吉・貴

新潟県長岡市の文芸団体「長岡ペンクラブ」に所属。年1回、会誌「ペナック」で創作やエッセ…

吉・貴

新潟県長岡市の文芸団体「長岡ペンクラブ」に所属。年1回、会誌「ペナック」で創作やエッセイを発表。新潟日報「窓」に不定期で投稿。写真、つぶやき、文章などさまざまな手段を行使し、私が私である理由を模索し続けるのだ。

マガジン

  • 曲メモ

    私が関心を受けた曲について思ったことのメモ帳。

  • ショートスケッチ

    写真とささやかなつぶやきとで綴る長岡の今日。不定期更新。

  • 長岡雑記帳

    地元、長岡の色んな事を通じて考えた事などを書いていきます。 地元のことだからと言って甘口にはならないので、ご承知のほど。

最近の記事

今年の書き初めは手身近に。とにかく幸せになれる年でありますように。この三が日、ずっと不穏な出来事ばかりで暗澹とせざるをえないのだが、しかしこの願いばかりはどうしても譲れない。どう足掻いてでも、暗澹から抜け出してやる。

    • 令和六年元旦のこと

       令和六年の元旦は、おそらく生涯で最も忘れられない元旦になるだろう。こんな元旦なんてもうないだろう。「そう願いたい」。それほど、苦しくて悲しい元旦だ。正直な今の心情である。  周知の通り、今日の午後4時10分、石川県で震度7の地震が起きた。新潟県長岡市でもかなり大きい揺れがあった。長岡市の最大震度は6弱だが、これは同じ長岡市でも中之島地域の震度だ。とはいえ、私が住んでいる地域でもどこか頷いてしまうほどに揺れは強く、目の前が真っ暗になるような思いをした。  私はかつて中越地

      • 2023年の大晦日に

         2023年の日本映画は例年になく豊作だったと思う。「怪物」「君たちはどう生きるか」「ゴジラ−1.0」「正欲」など、数え上げたらキリがなく、私が観た映画こそ限りはあるものの、ベストテンを選べと言われたら順位づけには結構苦労しそうだ。  外国映画も随分面白かった。「イニシェリン島の精霊」「エブリシング・エブリウェア・オールアット・ワンス」「フェイブルマンズ」「生きる LIVING」など。ただ、こちらの方は順位づけにはそんなに苦労しないようにも思う。個人的には「イニシェリン島〜」

        • 「あまちゃん」の頃

          今、NHKBSで「あまちゃん」が再放送されている。本放送がちょうど10年前で、それを記念してのもののようだが、10年前とほぼほぼシンクロするように流れているおかげで、私も10年前の今頃を振り返らなくてはならない気分になってしまった。 * 10年前は高校3年生だった。卒業後の進路をそろそろ決めなくてはならない頃だったのだが、私の場合はそう簡単にはいかなかった。私の意向は進学だったが、家族は断固就職、ということで意見が噛み合わなかったのである。結局、私が折れる形で就職活動を始

        今年の書き初めは手身近に。とにかく幸せになれる年でありますように。この三が日、ずっと不穏な出来事ばかりで暗澹とせざるをえないのだが、しかしこの願いばかりはどうしても譲れない。どう足掻いてでも、暗澹から抜け出してやる。

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        • 曲メモ
          3本
        • ショートスケッチ
          7本
        • 長岡雑記帳
          3本

        記事

          「タイタニック 25周年3Dリマスター」の記

           「タイタニック」は割に新しい名作である、と考えるのが、1995年生まれの私にはしっくり来る。公開当時、私は2歳。まさかこの3時間超の映画を映画館で2歳の子供に見せるという酷なことを親がするはずもなく、仮に見せたとしても(!?)覚えているはずなどない。という訳で、物心ついた時には既に名作の誉れ高い映画になっていた。         私がこの映画に初めてお目にかかったのは2003年、金曜ロードショーで2夜連続の放送が行われた時だった。いや、2001年のゴールデン洋画劇場版もどこ

          「タイタニック 25周年3Dリマスター」の記

          2023年新年のご挨拶

           昨年の末に、3年ぶりに開かれた「新潟第九コンサート」へ出掛けた。新潟市年末の風物詩で、2019年以降は私も賛助会員という形で微々たる形ながら応援させて頂いているのだが、コロナ禍の影響で2020年、2021年と開催されなかっただけに、どうなるものか心配はしていた。しかし、昨年はついに復活することになり、案内が来た時はほっとしたものだった。どのような形であれ、生で聴く演奏は心地良く、そして音楽の力強さを直に感じ取ることが出来る。  話変わって、昨日の紅白歌合戦の、純烈とダチョ

