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料理の四面体があれば美味い飯が食える。

料理が好きだ。

料理をするということも好きだし、料理されたものを食べることも好きだ。

少し前にも書いたけれど、自分の感覚で作るご飯で明らかにまずいものを作ったことがない。気がしている。

きっとこれまでに鍛えられた舌と、蓄積されている味覚によって担保されているものなのだろうけど、それでも毎回それなりに美味いものが食べられることに自分で自分に感謝している。

それでも、ある本を読んでから調理そのものに対しての指標を持てるようになった。

『料理の四面体』という本がある。

玉村豊男さんという食の生き字引であり、今でもワイナリーやレストランを経営している方で、エッセイや料理論は大体読ませてもらっている。

そんな玉村さんの書かれている『料理の四面体』には、文字通り料理における四面体が調理法の根底に据えられている。

画像を引用する。




四面体。つまりは底面が三角形、そして底面の三辺にまた三角形の図形。

この底面の3つの点を「空気/水/油」とし、頂点を「火」とする。

頂点に近ければ近いほど直火焼きになり、底面に近づくほど生の状態になる。

油の点から頂点に近づくほど火力の強い揚げ物になり、水の点から頂点に近づくほどスープに近いものになり、空気の点から頂点に近づけば焦げるものになる。

そんなイメージだ。

それぞれのラインで火の頂点から底面へと下がっていくにつれ、それぞれの要素の具合は増し、底面に届くとそれは生の状態へとなる。

これが調理技法全てを表現できる四面体。

どこにどの具合で空気を触れさせ、さらに油の量を調整し、水分量を保つのか。そして火の加減はどうするべきか。

これを考えるだけで、それなりにまとまった味のものが出来上がるような気がしている。

昨日はマッシュルームが余っていたので、お昼にスープを仕込んだ。

マッシュルームのあれなんて言うんでしょう、ヘタ?を取って軽く洗う。

玉ねぎは適当にスライス。

ニンニクは皮を剥いて適当に穴をあけたり切り込みを入れる。

鍋にニンニクを入れてオリーブオイルで煮るように焼き、ガーリックオイルを抽出。それからそのまま玉ねぎを投下。塩を適当にぱっぱ。少し待ってから白ワインをかけて蒸し焼き。

玉ねぎの色が変わってくるくらいに炒めたら、鍋の上に全部を寄せ、バターを適当に入れて、マッシュルームを投下。

そのまま炒め続けて、全体的に焦げる直前くらいまで香りを立たせたら水を100ccくらい入れてひと煮立ち。

牛乳を鍋2/3くらいまで入れて、コンソメをキューブなら1つ。

1/5くらい煮詰めて、ミキサーに流して攪拌。生クリームを足しても旨いです。

冷やしてもいいし、温めてもいい。そんなスープができあがる。

もちろん美味かった。

これも四面体で考えると、まずは火が中火の状態で炒める状態から水分を水分を増やして煮ものに変える手順に従っただけだ。

ミキサーも、ただその温度のものをかき混ぜただけ。いたって簡単なものになる。

そんなことをイメージすれば、それなりに調理することに困ることはない。

さっきのお昼ご飯はこのスープにチーズを足してこってりさせたものをパスタに和えてクリームパスタにした。サムネがそれだ。

最近は家で料理をしてご飯を食べることしかしていない気がしてならない。

幸せだからいいのだけれど。

そんなちょっとした幸せも、こんなふうに知識がある状態で料理に臨むと途端に楽しさが増す。

知っていることが多ければ多いほど、日常生活の解像度が上がる気がしてならない。まぁ、それと同時に知っていることによる辛さは間違いなくあるのだけど。

今日の晩ご飯は何にしようか。牛肉を使い切らないといけないらしい。牛丼でも作ろうかしら。

多分ワイン煮込みとかはこってりすぎる。自分もしんどい。

そんなわけで、そろぼちご飯を作り始める時間になりそうだ。

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ではまた。

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