「当たり前」を整える
ブランディングや企業のグラフィックデザインなどを行う際は、私は「当たり前」とされていることが実は重要な要素なのではないかと考えているので、そのことについて考えてみました。
「当たり前」を調べてみると、
1 そうあるべきこと。そうすべきこと。また、そのさま。「怒って―だ」
2 普通のこと。ありふれていること。また、そのさま。並み。ありきたり。「ごく―の人間」「―の出来」(goo辞書より)
のような意味があるようです。
当たり前(考えなくても良い)だから疎かになっていく。
当たり前とはどういう状態かを考えたときに「考えなくても良い状態」なのではないかと思います。良い言い方をすればショートカット。悪い言い方をすればバイアス。良い面も悪い面も持ち合わせています。
ことデザインのことで考えてみると、デザインを施した直後に色々とルール決めをします。そのルールも月日が経ち「当たり前」になった途端に人それぞれの「当たり前」ができはじめ、それにより様々ルールができたり疎かにしたりで、いつの間にか様々な方向性へと行き、気づくと「当たり前」が無数に存在し、Aさんの言う当たり前とBさんの言う当たり前が実は違うということが発生します。
当たり前を整える
ブランディングの仕事をしている時に、こういう方向性で行きたいと、行きたい方向性のヒアリングを行いますが、同時に手掛ける前に「当たり前」を整えることも考えます。
・なぜ今のままではダメなのか。
・なぜ変える必要があるのか。変えることが目的なのか。
・変えた後に管理できる人はいるのか。
と「言われてみればそうだね」的なことが多々出てきますが意外にも自分たちでは当たり前すぎて見えていなったりします。「当たり前」は当たり前になっているから気付きづらくなる性質があるようです。
「デザイン=作ること」に価値が置かれているが、そもそもそこにある資産の中でどう整えていくかもまたデザインの仕事だと考えています。毎回料理を作るために材料を集めて調理することも料理、台所に残っている材料で調理するのも料理と同じようなことがデザインでも言えます。
新しいイメージを作ってから整えるのか、整えてから新しいイメージで企業をブランディングするのか。それはその会社の体質などにもよりますが、「当たり前」を軽視せずに整えることが根底には必要ではないでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?