          2023年新年のご挨拶

          2022年

           厄年の概念に基けば、どうも今年は八方塞がりの年だったらしい。八方塞がり、と言えるのかどうかは分からないが、それに似た感じも何処かある1年だった。かといって、この1年が終わる今日、その出口が見えているかと言えば、首を傾げる部分はある。  そもそも、私自身がずっと模索続きなのだ。高校を出てから、ずっとそうであると思う。高校を出たのが2014年の春だったから、かれこれ8年は模索を繰り返している。私はどう行きたいのか、などと考えているうちに、沢山の人に先を越されていくことに気がつ

          曲メモ:羊文学「ドラマ」「光るとき」

           羊文学の曲を初めて聞いたのは2018年の秋だった。たまたまApple musicをいじりながら聞いた曲が「ドラマ」。初のフルアルバム、「若者たちへ」に収録された作品だ。  歌詞自体は意外に短く、そして難解だ。しかし時折青春から脱皮するような、危うくほろ苦いフレーズも出没する。そもそも、「青春時代が終われば生きている意味がない」という時点で危うい。けれども、その危うさは誰の青春にもあったものではなかろうか?この危うさと大人へと変わる瞬間をストレートに歌詞にする力に、正直ビッ

          曲メモ:羊文学「ドラマ」「光るとき」

          曲メモ:Have a Nice Day!「僕らの時代」

          Have a Nice Day!「僕らの時代」(Apple music)  2019年1月に公開された映画「チワワちゃん」の主題歌だったこの曲は、予告編で初めて聴いた時強い衝撃を受けた。サビの一節、  という言葉に、私自身も息も出来ない程のセンチメンタルな思いを感じた。  もっとも、私はこの曲に出て来るようなパーティーカルチャーとは無縁の道を歩いていた。この時はちょうど、長岡の同年代や少々上の年代の仲間達とゆるゆると交流していた時期ではあるが。  それでも、あっという間に

          曲メモ:Have a Nice Day!「僕らの時代」

          ショートスケッチ:長岡市・坂井公園

          ショートスケッチ:長岡市・坂井公園

          ショートスケッチ:長岡・大手通・春2022

          ショートスケッチ:長岡・大手通・春2022

          ショートスケッチ:2022年2月11日、長岡市青少年文化センター跡地で

          ショートスケッチ:2022年2月11日、長岡市青少年文化センター跡地で

          Aさんに手紙を書く。色んな感情を込めた真剣な手紙。しかしBさんとCさんは気まずい口で、Aさんの無回答も覚悟した方がいいと言う。その確率が何%かも分からない。私はいずれにせよ、ほんの僅かでも奇跡を信じたい。しかしそう願う目には既に涙が浮かぶ。奇跡は起きるか。起きて。奇跡よ起きて。

          Aさんに手紙を書く。色んな感情を込めた真剣な手紙。しかしBさんとCさんは気まずい口で、Aさんの無回答も覚悟した方がいいと言う。その確率が何%かも分からない。私はいずれにせよ、ほんの僅かでも奇跡を信じたい。しかしそう願う目には既に涙が浮かぶ。奇跡は起きるか。起きて。奇跡よ起きて。

          子供の頃、親に起こされて無理矢理に目を覚ましていたのが、今は自然と早く目が覚める。2度寝をするかしないか、いずれにせよその体は朝であることを認識する。1日に期待したりしなかったり。そして時折、自分はなぜ生きているのかと問う。結局答えを見出せぬまま1日が始まる。そして終わる。

          子供の頃、親に起こされて無理矢理に目を覚ましていたのが、今は自然と早く目が覚める。2度寝をするかしないか、いずれにせよその体は朝であることを認識する。1日に期待したりしなかったり。そして時折、自分はなぜ生きているのかと問う。結局答えを見出せぬまま1日が始まる。そして終わる。

          曲メモ:ヒグチアイ「劇場」

          ヒグチアイ「劇場」(Apple music) 「劇場」とは恐らく人生の暗喩だ。「2人の男と女」とは父と母の事で、それから客席に現れるのは友人や親族、その他沢山の人達であり中には恋人もいるのだろう。  人生の暗喩と同時に、自分を誇示したい欲の現れとも言えるか。それは時に自分の行方を失わせてしまう。誰も私から離れて欲しくない!と言う自分の中から放たれる悲鳴。でもその悲鳴は往々にして理解はされづらい。  やがて主人公は1人きりで踊り続ける。「さみしいけど孤独じゃないの」と言う。そ

          曲メモ:ヒグチアイ「劇場」

          デジタル落書き帳:混沌の情景②

          デジタル落書き帳:混沌の情景②