神奈川県横須賀市育ち。 ドラマー,パーカショニスト。
ブラックミュージックに傾向し、リズムのルーツを探る。2018年よりメキシコ移住。横須賀市久里浜でRAGドラムスクールを主催。 YAMAHA Popular Music School講師として、14年の講師活動。ドラムプロショップGATEWAYにてキッズスクール講師として10年の指導活動。


◆分割掲載になります。フル尺の本記事はこちら!

◆関連記事
【アフリカンリズムの考察】日本人にとってのリズムとは同調、アフリカ人にとってのリズムとは対話。

□■□■□■□■□■
【studio iota label】

日本のレコード会社studio iota labelではCDの制作・販売、WEBコンテンツの発信、企業のWebライティング、動画BGM製作、アーティストやお店などの写真撮影、作曲・編曲事業、レコーディング・ミックス事業などを行っている。

【ウェブサイト】https://studio-iota.com/
【キャンプマガジン】http://iotabi.com/campio/
【民族音楽マガジン】https://note.mu/nagareruiota

この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

やってみた

よろしければ、サポートお願いいたします! 音楽レーベルの運営、ほかのnoteクリエイターさんへの支援に使わせていただきます\(^o^)/