『革命前夜』小川哲ー読書メモ#3

『革命前夜』小川哲 新潮2024年6月号
純文学度:30
キャラ:4
テーマ:3
コンセプト:5
展開:1
文体:2
数字の意味については、以下の記事を参照ください。

これ、もしかして小説だったのか?
っていうのが、読了後直後の感想。
読んでいる途中は、エッセイにしてはおもしろい文章だなーさすが小説家。
みたいに思ってんだけど、特にエッセイとは書かれてないし、他に掲載されている小説と同じレイアウトだし、もしかして小説か!?と思って、電報をくれたという先生の名前を調べたら、案の定ヒットせず。
長良の中でこの作品は、無事小説と認められましたとさ。
文芸誌初心者なんだけど、こういうエッセイ風小説って結構書かれるもんなんかな。
この小説の直前の乗代雄介さんの小説もこんな感じだった。

後、そもそも小説かそうじゃないかの違いで、何か変わるのか、っていう問題もあるよね。
長良の中で割とエッセイは軽く読んで、小説はじっくり読もうみたいな区別があるんだけど、それもどうなのかなって。
確かに、小説は虚構という建前がある以上、解釈はしやすいんだけど、じゃあエッセイは無解釈で読めるのかって言ったらそうでもないし、逆に小説だからって理由だけで、最初からおもしろいって決め打つのもちょっと違うというか。
人生において、ある程度偏見というか紋切り型の判断っていうのは必要なんだけど、完全に無自覚でやっちゃうのと、ある程度自覚しながらやるのでは、大きく違ってくるからなー
というわけで、小説とエッセイの脱構築という感覚で長良はこの小説を読めたので、すごい良かったです。
そういう意味で、コンセプト☆5にしてます。
エッセイ風だけあって何も考えずに読めると言えば読めるけど、何かを汲み取ろうとすれば、それに応えてもくれる、いい小説ですね。

中身には全然触れずに終わるんだけど、読書メモだから読み終わった直後に強く感じたことだけ残しておけば十分かなと笑
コンセプトについては触れたので、もう少ししっかり読み込めたら、キャラとテーマについて深めていきたいところです。

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